地上最強のApple未発表製品予言者Ming-Chi Kuo氏がKGIを離職!今後Appleの予測はしないかも

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これまでかなり正確にAppleの未発表製品の予測を当ててきた、著名なアナリストMing-Chi Kuo(郭明錤)氏が、所属していた台湾KGI証券を離職し、将来はAppleに関連しなくなる可能性が高いことがわかりました。これまでの予測の正確性から、世界的にもApple関連としては最強のアナリストとして著名だったMing-Chi Kuo氏。。これからは彼ほど豊富で正確な予測は出にくくなるのかもしれません。

MingChi-Kuo_郭明錤_01

台湾のメディア、China Times(中時電子報)の報道によると、先週金曜日の4月27日に、KGI投資顧問のスターアナリストでもあったMing-Chi Kuo氏が既に離職し、次のプランやキャリアは決まっていないそうですが、中国大陸の証券会社或いは世界的なリサーチ機構に行くのではないかとみられています。そして問題なのは、Ming-Chi Kuo氏は今後担当する分野としてはAppleは選ばず、更に多くの新興産業にその視点を向けていくとされていることです。著名なジャーナリスト、Mark Gurman氏のTwitterでも上記の記事が紹介されています。

Appleなどの業界の先行きの予測について、世界的に著名なメディアとして台湾のDigitimes(電子時報)が挙げられますが、このメディアが現在のところ、Appleのサプライチェーンとの繋がりが最も緊密なテック系メディアとされています。2010年頃、Ming-Chi Kuo氏はこのDigitimesのシニアアナリストでした。その頃から、Ming-Chi Kuo氏はずっとAppleの未発表製品やサービスについて、最も豊富な情報量と正確な予測を出してきました。しかし2011年にKuo氏はConcord Securities(康和証券)に転職、その後2012年にはKGI(凱基証券)に転職と2回の転職を繰り返した上で現在に至っていました。

Ming-Chi Kuo氏はアジア各地のAppleのサプライヤーと関係を築き、そこからの情報をもって非常に正確で詳細のApple未発表新製品の予測を出してきました。その予測は同業者の半年かそれ以上先を行っていたといえます。例えば、2014年、まだ大型ディスプレイのiPhoneが販売されていない頃、Kuo氏は既にiPhone 6とiPhone 6 Plusに関するいくつかのスペックを予測していました。また彼は当時既にApple Watch(当時はiWatchなどと呼ばれていました)についてもリリースされることを予測していましたが、結局製品は2015年から量産に入ったため、彼は相当前から予測していたことになります。

MingChi-Kuo_郭明錤_02

Ming-Chi Kuo氏はこれまでAppleの未発表新製品の情報について、写真や社内資料などの証拠をつけずに予測するのがスタイルでした。一部の詳細情報については間違っていたこともありましたが、基本的にはAppleのロードマップに従ってリリースされた製品と情報は一致していたので、特に証拠がなくても、信用に値する情報だったのです。

彼の唯一の問題は、リリース時期の予測があまり正確ではなかったか、予測が早すぎたことです。例えば上に書いたApple Watchなどもその1つの例です。また2016年3月には、つまりiPhone Xがリリースされる1年半前に、彼は既にAppleが5.8インチの有機ELディスプレイ(OLED)を採用したiPhoneの研究開発を進めていること、また背面がガラスでステンレスフレームが採用されることまで予測していました。

なお、Ming-Chi Kuo氏がこれまで当ててきたApple未発表製品の予測は、枚挙に暇がないほどです。これは彼が予測してきたほんの一部です。

  • iPhone X
  • iPhone 7:3.5mmのイヤホンジャックが廃止、ジェットブラック色が用意されること、3Dスピーカー、耐水防塵性能
  • 10.5インチiPad Pro
  • Apple Watch Series 2がGPSを単独で搭載
  • iPhone SE
  • Apple Pencil
  • 12インチMacBook Air(その後MacBookであることが判明)
  • Touch BarとTouch IDを搭載したMacBook Pro
  • iPhone 6/6 Plus
  • カラフルなiPod Touch、白いフロントパネル

なお、まだ実現していませんが今年リリースが予測されている3種類のiPhoneについても、Ming-Chi Kuo氏が初めて世界に向けて情報を出した人でもあります。2018年の次期iPhoneは6.1インチ、5.8インチ、6.5インチの3種類になるとされ、これまで言われてきた5.28インチの機種はなくなった、とされました。そして今年4月26日、Ming-Chi Kuo氏は最後の予測を出しました。それは今年秋にリリースされる次期iPhoneには、全く新しいタッチコントロール技術が採用され、CGSモジュールによってコストがかさむため、3D Touch機能が削られる可能性があるというものでした。

