当ブログでもお伝えしたとおり、Appleのワイヤレスイヤホン【Air Pods】が一昨日夜に突然Appleの公式販売サイトで発売となった。9月のiPhone 7の新製品発表スペシャルイベントで同時に発表されたAirPodsだが、その後各国の主要メディアにはサンプル実機が配られ、ある程度のレビューが登場している。
そんな中、中国のSINA(新浪)の記者が、読者の質問に答える形で、かなり詳細にAirPodsの性能や使い方について率直な意見を述べているので、これからAirPodsを購入しようとお考えの方にお役に立つかと思いご紹介したい。
なお、以下のQ&Aについては、まずその観察対象は正式版ではなくあくまでメディア配布用のデモ機を試用したもので、現在の正式版ではハードウェアやソフトウェアが更新されて改善されている可能性もあること、そして記者個人の主観も入っていることをあらかじめお断りしておきたい。
Q1. 耳への装着感、フィット感はどう?
A1. もしあなたがiPhoneを使ったことがあるなら、AirPodsの装着感はずいぶんと前から既に慣れているはず。そう、多くの人が毎日つけている、iPhone付属のイヤホン、”EarPods”、、あれの線がないバージョンだと思えばよい。これはまさにあの新製品発表スペシャルイベント後の笑い話になったが、実際につけてみて体験してみると、正にその”EarPodsの線を切ったバージョン”という言葉が当てはまる。装着感も、そして重量感も含め。
Q2. 質感はどう?白しかないの?
A2. まず価格から言うと、16,800円(中国では1,288元)という価格は確かに安くない。しかしその質感は抜きんでていて、充電ボックスの大きさもちょうどいい。手に持っているとまるでガチョウのたまごの石のような感じだ。数日前、業界内の人がこれを見て、「確かにその金額を払わないとその価値は得られないだろう」と感嘆していたほどだ。
Appleのイヤホンには白しかない。AirPodsもそうだ(少なくとも、今のところは)。ネット上では既に黒のAirPodsのコンセプト画像が出回っているが、それらは全て本物ではない。
Q3. 簡単になくしてしまいそう?
A3. 9月の新製品発表スペシャルイベントでのもう1つの笑い話が、「オリンピック公園でイヤホンを探す」というものだった。
実際身に付けてみた体験からいえば、思ったよりずっと外れにくい。SINAの記者がiPhone 7の評論上で、この写真のようにかなり首を振ってみたが、外れることはなかった。
AirPodsを身に付けていると、何となく気になるはずだ。特に混んでいる地下鉄の中などでは、落としたらあんなに小さいものを探し出すのは至難の業だ。
既にサードパーティのメーカーが連結するためのケーブルを開発しているので興味があれば探してみるといい。それを使えば、片方が落ちてももう片方が引きずってくれる。
Q4. ランニングの時に身に着けても大丈夫?
A4. 大丈夫。ただし、お勧めはしない。AirPodsはスポーツ用に用意されたものではないからだ。
落ちやすいかどうかの問題ではなく、AirPodsは防水設計ではないので、もし汗がAirPodsに流れ込んだりすると、スピーカー内で爆音が発生するなどの不具合が発生するのを私は自分で体験した。(ちなみに小龍自身もBeatsの防水ではないワイヤレスイヤホンをランニングで使ったところ、リモコンが壊れたことがある。スポーツをする人は、防水仕様のスポーツ専用のワイヤレスイヤホンを使った方がいい)。
Q5. 5時間のバッテリー駆動時間はちゃんと使える?
