世界のインターネット人口地図、中国が最大に

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OII-Internet_population_cartogram

もしかしたらこの1枚の地図は、壁に掛かっている世界地図よりももっと純粋な地図なのかもしれない。オックスフォードのインターネット研究所がインターネットのユーザ人数を基に新しい世界地図を公表した。(ここで詳細の説明と更に大きな地図を見ることができる)

研究所は2013年の世界銀行が集めたネットユーザ統計のデータを採用し、1つの六角形を47万人のインターネットユーザとした。そういうわけで”通常版”の世界地図上では大きくはびこっていた国家もこの地図では大きく縮小されている。最もその縮小が明らかなのはロシアで、その面積がインドより小さくなっている。そして中国の版図がモンゴルとロシアの大半の領土を”侵略”している。

その他にも、”領土”を表す背景色はその国家のインターネットユーザの総人口に対する割合を表している。真紅は国民の80%以上がネットを使用しており、白が0〜20%の国民がネットを使用していることになる。インドの大きな領土の面積は多くのネットユーザがいることを示しているが、その色の薄さはネットユーザの割合が総人口に比べ低いことがわかる。中国のインターネットユーザ数は世界最多で、しかも国民の40〜60%がインターネットを利用しているということで少なくない数字だ。総数では米国・インドと日本の全員を足しても中国のネット人口を超えることができない。

OII-Internet_users_per_region_graph

そしてこのグラフで見えてくるのが、アジアのインターネット普及率が圧倒的に世界をリードしていると言うことだ。アジアの12.4億人のインターネットユーザは、世界全体のインターネットユーザの実に46%を占めている。

研究所によれば、この研究をした目的は、人々にこのようなことを気づかせるためだったという。「インターネットが人々の生活に重大な影響を及ぼし、多くの人の生活にはインターネットが欠かせなくなっているということです。しかし、地球上にはまだ多くの”連絡がとれない”地域が沢山あるということです。このことを認識しておくことは非常に重要なことです。今日に至っても、地球全体でもたった3分の1の人しかインターネットを使用できないのです」

もちろん、世界にはアーミッシュなど自らインターネットを拒絶している人たちもいれば、北朝鮮のようにそもそもインターネットに接続する権利さえ持っていない人たちもいることを忘れてはならない。

画蛇添足 One more thing…

地図を見るとやはり日本が国土に対して非常に大きいのがわかるし、あの小さい台湾・香港・シンガポールそしてマカオさえ地図に現れているのがわかる。そしてアフリカや中東が圧倒的に小さくなってしまっているのもわかるだろう。

アジアのインターネット普及率やインターネット人口が増えているのは、発展途上の地域が最近凄まじい勢いで発展していること、そしてもちろん中国とインドの影響が非常に大きい。特に中国からは近隣の東南アジアに大量の激安スマートフォンが輸出されており、それがインターネットの普及に拍車をかけているといえる。同様に現在アフリカや中東地域にも中国から格安のスマートフォンが大量に輸出されており、これからはこれらの地域にもインターネットは普及していくのではないかと思われる。

それに加え更にテスラのイーロン・マスクが提唱しているような格安衛星による世界へのインターネット普及構想が実現すれば、辺境地域にも隅々にまでインターネットが届くようになるのではないか。

ただ、中国もインターネット人口が多いとはいえ、そのインターネットには規制が施され、開かれているとはいえない状況だ(中国ネット規制回避の方法はこちらのまとめ記事参照)。世界でインターネット規制をかけている国の地図を別途作ったら面白いことになるかもしれない。私の情報では中国とイラン、そしてトルコやベトナムで一部規制くらいだと聞いているが(他にあったら教えてください)。もちろん、全体的にインターネットが許されていない北朝鮮は問題外だ。

ただし、自由にインターネットにアクセスできることが本当に幸福かどうかというのはまた別の話。

記事は以上。

(記事情報元:sciencealertgeonet

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