2007年1月9日、Appleの共同創業者のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)前CEOがアメリカ・サンフランシスコのモスコーン・センターで、世界に向けてiPhoneをリリース発表した。今はそのジョブズはこの世にいないが、iPhone製品は時間の流れの中で衰えることなく、10年目の誕生日を迎えた。
iPhoneはもともと3つの製品の集合体として発表された
iPhoneがリリースされた時、AppleとジョブズはこのiPhoneを3つの製品の集合体だとした。それはすなわち革新的な携帯電話、そしてタッチパネルを搭載したワイドスクリーンのiPod、そして卓越したインターネット・コミュニケーターの3つで、デスクトップクラスのメール機能、Webブラウザ機能、そしてサーチやマップなどの機能が軽く利便性の高いデバイスの中に詰め込まれていた。
毎年、毎回iPhoneの新機種がリリースされるたびに、アメリカをはじめ世界中の多くの国で争奪戦が繰り広げられ在庫がなくなるという、同類の製品では他の企業ではほぼ成し得ないことをずっと続けているのがAppleだ。さてそんなiPhoneにもいくつかエピソードがあるので紹介したい。
初代iPhoneは最初アメリカだけでの販売だった
まず、2007年にリリースされた初代iPhone(iPhone 2G)は、最初販売された国はアメリカだけだった(しかもAT&TのキャリアSIMロックがかかったもののみ)。その後2007年11月に、iPhoneはようやくイギリスとドイツとフランスで発売された。インドなどは2008年8月になってようやくiPhone 3Gが発売された。
日本ではiPhone 3Gから初めてiPhone導入、最初はSoftBankのみ
その状況は日本も同様で、iPhone 3Gの代になって初めてiPhoneが導入された(当初扱っていたのはSoftbankだけだった)。日本はGSMのネットワークがなかったため、そもそもGSM専用の初代iPhoneは使えなかったのだ。
初代iPhoneにはApp Storeはなかった
初代iPhoneにはApp Storeはなかった。現在のiPhone、iPadなどiOSデバイスのエコシステムの最も重要な部分を担うApp Storeも、2007年の初代iPhoneがリリースされた時には存在さえしていなかったのだ。なお、App Storeは世界で初めての合法的なモバイル用アプリケーションダウンロードプラットフォームだった。
iPhoneはその名称でシスコに訴えられた
Appleは”iPhone”という名前をつけたことで訴えられたことがある。2007年1月、スティーブ・ジョブズが初代iPhoneをMacWorld 2007で発表した後ほどなくして、Appleはシスコ(Cisco Systems)に訴えられたのだ。当時シスコは”iPhone”という名前の権利を持っていたため、カリフォルニア北部の連邦地方裁判所にAppleを訴えた。
Appleは日本のアイホン株式会社に商標使用料1億円を毎年払っている
日本でも、ドアホン・インターホン・ナースコールを製造販売していて、特にインターホンでは日本一のシェアを持つアイホン株式会社の製品”アイホン”と名称が似通っていることから双方で協議が行われ、日本ではAppleのiPhoneの発売にあたって、日本語でのカタカナ表記を”アイフォーン”とすることで双方が合意、また商標についてはアイホン株式会社が商標を取得した上でAppleに使用を許諾し、Appleはアイホン株式会社に毎年商標使用料を1億円支払うことで合意がなされている。
iPhoneは歴史上最も影響を与えたガジェットと認定された
「TIME」誌はiPhoneが歴史上最も人類に影響を与えたデバイスだと評価した。2016年、TIME誌の”歴史上最も影響力のある50のガジェット”のリストを発表し、そのトップがiPhoneだったのだ。「TIME」誌の評価によれば、iPhoneは”私たちのコンピューティングと情報の間の関係を根本的に変えた”という理由で、その名に恥じない、歴史上で最も影響力のあるガジェットとして認められている。
iPhoneは累計10億台以上売れている、地球人口の7分の1
Appleは既に10億台以上のiPhoneを販売している。2016年6月、Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOはApple本社で行われた従業員との座談会でiPhoneの総販売台数が10億台を突破したことを発表した。この数字は地球上の人口の7分の1に値する。「iPhoneは既に歴史上で最も重要で、最もディープに世界を変え、最も成功した製品の一つとなり、もう既に肌身離すことができない製品となった。iPhoneは真の意味で私たちの日常生活で最も重要な一部となり、多くの仕事を成し遂げることができるようになったのだ」とクックCEOは語っている。
iPhoneの中で最も値段が高い部品はこれだ
iPhoneの中で最も値段が高い部品は何だろうか?それはRetinaディスプレイパネルだ。Appleは当然のことながら各部品の価格を公開することはないが、これまで多くの企業が各部品価格の”見積り”を行ってきた。例えばマーケティングリサーチ機構のIHSがAppleの最新のiPhone 7を分解した際にやはりRetinaディスプレイパネルが最も高い部品だと見積もっており、1つのRetinaディスプレイパネルの原価はだいたい43米ドルほどとしている。
iPhoneはAppleの営業収入の60%を占める
iPhoneはAppleの営業収入の60%を占める主要製品だ。2007年7月以降、iPhoneはAppleの営業収入の中で最大のシェアを持つ製品となった。前四半期(2016Q4)では、iPhoneの販売額はApple全体の営業収入の60%となっており、ちなみにシェア2位はサービス業務(App StoreやiCloud等)で、シェア率は14%となっている。つまりiPhone以外の製品はどの製品もAppleの営業収入の14%以下ということになる。
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(記事情報元:WeiPhone)