Appleのフィル・シラー上級副社長がフェロー(特別研究員)に昇格、後釜にはグレッグ・ジョズウィアック氏が就任

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スティーブ・ジョブズ時代からのAppleの役員は少なくなってきていますが、その中でもAppleの新製品発表には欠かせない顔役的な役割だったフィル・シラー(Phil Schiller)上級副社長(SVP)。ワールドワイドマーケティングを担当していて、彼がいなければAppleの現在のようなグローバルな活躍はなかったでしょう。そのシラーSVPが、このたびAppleフェロー(特別研究員)になることが、Appleのニュースリリースで発表されました。

Phil-Schiller-advances-to-apple-fellow_08042020

そしてワールドワイドマーケティング担当SVPの後釜には、これまでプロダクトマーケティング部門で長年リーダーを務めてきて、初代iPhoneやiPodなどの製品マーケティングを主導してきていて、ここ4年はワールドワイド製品マーケティング担当副社長となっていたグレッグ・ジョズウィアック(Greg (Joz) Joswiak)氏が入ることになりました。

フィル・シラーは今後もティム・クック(Tim Cook)CEOの直属の役職として、引き続きApp StoreとAppleのイベントをリードしていくということで、フェローも名誉的な役職かと思ったらかなり実務的な立場を残したまま昇格するような感じになるようです。

ティム・クックCEOは「フィルはAppleを今日の会社にするのに貢献してきた人物であり、その貢献は広く、広大で、深いものがあります。この新しい役割では、彼はAppleでの数十年間を定義してきた素晴らしい思想的パートナーシップと指導を提供し続けるでしょう」と述べています。

フィル・シラーはこれまでAppleに勤務した33年にもわたって、Apple製品だけでなく、マーケティングの指導的立場にありました。そして今年6月に行われたWWDC 20(世界開発者会議2020)は基調講演を含め完全にオンラインで行われましたが、その企画と実行を主導したのもフィル・シラーでした。

「スティーブ、ティム、その他多くの素晴らしい友人たちと一緒にAppleで仕事ができることは、私にとって夢のようなことでした」とシラーは述べています。「私は27歳のときに初めてAppleに入社し、今年60歳になりましたが、私の人生にいくつかの計画的な変化をもたらす時が来ました。彼らが私を持っている限り、私はここで働き続けるでしょう。私は6色の血が流れていますが、私はまた、私の家族、友人、そして私が深く気にしているいくつかの個人的なプロジェクトのために、今後数年間でいくつかの時間を作りたいと思います」と述べています。

「6色の血が流れている」とは、かつてのAppleロゴが6色であったことを示し、つまり私にはAppleの血が流れている、ということを暗喩している表現で面白いですね。ただ年齢に触れたことや今後家族や友人のためにもう少し時間を使いたいという意志も感じられ、60歳という年齢に達したことから、今後は少しずつ名誉職の力を使って現場の第一線を離れていくということになるのだと思います。1987年に入社して既に33年、人生の半分以上をAppleに捧げてきたわけですからね。

ちなみにAppleフェローとは、Apple関連WikiのFandomによる説明では以下のように定義されています。

「Apple Fellowとは、在職中にパーソナルコンピューティングへの並外れた技術的またはリーダーシップ的貢献をしたとしてApple Inc.から表彰された人のことです。各フェローは、リーダーとして、また先見の明のある人物として、それぞれの専門分野でAppleを指導します。また、フェローには社内のストックオプションも与えられます。」

というわけで社内のストックオプションは非常に魅力的ですよね。。

ちなみにこれまでAppleフェローになった人は、今回のフィル・シラーを含めて以下の面々となっています。

  • Al Alcorn
  • Bill Atkinson
  • Steve Capps
  • Rod Holt
  • Guy Kawasaki
  • Alan Kay
  • Don Norman
  • Rich Page
  • Phil Schiller
  • Gursharan Sidhu
  • Gary Starkweather
  • Steve Wozniak

というわけで個人的にも、とりわけApple(Apple Computer)共同創業者の1人スティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak, Woz)氏や、パーソナルコンピュータの父と呼ばれるアラン・ケイ(Alan Kay)氏、LisaやMacintoshの最も主要な開発者のビル・アトキンソン(Bill Atkinson)氏、レーザープリンタとカラーマネジメントの発明者であるゲイリー・スタークウェザー(Gary Starkweather)氏、元Appleのエバンジェリストとして有名でMacintoshの発展に大いに貢献したガイ・カワサキ(Guy Kawasaki)氏、その他Appleやコンピュータ技術の礎を築いてきた重要な開発者達と肩を並べるようになるのは素晴らしいことだと思います。

なお、ジョズウィアック氏が継いだワールドワイドマーケティング部門は、Appleの製品管理と製品マーケティング、開発者(デベロッパー)とのリレーションシップ作り、マーケティングリサーチ、ビジネス管理、教育、エンタープライズ、グローバルマーケティングという幅広い担業務を担当している組織になります。ジョズウィアック氏であればもちろん問題なく仕事をこなすことでしょう。

ただ、年末のジョニー・アイブ元CDOはじめ、ジョブズ時代のSVPが一人、また一人と減っていくのは少し寂しいですね。

記事は以上です。

(記事情報元:Apple Newsroom, Fandom

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