Apple主催のWWDC(世界開発者会議)が終了すると、今度はiOS脱獄開発者会議のWWJCが行われるのが例年の行事となってきた。そう、1年に1度のWWJCが昨日無事に開幕したのだ。
Cydiaの制作者でiOS脱獄(Jailbreak、ジェイルブレイク)業界では正に神!ゴッド!といっても過言ではないSaurik(Jay Freeman)も今回のWWJCの基調講演で講演した。
とはいえ、毎度おなじみのSaurikは既に脱獄犯の皆さんにとってはそれほど目新しく感じないだろう。しかし今年のWWJCはちょっと違う。なんとAppleの社員がWWJCに参加しているというのだ!その名もMatthew Millerさん。
About 6 #Apple employees here, and Facebook/Uber etc – https://t.co/xNcRCLHGYw
— JailbreakCon (@JailbreakCon) 2015, 6月 20
Matthew Millerさんによれば、恐らく彼がWWJCに参加している唯一のApple社員だろうとのこと。
しかし上記のWWJC主催者のツイートによれば、今年のWWJCには6人ものApple社員が参加しているようだ。ちなみにMatthewさんは既にご帰宅されているとのこと。
Going home. Jailbreakcon was fun! (@ Powell St. BART Station in San Francisco, CA) https://t.co/eHwBxxMsDQ
— Matthew Miller (@matthewmspace) 2015, 6月 22
上記のWWJC主催者側のツイートによれば、Apple社員以外にもFacebookやUberの社員も参加しているという。
AppleとiOS脱獄デベロッパとは、お互いに愛憎の念が入り交じった関係といえるかもしれない。なぜなら、Appleはいつも脱獄ツールが発表されるとできるだけiOSをアップデートし、その脱獄ツールに使われたセキュリティホールを塞いでしまおうとする(もちろんセキュリティ確保のための当然の行動なのだが)。しかしAppleは同時に脱獄アプリや脱獄Tweakによって実現する便利な機能やアイデアをApple自身のiOSアップデートに採り入れているのも紛れもない事実なのだ。2008年に初めてのiOS脱獄ツールがリリースされて以来、この関係はずっと現在まで続いている。
WWJCに参加したApple社員達は、ティム・クック(Tim Cook)CEO或いはいずれかの上級副社長(ヴァイスプレジデント)の許可を得て参加したのだろうか、それとも全く自発的に参加したのだろうか?そして彼らの目的とは?もしかしたら未来の”同僚”を探しに来ているのかもしれない。
画蛇添足 One more thing…
なぜApple社員がWWJCに参加したのか、WWJC側も目的がなければ参加は許可しないだろう。これは邪推だが、WWJCや脱獄ハッカー側の立場都市ては、Appleに対して脱獄ハッカーが発見した脆弱性、セキュリティホールを”買い取って”もらうための窓口を確保しておきたいのかもしれない。
ところで今年のWWJCでは何か重要な発表があるのだろうか。ちなみにこれまで、WWJCの場で脱獄ツールが発表されたということはない。恐らく脱獄ハッカー同士の交流、技術の交換(あまりしないだろうけど)、既に発見されたセキュリティホールや脆弱性、開発されたexploitが公に出ない形でやりとり(場合によっては取引)されるのではないかと思われる。中国人ハッカーも恐らく参加していると思われるが、さて次の脱獄ツールはどのハッカーチームからリリースされるのか!?気になるところだ。私個人的にはマネタイズに関しては確立されたスキームを持っている中国のハッカーチーム、新鋭のKeen TeamかPangu Teamではないかと思っているが、もちろん確実な予測ではない。
記事は以上。
(記事情報元:iPhone中文網)