【中国珍事件簿】銀行ATMに飲み込まれたカードを取り戻すため、ATM機を解体した男が御用に

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中国はもうすぐ春節(旧正月)を迎える(今年は2月19日が旧暦の1月1日)。湖南省から浙江省温州市に出稼ぎに来ていた26歳の若者朱某は、そんなめでたい1年に1度のイベントの前にタイミング悪く彼女に振られてしまって非常に気が塞いでいた

ATM機から自分のカードが取り出せなくなった!

2月7日深夜、彼は一人でストレス解消のために外出し酒を飲んで1時過ぎになった。そしてATMでお金をおろそうとした時、またまた嫌なことに遭ってしまった。。なんと銀行カードがATMに飲み込まれ取り出せなくなってしまったのだ

次の日には実家に帰らなければいけないのにカードが飲み込まれてしまったため朱は非常に困り、酒の勢いもあってか、拳でATMを殴り始め、その後気分がエスカレートして石でATMを壊そうとして自分の手も痛めてしまった。

彼女と別れ、こんなクソ機械にも虐められた。。男の意地だ!とばかりに朱は家に戻り、箸・ハサミ・包丁を持ち出し、暴力的な手段でATM機から自分のカードを取り戻そうとした。

ATM機を破壊して自分の銀行カードを取り出す愚行に

彼はまず箸でカードの挿入口を開こうとしたが、箸が太すぎて入らなかった。そんなわけで彼はハサミをこじ入れたり、包丁で切ってみたり、手で引きちぎろうとしたり、ありとあらゆる方法を試してATMを解体した。

そんなことをやりながら2時間ほど経ち、2時45分に朱はとうとう自分の銀行カードをATMから取り戻した。しかしATMのコントロールパネルはキーボードだけを残してあとはめちゃくちゃに破壊されてしまっていたのだ。

銀行カードを取り戻した朱は、意気揚々と引き上げた。しかし彼は、自分がATM機を破壊した全ての行程を監視カメラに逐一撮影されていたことには気づかなかったようだ。

以下に監視カメラに撮影された動画から一部の写真を紹介。
China_Bank_ATM_cracked_1

China_Bank_ATM_cracked_2

あえなく御用、賠償金と3年の懲役も

2月9日の昼、温州浜海園区バス停近くのネットカフェにいた朱は警察によって御用となった。彼は既にその日の午後に故郷の湖南省に帰る電車のチケットを買っていたのだったが、無駄になったようだ。

取り調べによる供述で、朱は家具工場でエンジニアとして働いており、普段各種電子機器デバイスを研究するのが好きで、ATM機を分解するのはお手のものだったことがわかった。朱は、銀行の金を盗みたかったのではなく、自分のカードを取り戻したかっただけだと主張したという。

素晴らしい技術を身につけていたのに、使い方を間違えるとは大変惜しいことだ」。と警察官の張臨風さんはメディアの取材に対してそう語った。破壊されたATM機の修理費は5万8,000元(約110万円)にものぼるという。「彼は民事の賠償金を払わなければいけないだけでなく、恐らく3年ほど牢に入らなければいけないだろう」

前途洋々だった若者も、今年の春節は田舎で過ごすことはできなくなってしまった。現在も朱は公私財産故意損壊罪の嫌疑をかけられ、警察に身柄を拘束されているという。

画蛇添足

ATMカード飲み込まれ事件。。実は中国ではよく起こること。私の周囲の友人の中でもよく発生しているくらいだ。恐らくATMの質が悪いのだろう。

中国の銀行ATMでは他にも色々と珍事件が発生する。例えば最大引き出し額5,000元を引き出したらそれらが全部偽札だったとか、、

私自身も、中国のATMに現金を飲み込まれたことがある。ごくごく最近の話だ。浦発銀行という銀行で1万元(約19万円)という大金を入金しようとしたら、エラーが出て、「取引が失敗しました。現金は銀行が預かっています。銀行に電話連絡してください」という表示が出たのだ。取引記録を見たが、入金記録が全くない。幸い「現金は銀行が預かっています」という字が書いてあったのと、iPhone 6 Plusでその画面を撮影していたので、すぐに銀行に電話をしたところ「3営業日待ってくれ」という。随分のんびりしているなと思ったが、信じて待つしかないので待った。

■これが証拠写真
China_ATM_error

結局、その3日後に銀行はATMの記録を探して入金処理をしてくれた。しかし私のその銀行、ATMへの不信感は募るばかりだ。

そんな状況を自分でも経験していると、ちょっと上記の若者朱さんの気持ちは分からないでもない。もちろん酒の力を借りても借りなくても、破壊的な行為に出るようなことはもっての外だが。

ちなみに、ATMで何かトラブルがあった時には、たいていは銀行はその場で対応してくれない。特に営業時間外などはその傾向が顕著だ(私の場合も3営業日だった)。しかし銀行の責任のとり方を逆手に取ったやり方で、銀行に連絡して「ATMから”多めに”金が出てきた」と伝えると深夜でも支店長クラスが飛んでくるらしい。もちろんあとで何を言われるかわからないので、自己責任で。笑

そして、最良の自己防衛の手段はできるだけ窓口を使うことだ。銀行によっては非常に混んでいて気が滅入るのだが。。

この事件、朱さんだけが悪いんだろうか。
そんなカードを飲み込むようなATMサービスを提供している銀行、そしてATMメーカーに全く責任がないと言い切れるのだろうか。

私はちょっとだけ、疑問を感じる。

記事は以上。

(出典元:CnBeta

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