その目的は?香港のオンラインアップルストア、2017/8/15から購入された製品は返品を一切受け付けないポリシーに変更

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先日、Appleの香港の公式サイトが、アフターサポートのポリシーを密かに変更していたことがわかりました。その変更後の内容とは、2017年8月15日以降、オンラインApple Storeで購入された製品は返品に応じなくなる、というものです。ということは、今後オンラインで香港版のiPhone等を買うと、もうそこで確定してしまうと購入を後悔したとしても返品ができない、ということになります。

Online-Apple-Store_HK

実は昨年にも、Appleは香港での返品ポリシーに変更を加えていましたが、それはApple直営店に限っていました。しかし今回Appleはその変更をオンラインストアにも展開したことになります。

今回Appleがその返品に関するポリシーを変更した背景には、中国からの転売ヤーの存在があると考えられます。中国大陸地区には増値税(付加価値税、VAT)があり、香港とすぐ隣の大陸地区とではまだ価格差があるため、転売ヤーは香港で購入したiPhoneを密かに大陸に持ち込んで売って利ざやを稼いでいます。転売ヤーはともかくありとあらゆる手段で香港のiPhoneを買い漁ります。ただ、大陸でも同じような転売ヤー業者が暗躍することから価格競争となって、在庫の価格が販売価格を上回ってしまうこともあり、そんなときには転売ヤーは香港のAppleストアに返品という形で在庫を戻して現金に換えるという手法をとってきました。

Appleが香港だけで返品をしないというポリシーを決めたのは、上記のような迷惑行為を防ぐためと思われます。しかも次世代iPhoneのうちハイエンド・フラッグシップモデルで【iPhone 8(仮称。iPhone Edition、iPhone X、iPhone Proとも)】は発売当初は在庫が少なくプレミア価格が高騰するものとみられるため、転売ヤーが暗躍することは間違いないと思われます。転売ヤーは購入用の自動クリックプログラムまで作って、香港のオンラインストアで発売開始直後数秒のうちに新型iPhoneを買い占めるということまでやっていますが、今回のこの措置によってAppleで在庫を換金できないリスクが高まることで、転売行為に手を出す業者そのものが減り抑制の効果があるのではないかと期待されます。

いずれにせよ、欲しい人が適正な値段で適当な時期に買えない状況を作り出しているのは転売ヤーでもありますが、それほど需要と供給のバランスが崩れるほどの人気のものを作り出しているのはApple自身でもあります。品薄な状況を作って話題を作っているのではないかと疑われても仕方がないことでしょう。

ちなみにお隣の中国大陸では、このポリシーは適用されず、返品は受け付けられています。当然ながら、転売ヤー抑制をする必要がないからですね。

ただ、香港の消費者保護法において、このAppleのクーリングオフの廃止という行動が引っかかってこないか、少々心配なところではあります。Appleも今や世界でも有数の大企業ですし、もちろん法遵守に関する対策はしっかりしていると思いたいところですが。。

記事は以上です。

(記事情報元:WeiPhone

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