Appleの新製品【iPad Pro】が去る11月11日にリリースされ、おなじみの分解マニュアルサイト【iFixit】による全分解が行われた。
ただiFixitの内容が非常に多く英語のため、勝手ながら当ブログで日本語で簡単にまとめた。
iPad Pro 基本スペック
- 12.9インチマルチタッチLCDディスプレイ、解像度2732×2048(264ppi)
- 第三世代64bit A9Xチップ、M9コプロセッサ
- 800万画素iSightカメラ、120万720p FaceTimeカメラ
- 802.11a/b/g/n/ac MIMO Wi-FI、Bluetooth 4.2
- Touch ID、ジャイロスコープ、加速度センサー、気圧計、環境光センサー
- 自動バランス調整機能付き4スピーカー
iPad Pro 分解プロセス詳細
フロントパネル外し
従来のAppleのiOSデバイスと同様、吸盤を使ってディスプレイの縁を持ち上げ、そしてプラスチックの片を使って全周の糊(シーリング)を剝がしてフロントパネルを浮かす。なお、暖めながらやったほうがいいようだ。これはかなり大変な作業。
ロジックボードと接続されているケーブルを外すと、フロントパネルが外れる。
ロジックボードの取り外し
ロジックボードはこれまでの設計と大きく異なり、中央に配置されていて、バッテリーが2つ左右に配置されている。またスピーカーが4つ配置されているのも見える。思ったより空いているスペースがあるという印象だ。
表にあるネジを外す。
ロジックボードを覆っている黒いカバーは、ロジックボードを保護すると共に、固定する役目を果たしている。ネジを外せばこのように外すことが可能。
カメラモジュールの取り外し
FaceTime HDとiSightカメラを取り外す。この部品に関してはiPad Air 2と大きさは同じだ。
スピーカー・イヤホンユニットの取り外し
次はスピーカーとイヤホンユニットの取り外しだ。iPad Proのスピーカーの特徴は、ユーザがiPad Proを置く角度によって、高効率になるようにスピーカーの音のバランスを調整する機能があることだ。
2本の底面のアンテナと、下部のLightningコネクタもロジックボードと繋がっているので注意。
iPad Proのロジックボード
ロジックボード上にSK Hynix(ハイニクス)の4GB RAM、A9Xチップ、コンパスや音響関係などのチップが載っていることが確認できる。
iPad Pro ロジックボード上のチップの種類 その1
- ●Apple APL1021 A9X 64-bit プロセッサ
- ●SK Hynix H9HCNNNBTUMLNR-NLH 16 Gb (2 GB) LPDDR4 RAM (2 GB × 2 = 4 GB total)
- ●Toshiba THGBX5G8D4KLDXG 32 GB NAND Flash
- ●InvenSense MP67B 6-axis ジャイロスコープ&加速度センサー
- ●NXP 65V10 NFCコントローラ (iPhone 6/6 Plusと同様、またNexus 5Xと6Pにはmarked NXP 54802と表記)
- ●NXP SemiconductorsのLPC11U37とARMCortex-M0 マイクロコントローラ
- ●Apple (Cirrus Logic) 338S1213 オーディオコーデック
iPad Pro ロジックボード上のチップの種類 その2
- ●Fresco Logic FL1100 4-port USB 3.0 ホストコントローラ(iPad ProではUSB 3.0がサポートされている!)
- ●Universal Scientific Industrial 339S00045 Wi-Fiモジュール
- ●TNXP 1610A3 (iPhone 6s/6s Plusと同じもの。同系列の1610A1もiPad Mini 4で使われている)
- ●343S00025-A1
- ●343S00052-A1
- ●Maxim Integrated MAX98721CEWV (iPad Air 2のMAX98721BEWV と同系列)
- ●Fairchild Semiconductor FDMC 6683
バッテリーの取り外し
そして最後の大仕事はiPad Proのバッテリーの取り外しだ。バッテリーの規格は3.77Vで10,307mAh。バッテリーの着脱は、今回はのり付けされておらず簡単とのこと。
最後の最後に残ったのはSmart Connectorとなった。これは取り外しが非常に難しいもよう。
難易度3(10が一番簡単)!iPad Proの分解修理は難しい
なお、iFixitはiPadの分解の難易度に3点をつけている(10が簡単、1が難しい)。接着剤が多く、ディスプレイも割れやすく、またSmart Connectorを完全に取り外そうとすると相当困難で、全体的に修理は相当難しい端末となっているようだ。
記事は以上。
(記事情報元:iFixit)