A5. ちゃんと足りる。バッテリー電力については心配する必要はない。
実際のAppleの公式サイトで書かれている「5時間の持続時間」というのは誤解を生みやすい。5時間しか使えないのか、と思わせるからだ。確かにイヤホン単体では5時間しか使えないのは間違っていないが、充電ボックスに入れれば15分で60%強に充電でき、3時間使用することができる。
一人が連続して5時間も音楽を聴き続けるという状況はそれほど多くないと思う。間に小休止を入れるはずだ。AirPodsを外して充電ボックスに入れ、水を一杯飲んで一息入れつつちょっと充電すれば、バッテリーについては基本的に心配しなくていい。
また、公式サイトでは充電ボックスを使えばイヤホンに24時間稼働の充電が可能、と書いてあるが、実測値はだいたい4回程度だ。Lightningコネクタを使って充電する。Appleは充電ボックスのバッテリー容量を公開していないが、数十mAhではないだろうか(小龍注:ここは単位が違うような気がするので参考にはならない。いずれにせよ付属の小型の充電ボックスを持ち歩けばバッテリはあまり気にしなくて良さそうだ。)
Q6. 電話はどのくらいかけられる?
A6. 実測のシングルイヤホンでの連続通話時間は1時間と数分だった。
以前片側でしか使えないと強調していたのは、左右2つのAirPodsの構造は全く同じで、どちらもスピーカーとマイクとその他のセンサーを備えていることだ。そんなわけで、片方だけ取り出して単独で使ってもいいし、その片方のバッテリーがなくなったらもう片方を取り出して使えば継続して電話がかけられる。
Q7. AppleのW1チップは何の役に立つの?
A7. W1はAppleがAirPodsのために研究開発したマイクロチップで、本体に取り付けられている。主な役割は2つ、1はワイヤレス接続性能を高めること、2つ目はバッテリー駆動時間を高めること。
このチップを積んだイヤホン(AirPods及びAppleが買収しているBeatsの2種類のイヤホン、計3種)はiPhoneに接続した時に単独でダイアログとバッテリ容量が表示され、その他の普通のイヤホンと比べて特殊な感じがする。
Q8. 耳から外すと音楽が止まるという機能は、実際の使い心地は?
A8. W1以外にも、AirPodsには近接センサーとジャイロスコープが搭載されており、この2つを使っていくつかの機能を実現している。
音楽を聴いている時に片方のイヤホンを外すと音楽が停まり、また着けるとその位置から継続して再生される。ほとんどディレイはなく、これは近接センサーの作用だ。ただ、実際はその機能にはジャイロスコープも関係していて、もしAirPodsを横向きに着けた場合は、停止していた音楽がすぐには再生されない。
Q9. AirPodsで音楽を聞いている時、どうやって曲を停止すればいいのか?
A9. Siriを使えばよい。Siriに向かって「曲を止めて」とか「ボリュームを上げて」と指示をすればいい。
ただ、家の中ではいいけど、街中でこれをやると効率が悪いだけではなく、いかにもマヌケと言わざるを得ない。。
AirPodsには、タップ機能がある。現在のところ、2回軽くタップすることで、Siriに曲の¥再生・一時停止またはストップの機能を割り当てることができる。
Appleは実は全く問題なく軽く3回タップ機能を追加できる。アップデートに期待したい。
Q10. AirPodsはどうやって複数のデバイスとのペアリングをするのか?
A10. 原理は言ってしまえば大して複雑ではなく、もしiPhoneに既にAirPodsがペアリングされていれば、AppleはiCloudによってそのAirPodsのBluetooth信号を全ての同じApple IDを設定したデバイス上に同期することもできる。Mac、iPhone、iPad、そしてApple Watchもだ。
この機能にはシステム要求がある。例えばiPhone/iPadはiOS 10以上が必要だ。となると、当然ながらハードウェア的な制約もある。現在iOS 10にアップデートできる最古の機種はiPhone 5ということになる。
AirPods、Beats合わせて3種類の機種がW1チップを搭載しているが、その3つとも同じ機能が使える。
Q11. 複数デバイスで同時に音楽を流していた場合、どうやってAirPodsを切り替えるの?
