米国の警察、容疑者のiPhone XS/Xを「見ない」ように指示される

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警察はiPhoneそのものを見てはいけない、そんな世の中になりました。

今月の頭頃フォーブス(Forbes)が、警察が強制的にFace IDで容疑者が所持していたiPhoneのロックを解除させて中のデータを見るという操作方法を行っていたことを報道していました。そしてMotherBoardの最新の報道によれば、米国各地の警察署に対して、警察官や職員が容疑者のiPhone XやiPhone XSシリーズのディスプレイを目で見ないように、という指令が下っているということです。これは、Face IDによる認証が不可能になることを予防するための措置とみられています。

iPhoneX_FaceID

Face IDの試行回数の”浪費”予防が目的か

iPhone XやiPhone XSに搭載されているFace ID認証システムは、人の顔の識別を5回行い、5回とも失敗するとパスコード/パスワード認証をしないとデバイスにログオン(アクセス)できなくなります。警察が現在直面しているのは、容疑者の端末を見てしまったときに、意識することなくその5回のうち1回を”浪費”してしまうということがある、ということです。

何度も見てしまうと、あのAppleのiPhone X発表イベントのデモにおける悪夢が再現

MotherBoardは、セキュリティ専門企業のElcomsoftによるレポートでこの問題が強調されていることを報道していて、Elcomsoft社は警察に対して、「ディスプレイを見ないこと、そうしないとAppleの発表イベントと同じようなことが起こる」と警告しています。「去年、AppleがiPhone Xを発表した時に、Appleのクレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)上級副社長(SVP、ソフトウェアエンジニアリング担当)がiPhone XのFace IDのデモをしている時に顔識別に失敗し、パスコードを入れざるを得なくなったという赤っ恥をかく状況が再現される」とされています。

そういえば、あれ以降クレイグ・フェデリギSVPが壇上でデモやスピーチをすることがなくなってしまいました。。今年のiPhone XSシリーズの発表イベントでも全く出てきませんでしたしね。やっぱりあの恥ずかしいデモの失敗が響いているんでしょうか。。だとしたら一大事ですね(少なくとも、クレイグ・フェデリギSVPにとっては)。笑

何度も見てしまうと、あのAppleのiPhone X発表イベントのデモにおける悪夢が再現

なお、米国の警察では容疑者のiPhoneの扱いについて、Face ID以前のTouch IDに対しても、ホームボタンを押してスリープ解除をせず、サイドボタンを押すことでスリープ解除をするように指令が出されていました。これも上記と同様の理由で、Touch IDの失敗回数を”浪費”してしまうことを恐れてのことと思われます。

パスコードロック解除ツール【GrayKey】は使えなくなったのか?

しかし、米国の警察機関で広く採用されていたはずの、GrayShift社によるiPhoneパスコード強制ロック解除ツール【GrayKey】はいったいどうなったのでしょうか。たぶん、こんな指令が出たということは、このツールそのものが無効となったか、USB制限モードがオンになっているデバイスが多いということなのでしょう。

なお、【GrayKey】については当ブログでも詳細をお伝えしており、人気記事となっておりますので、ご存じない方はぜひご参照ください。

また、この措置は当然ながら10月19日から予約販売が始まるiPhone XRや、月末に発表イベントがあると思われる新型iPad Pro(Face ID搭載)についても適用されると思われます。

記事は以上です。

(記事情報元:9to5Mac

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