Appleからクレーム!?中国三大キャリアのうち2社がiPhone6の予約サイトを訂正・消去

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昨日と先日、中国三大キャリアのうち2社がまだ発表もされていないApple(アップル)の次世代iPhone「iPhone6」の予約をフライングで開始したという情報をスクープした。

またまたフライング!中国の北京移動がiPhone6の予約受付を開始
こっちはもろに直球勝負!中国電信もフライングでiPhone6の予約を開始

特に中国電信の方は名前だけではなく写真、スペックなども明記されていた。
しかしさすがにAppleからクレームが付いたのか、それぞれ訂正や消去を行っている。

北京移動はアップルマークと6の数字のイメージを消去

1つめの北京移動(Beijing Mobile)からは以前あったアップルマーク+6の文字が消え、「全新神秘手机(全く新しい神秘的な携帯)」という表記だけになってしまっている。

しかし正直これではAppleの次世代iPhoneの予約サイトなのかは初めて見た人には全くわからない。Android機もiPhone6と同時にリリースされるため、それを勝手に予約される可能性もあり、リスクが高いかもしれない。

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ちなみに昨日まではこうだった。

China_Beijing-Mobile_iPhone6_reservation

中国電信はページそのものを消去

もろ直球勝負だった中国電信は、当ブログへのコメントによればその後iPhone6のiPhoneの文字にモザイクをかけた後、更に私が先ほどアクセスしたところ、ページそのものを消去してしまったようだ。左の文字リンクをクリックしてみると、真っ白なページしか表示されないのがわかるだろう(Page not foundではないところがミソだ。)

iPhoneの字にモザイクがかかったWeb魚拓はこちら(バレバレ)。
※このWeb魚拓はいつもコメントいただいているunlockedさんからいただいた。感謝!

china_mobile_iPhone6_mosaic

ちなみに以前のページはこちら。

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なお「立即预约(すぐに予約)」をクリックすると飛べたリンク先には、「このイベントは終了しました」という文字が出るだけになっている。これは間違いなくクレームが付いたのだろう。

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ちなみに昨日までのサイトはこうだった。

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このページのタイトルは「意向征集」となっており、意味的には”購入の意向を調査するアンケート”のような意味なので、本来の予約サイトの目的とは明らかに違うし、これまで集めたアドレスなどは本当に予約の目的に使われるかは怪しい。まあ、国家ぐるみで検閲しているような国にもともとプライバシーなど存在しないのではあるが。。

今回のようなことが発生したのにはわけがある。。まず中国の商習慣から3つの原因が

いやー、フライングで先走っちゃったけど、すぐにやめてしまった。。
しかもその辺の小売店がやったことではない。中国の三大キャリアのうちの2社がやったことだ。日本に置き換えて考えれば、NTT docomo(の東京支店)やauがiPhone6のフライング予約キャンペーンをやってしまったようなものである。
やっぱり中国はワンダーランドだなあ!

しかし今回なぜこんなことが起こったのだろう。私は3つ原因があると思う。

1. 中国にはダメ元の文化がある

正に中国で街中で行われている値切りや交渉の世界と同じで、まずはともかく規則違反だろうが何だろうが、ダメ元で言ってみる&やってみる。ダメだったら「そうですか」といって条件を変えるか引き下がればいい。うまくいっちゃったらそのまま続行。これぞ強かな中国の交渉術だ。中国人は程度の違いはあれそのやり方を実行するので、相手がそれをやることにも寛容だったりする。
トップから末端までこの調子だ。商業的なモラルなど糞食らえで、正直自分(や身内)が得をすればどうでもいいのだ。

2. 中国は費用対効果を最優先する

1.のダメ元を実行するには、もちろん中国人は費用対効果(コストパフォーマンス、コスパ)を最優先する。そして上記の北京移動や中国電信のサイトが予約募集サイトを作るなどはお茶の子さいさいだ。
もし今回のように変更したり消去したりする羽目になっても、初速で手に入れたアドレスや名前などは企業にとって使えるデータとなる。少なくとも大したコストをかけずにデータ収集という目的は達成されてしまったわけだ。

3. 中国では下の人が勝手に判断する文化がある

そしてもう1つは、仕事のやり方に日本のような報連相の仕組みがないため、下の人がある程度勝手にやってしまうところがある。今回中国移動が全体でやらず、北京移動のみでやってしまったということ、また中国電信がいったん作って公開したサイトを引っ込めたのは、恐らく騒ぎになったので幹部がやっと気づいて止めたのだろう。

中国では基本的に会社のオーナー以外に会社のために働こうという人は基本的にはいない。全ては自分のために働いている。また仕事にスピードが求められることもあり、恐らく実行した人は、自分や自分たちのチームが功をあげたらいい、結果オーライならいいだろうという勝手な判断の下、リスクを顧みずに実行した可能性がある。
そしてWebsiteをいじる権限を持っている人が、その改変を幹部の承認無なしでできた可能性もある。
もしくは商業的なモラルが欠如している幹部が利益だけ最優先してノリで承認してしまったか。。それも十分ありうる。

これらの中国の商習慣が100%悪いわけではない

上記3点について、中国人が100%そうかというともちろんそうではない。ただ、私の15年以上の中国経験の中で感じたことで、だいたいの傾向はそうだと言いたいだけだ。
そして私は上記のような中国の商習慣を否定しているわけではない。
それらがとてつもない決定プロセスのスピード化を生み出し、思ってもみないような素晴らしいサービスを産むことだってある。実際、中国のIT界の御三家、テンセント Tencent・アリババ Alibaba・バイドゥ Baidu、そして世界で最も成長が速い携帯メーカーのシャオミ Xiaomiなどはそうやって突き進んできたと信じている。

Appleがお灸を据えた?中国のキャリアのiPhone依存構造が明らかに

Appleはそんな禁断のフライングをした彼らに対して、恐らく「今後iPhoneを卸さない」等のかなりきつい条件を出してやめるように警告したに違いない。Appleにとってもきついが、キャリアも自身にとってiPhoneを扱えなくなることはビジネス上致命的な失敗となると判断したのだろう。

そして今回の件で、中国で間違いなくiPhoneが売れており、キャリアもAppleにその業績を頼らざるを得ない構造があるということの証明にもなったと考えられる。

記事は以上。

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