今日はちょっとマニアックな話。
OS X YosemiteではサードパーティのSSDでのTRIMコマンドのサポートがサポートされなくなったのだが、今年秋に一般向けにリリースされるする新OS X、”El Capitan(エル・キャピタン)”では再度このTRIMコマンドが復活するようだ。また、El Capitanまで待たずともOS X 10.10.4正式版でも復活する可能性がある。
これまでのMacでは、もともと取り付けられているSSDにしかTRIMコマンドを実行させず、サードパーティ製のSSDでは専用のツール(TRIM Enabler等)で強制的に使用しない限りTRIMコマンドを使えなかった。更にAppleがYosemiteで導入したkext signing(kext変更に書名が必要となること、“Appleちゃんねる”の記事が詳しい)が導入され、非常に繁雑な作業必要になっていた。しかし先週のWWDC基調講演後にデベロッパ向けに公開されたEl Capitanのデベロッパプレビュー版ではサプライズがあったようだ。
既にテストに成功したユーザによれば、OS X El Capitanは新たにrootlessを導入した。これはシステムファイルへのアクセスを阻止するセキュリティシステムなのだが、それをターミナルコマンドで切った場合はサードパーティ製SSDでTRIMコマンドを実行できるようになるという。ただ、rootlessを切っている間はデータやシステムのセキュリティリスク警告が出続けるという。
OS X El capitanでサードパーティ製SSDでTRIMを使えるようにするための具体的なターミナルコマンドは以下の通り。
- rootlessの使用を停止:sudo nvram boot-args=rootless=0
- TRIMを開始:sudo trimforce enable
- 再起動してrootlessの実行を再開:sudo nvram -d boot-args
現在TRIM Enablerの制作者は既に上記のことを把握しており、今後新しいバージョンのTRIM使用ツールをリリースする予定とのこと。そしてOS X 10.10.4正式版でも公式にサードパーティ製SSDのTRIM機能が使えるようになる可能性があるという。
画蛇添足 One more thing…
TRIMの仕組みについては“DOS/V Power Report”の記事が詳しい。
簡単に解説すると、SSDは長い間使用していると速度の低下が起こるのだが、このTRIMを使うとその速度低下を抑制することが可能となる。ただし、SSD製品のメーカーによってTRIMの効果が大きいものとそれほど影響がないものがある。ちなみに効果が大きいのはIntelとSamsung、SandForceのコントローラを使用しているSSDで、Indilinx、Marvell、東芝製SSDはTRIM未使用時でも性能がもともと高く、あまりTRIMの効果がないとのこと。
記事は以上。
(記事情報元:WeiPhone)