A11. 私がiPhone上で楽曲を聴いていて、それをMacに切り替える場合は、ツールバーのBluetoothをクリックし、AirPodsを接続すればOKだ。この操作をすることで、有線イヤホンでいえばiPhoneからコネクタを抜き、Macに挿したのと一緒の効果となる。
Q12. 音質はどう?
A12. だいたい、AppleのEarPodsと同等だ。
そもそもBluetoothイヤホンでは、いい音質は望めない。AirPodsであろうと、その表現力は合格レベルというだけで、ほんの少し低音が聞こえる程度だ。
Q13. 母艦との接続距離は?離れると途切れる?
A13. 私が手元のいくつかのBluetoothイヤホン(プラントロニクス、MEIZU、Jabraとその他いくつかのブランド)と比べてみたところ、AirPodsの伝送距離が一番長かった。私の家は南北が約15mほどあるが、間に壁を挟んでも都ぐれることはなかった。
ただ、ここで強調しておきたいのは私の手元にあるのはテスト版デモ機であることだ。正式版では調整されるかどうかについては不確定だ。
AirPodsが時々接続が途切れるという問題は、私は1回だけ遭ったことがある。それは多くの人がいるショッピングセンターの中で、何らかの電波干渉を受けたのか、AirPodsから聞こえる曲が時々断続的に途切れることがあった。
Q14. AirPodsはノイズキャンセルができる?
A14. AirPods自体にはノイズキャンセリング機能はないが、通話の際にノイズキャンセル機能がある。Apple公式サイトでも、「通話やSiriに話しかける場合など、あなたの声を聴かせたい時には、デュアルビームフォーミングマイクロフォンが周囲のノイズを取り除きます。」と書かれていて用途を限定している。
これは2つのマイクと計算法による通話ノイズキャンセリングで、BOSEのような周囲の音の逆方向信号を出すことによって周囲の音を打ち消すノイズキャンセリングとは違うものだ。
Q15. Appleのデバイス以外にも接続できるの?
A15. 可能。AirPods自体はBluetoothワイヤレスイヤホン、本体背面のボタンを長押しすることで強制的にペアリングモードにすることができ、そうすれば他のデバイスでもペアリングが可能となる。
ただ、Apple以外のデバイスでは機能が限定される。私は4種類のAndroidデバイスを試してみたが、AirPodsとペアリングした後、AirPodsの近接センサーは動作しなくなり、耳から外すと楽曲が一時停止になる機能は使えなくなった。
Q16. 片方をなくしたらどうしよう?
A16. 今のところ、Appleでは1つだけ売るということはしていない。今後どうなるかはわからない。
1個なくしただけならまだいい、一応シングルイヤホンとして使えるから。しかしもし充電ボックスをなくしたら。。それは本当にどうしようもない。
AirPodsイヤホンを落として探すことについて、もう1つ。もしイヤホンを拾った後に必ず充電ボックスを拾うこと。。そうしないとiPhoneとペアリングできなくなる。
Appleは本日、AirPodsの紛失と補償ポリシーを更新した。それによれば、単独で1つのAirPodsや、充電ボックスも購入することができる。ただ、価格はまだ公開されていない。恐らく片方のAirPodsで6000〜7000円といったところではないだろうか。
Q17. お値段は妥当?
A17. 音質に関していえば、恐らく1000円台の有線イヤホンの方がBluetoothイヤホンよりも断然優れているかもしれない。この2種類については比べようがない。片方は音質があり、片方はケーブルがない。もう、それだけだ。
AirPodsの便利なところはワイヤレスであるということにある(このことは、有線の掃除機からダイソンのバッテリ式掃除機に切り替えた人がいれば、よく理解できると思う)。そしてデバイスを複数にわたってペアリング可能ということだ。もしあなたがiPhone、iPad、Mac、Apple Watchの全てを持っていたとしたら、もし有線だったとしたら何本ケーブルが必要だろう?そして、AirPods自身も”無線”で、2つにわかれているわけだが。
記事は以上。
(記事情報元:SINA)