先週から世界中をパニックに陥れているランサムウェア、”WannaCry”の亜種、”WannaCrypt0r”。感染すると、端末内のファイルが暗号化されてアクセスできなくなり、解除するにはビットコインを300ドル分払えという警告が出るものだ(下図参照)。この”WannaCrypt0r”は既に世界で20万台のコンピュータに感染した。ただ、このランサムウェアはWindowsの脆弱性「EternalBlue」を狙ったものだったので、Macユーザには関係ないと私のようなマカーは高みの見物を決め込んでいた。
Macもランサムウェア感染とは無縁ではない?セキュリティ専門家が発言
しかし本日月曜日、セキュリティリスクコントロールと評価のプラットフォーム、SecurityScorecard社の創業者兼CEO、Aleksandr Yampolskiy氏がCNBCに語ったところによると、Macユーザも枕を高くして寝てはいられない、なぜなら”WannaCry”のようなウイルスの攻撃を食らいやすいからだという。
Yampolskiy氏はAppleユーザはこの種のネットワーク攻撃の影響を受けないのか、という質問に対して「AppleのMacユーザはランサムウェアなどの悪意のあるソフトウェアの影響を受けないというのは、非常に普遍的に広まってしまった誤解です。たまたま今回、うまいことに主な攻撃の対象がWindowsを搭載した端末だったというだけで、Appleデバイスも非常にウイルスの襲撃を受けやすいのです」と答えている。
これについてCNBCはAppleと連絡を取ったが、Appleからは何もコメントを得られていないという。
対策としてデータをクラウドにあげておくこと、でもそれだけでは足りない
それ以外にもYampolskiy氏は、ユーザはできるだけデータをクラウドにあげておくことを勧めている。しかしそのことが完全に安全ではないということも指摘する。「もしユーザが情報やデータをクラウドにあげていたとしたら、サードパーティのサービス業者に依頼することになる。しかしそのサービス業者がハッカーの攻撃に遭ってしまったら、これらのユーザは困ったことになってしまう」
というわけで、データはいくつかのクラウドに複数保存しておき、自分でもどこか端末本体とは別に保存しておくのがセキュリティ的にはベストだろう。
Windowsも3月のセキュリティアップデートパッチを入れておけば防げる
ちなみに今回大騒ぎになっている”WannaCrypt0r”は、Windowsでも今年3月のセキュリティアップデートパッチを当てていればこのランサムウェアには感染しない。つまり、セキュリティアップデートが適切に管理されていないコンピュータが感染しているだけなのだ。
Macにも無料でいいのでセキュリティ対策ソフトを
そんなわけで、Macももちろん攻撃とは無縁ではない。できれば無料でもいいのでマルウェア対策ソフトを入れておくことをお勧めする。私はAVGのAvast!を入れている。無料で動作が軽く、検出率も高いのでお勧めだ。
記事は以上。
(記事情報元:Tencent Tech)