とうとうインドでもiPhone SE生産開始、しかも5月中に店頭に並ぶというスピードで販売開始されそうだ。
ウォールストリート・ジャーナルに対する声明の中で、AppleがインドでOEM提携先(台湾ウィストロン、Wistron、緯創資通)と共にiPhone SEを製造開始したことを明らかにした。
これまで、殆どのiPhoneは中国大陸で製造されており、一部の古い機種だけブラジルで製造されていたが、長らく続いたその図式が崩されることになった。
インドで製造されたiPhone SEには、”Assembled in India”の文字が刻印されると推測される。Appleはインド市場を狙っており、そのためには販売する端末をインドで製造しなければならないというハードルをこれでクリアする形だ。廉価版のiPhone SEを販売することで、中低価格モデルが中心のインド市場に打って出る方針のようだ。
iPhone SEはインド南部の都市、バンガロールのウィストロンの組立工場で製造を開始し、5月末には出荷が開始され店頭に並ぶとみられているが、インド市場における定価はまだ明らかになっていない。
アメリカや日本などでは、iPhone SEには32GBと128GBの2つのバージョンがあり、価格は399ドルと499ドルというのがアメリカ標準価格だ。しかし既に現在インドの公認リセラーがiPhone SEをアメリカの価格よりも価格を低く設定して販売していて、その価格はだいたい320ドルほどになっているという。AppleがインドでiPhone SEを製造することによってコストダウンが図られるため、iPhone SEはインド市場での価格は220ドル程度まで下げられるとみられている。ただ、Appleは基本的にはこれまで世界中でのiPhoneの価格の基準をアメリカでの販売価格としており、その販売国の通貨と米ドルとの為替変動による価格変動や販売国への輸送費やその国での関税や付加価値税等の要因による価格上昇はあるものの、一定の国の市場の状況を考慮して価格を下げるような例外は設けてこなかった。
今回インド市場で例外を設けるかどうかについては未知数だが、インド市場を本気で取りに行くAppleとしては低価格販売に踏み切る可能性もある。なぜならインド市場のスマートフォンの平均販売価格は200米ドル以下だからだ。そして、iPhone SEである程度シェアをとることができれば、最新機種のiPhone 7シリーズもインドで組立をすることによって、更にコストダウンが図られる可能性があるとみる人もいる。
ただし、市場によって販売価格が変わるとそこには”せどり”をする人、つまりいわゆる”転売ヤー”が暗躍することになるのは目に見えている。特に中国人の転売ヤーはインド市場価格に注目しているのではないだろうか。もしかしたらインド人よりも、中国人の方がまとめてiPhone SEを買い占めてしまい、現地の市場に出回らない可能性もある。100ドル以上の価格差がついてしまうと、中国の市場でのiPhone SEの需要も大きくなるとみられるからだ。
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(記事情報元:THE WALL STREET JOURNAL)