AirPlay 2の機能は、iOS 11.3とtvOS 11.3のデベロッパ向け評価版のベータ版のうち、beta 1と2には入っていたのですが、今朝リリースされた最新のbeta 3から外されていることがわかりました。
iOS 11.3とtvOS 11.3のbeta 1と2では使えていたAirPlay 2の機能がbeta 3では削除される
iOS 11.3とtvOS 11.3のbeta 1と2では、これらのバージョンにアップデートするとiOSデバイスや第4世代と第5世代のApple TVで、AirPlay 2が使用可能となり、ストリーミング音楽や複数のデバイスを同時に接続することができていました。
例えば、2つのtvOS 11.3を搭載したApple TVを別々の部屋に置いた場合、1台のiPhoneを使って同じ音楽をAirPlay 2のマルチルームオーディオ機能を使って同時に鳴らす、ということが可能でした。
またtvOS 11.3ではApple TVにHomeKitを設定することができ、ホーム画面にホームAppが追加されていました。
iDownloadBlogによれば、上記の全ての機能がiOS 11.3とtvOS 11.3 beta 3からは削除されてしまっているようです。つまり、AirPlayによって複数のデバイスで同時に音楽を鳴らしたり、Apple TVでHomeKitを設定することはできなくなったというわけです。
iOS 11.3とtvOS 11.3 beta版のAirPlay 2はバグが多く一部の機能しか動かなかった
もともと、AirPlay 2の機能はバグだらけで、しかも全機能が動いていたわけではありませんでした。それが恐らく削除された理由ではないかと思われます。今のところ、AppleがいつAirPlay 2を再度iOSやtvOSのベータ版に再搭載するかについてはわかっていません。
AirPlay 2は去年6月のWWDCで発表済み
AirPlay 2は昨年6月に行われたWWDC(世界開発者会議)で、iOS 11の新機能の1つとして既にAppleから公式に紹介されていました。しかし当時から、いつから使用可能になるかについては言及されていませんでした。
もしAirPlay 2が公式に使えるようになれば、HomePodやApple TV、そしてAirPlayをサポートするBOSEなどのサードパーティ製のスピーカーも使えるようになる予定でした。そしてAirPlay 2に対応した製品が普及してくれば、AirPlay 2を使って家中のスピーカーやその他のデバイスで、マルチルームオーディオ機能を使って1つのiPhoneやiPadでコントロールすることも可能になるといわれています。
HomePodの真骨頂はAirPlay 2で発揮される?しかしハードウェアが先にリリースされた
またマルチルームオーディオ機能はHomePod向けの機能だと言われていましたが、Appleはその機能を搭載することなくHomePodの販売を開始しています。実際、初期ロットのHomePodに搭載されているiOS 11.2.5がベータ版だったことからも、Appleがかなり慌てて拙速にリリースした様子がうかがえます。
AirPlay 2によって、更にHomePodを複数繋いで、部屋の中の音響を更に強化することもできるようでしたが、そのような機能も更にAirPlay 2の遅れによって、先送りになりそうです。
恐らくは頻出するバグと、もう1つ大事な問題はセキュリティの関係で、AppleはAirPlay 2のデビューを遅らせた可能性があるのではないか、と個人的には見ています。最近iOS 11にはバグやセキュリティの問題が頻出し、新機能を盛り込む周期を2年に1回に変更したというニュースを当ブログでもお知らせしたとおりです。Appleはどうやらソフトウェア部門に問題を抱えているような気がします。ソフトウェア部門担当上級副社長のクレイグ・フェデリギSVPはジレンマを抱えているか、肝を冷やしているのではないかと思われます。。
しかし去年6月発表したものが今でもできていないのはちょっと問題がある気がします。。Appleには開発のための潤沢な資金と十分なスタッフが確保されているはずなのですが、それでも、AirPlay 2機能を実現するのはそこまで難しいものなのでしょうか。。
ただ、確かにバギーでセキュリティ的にも問題があるものを焦ってリリースされるよりは、問題ないものをリリースしてもらった方がいいのは事実です。Appleもさすがに批判に晒される過ぎるのはイメージ的にもよくないと考えた可能性があります。
記事は以上です。
(記事情報元:iDownloadBlog、MacRumors)