ちなみに、ここ数ヶ月、Kuo氏はAppleの今後の製品についてMing-Chi Kuo氏は以下の予測を残しています(以下はその一部です)。どのくらい実現するのか、注目ですね。。

  • Appleは今後値段を下げたHomePodの廉価版を今年後半に発売する。しかしSiriのAI機能が弱く、競争相手に比べると見劣りするため、短期的な効果しか得られず、今年HomePodの出荷台数は200〜250万台に止まる
  • Appleは新しいApple Watchを開発中。画面は15%大きく、バッテリー持続時間が長くなり、ヘルスケアモニタリング機能が強化され、第三四半期にリリース。Apple Watchの出荷台数が20%〜30%増加し、3年間の出荷台数は4000〜5000万台が望まれる。
  • 2018年のLCD版iPhone(6.1インチiPhone)は、DSDS(デュアルSIMデュアル待受)版と、シングルSIM版の2つが用意され、価格は650〜750ドルで、中国市場を狙った機種となる。また3機種のiPhoneのうちこの機種の出荷台数シェアは65〜75%を占め、1億〜1億2000万台売れる。
  • 2018年の新型iPhoneのLTE伝送速度は、LCPのLTEアンテナを搭載するため、大幅に上昇する。高周波、熱、湿気に更に強くなり、2つ或いはそれ以上のLCPによるLTEモジュールが組まれるため、4×4 MIMOアンテナテクノロジーがサポートされる。またLTEベースバンドチップは殆ど全てがインテル(Intel)から調達され、クアルコム(Qualcomm)には殆ど発注されない。
  • 2018年の新型iPhoneのバッテリー容量の範囲として、6.1インチモデルには2850mAh〜2950mAh、5.8インチモデルには2700mAh〜2800mAh、6.5インチモデルには3300mAh〜3400mAhのバッテリーが採用される。
  • 13.3インチMacBook Airが6月初旬のWWDC 2018でリリースされる。価格は799ドル〜899ドルで、LGディスプレイのディスプレイパネルが採用される。解像度は2500×1600ピクセルで、この製品によってMacBookの製品ラインの出荷台数は15%増え、1550万〜1600万台となる。
  • iPhone Xは2018年の半ば頃に生産を終了し、製品全体としては6200万台の生産で終わりそう。ちなみに予測では8000万台だったため、予測に比べると不振に終わったことになる。
  • AppleはiPhone SE 2をリリースしない。Kuo氏は、今年後半に新型iPhoneが3機種もリリースされ、社内リソースも非常に大きく消費するため、今年はiPhone Xの遅れのようなことは許されないことから、Appleは第二四半期でiPhone SE 2をリリースする余力はない。
  • 2018年全体のiPhoneの出荷台数は2.45億〜2.55億台となり、10〜20%の年成長率となる。
  • 2018年の新型廉価版iPad(iPad 6)は、今年のiPad出荷台数シェアの70%以上を占める。
  • 廉価版9.7インチiPad(iPad 6)がApple Pencilの出荷本数を増やす。今年のApple Pencilの出荷本数は900〜1000万本に達し、去年の400〜450万本の倍以上になる。
  • 次世代AirPodsは今年後半にリリースされ、W2チップが搭載される。外観は殆ど変わりがない(充電ボックスを兼用できるようにするため)。
  • Apple(Beats)は第四四半期にハイエンドのヘッドフォンをリリースし、音響製品を充実させる。
  • AppleのAR技術は中国のスマートフォンメーカーOppoに迫られているか既に追い越されている。
  • AppleのFace ID技術とそのUIはAndroidの競争相手よりも1.5年か2年進んでいる。

いずれにせよ、Ming-Chi Kuo氏には当ブログとしてはネタを提供してもらって大感謝なのですが、巷には毎回のAppleの新製品発表イベントが大方予測通りでサプライズがなかったという、非常に残念な気持ちにさせてくれるとして、予測は邪魔なものだという意見もあります(たぶんそのように思っている方はこのブログは見ていないかもしれませんが)。

とはいえ一般ユーザにとってやはりAppleの将来の動向というのは気になりますし、投資家にとってやはり具体的な製品スペックの根拠を伴った将来的な数字の予測は大事なものであり、もしMing-Chi Kuo氏がKGIを離れても、KGIは担当者を切り替えて投資家向けにレポートを出していくものと思われます。今後もKGI及びDigitimesの予測には注目です。

記事は以上です。

(記事情報元:China Times(中時電子報) via iDownloadBlog

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