【過去最大の22%減】世界スマホ出荷、AppleはSamsungに50万台差。Xiaomi等3社は3割減

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調査会社の【IDC】の10月14日付の発表(掲載日は15日)にある速報値によると、2026年第3四半期(7〜9月)の世界のスマートフォン出荷台数は2億5,530万台で、前年同期比22.0%減となりました。IDCが四半期ごとの集計を公表してきた中で最大の落ち込みです。首位はSamsungの5,780万台(シェア22.6%)、2位はAppleの5,730万台(22.4%)で、その差はわずか50万台、0.2ポイントまで縮まりました。3位以下のXiaomi(シャオミ、小米)、OPPO、vivoはいずれも3割前後の減少で、市場全体の減少幅を大きく上回っています。IDCは、AI向けの需要によるメモリ価格の高騰を主因に挙げています。

IDC 2026年第3四半期 世界スマートフォン出荷速報

1年で約7,200万台減、減った分の半分はXiaomi・OPPO・vivo

世界の出荷台数は前年同期の3億2,730万台から約7,200万台減りました。IDCの速報の表を各社ごとに引き算すると、減少分の内訳は次の通りです。

IDCの2026年第3四半期の世界スマートフォン出荷、各社の前年同期比。Samsungが5.8%減、Appleが4.0%減、Xiaomiが29.2%減、OPPOが34.5%減、vivoが31.5%減、その他が32.5%減、市場全体は22.0%減

各社の出荷台数(IDC速報値、2026年10月14日公表)
メーカー2025年第3四半期2026年第3四半期増減前年同期比
Samsung6,140万台5,780万台約360万台減5.8%減
Apple5,970万台5,730万台約240万台減4.0%減
Xiaomi4,340万台3,070万台約1,270万台減29.2%減
OPPO3,910万台2,560万台約1,350万台減34.5%減
vivo2,790万台1,910万台約880万台減31.5%減
その他9,600万台6,480万台約3,120万台減32.5%減
合計3億2,730万台2億5,530万台約7,200万台減22.0%減

出荷台数と前年比はIDCの速報値、増減台数は掲載値からの計算です。前年の各社の台数を合計すると3億2,750万台となり、総計欄の3億2,730万台とは20万台の差があります。以下は概算とし、シェアはIDCの公表値を使っています。

IDCの公表値から計算すると、Xiaomi・OPPO・vivoの3社を合わせて1億1,040万台から7,540万台へ約3,500万台の減少で、減少率は31.7%です。市場全体で減った約7,200万台のうち、ほぼ半分をこの3社が占めています。残りの4割強がその他のメーカーの分で、SamsungとAppleの2社は合わせて約600万台、1割弱にとどまりました。その結果、SamsungとAppleの合計シェアは36.9%から45.0%へ8.1ポイント上がり、世界で出荷されるスマートフォンの半分近くを2社が占めるところまで来ています。

同じIDCの表では、AppleとXiaomiの差も開きました。1年前はAppleの出荷がXiaomiの約1.4倍でしたが、今回は約1.9倍です。IDCは、低価格帯への依存が大きい中国ブランドほど、利益を守るか台数を守るかの選択を迫られていると説明しています。部品代が上がったときに価格へ転嫁しやすいのは高価格帯の機種で、安い機種ほど利益が薄いので、値上げによる販売減と、価格を据え置いた場合の利益の圧迫という板挟みになります。

SamsungとAppleの差は50万台、シェア差は0.2ポイント

IDCの表では、SamsungとAppleの差は50万台、シェアでは0.2ポイントです。1年前の同じ四半期は170万台、0.5ポイントの差でしたので、1年でさらに縮まりました。IDCは2社のシェアの差が0.1ポイント以下のときに「統計上の同率」とする決まりを公表資料に明記しています。今回はSamsungが単独首位です。

IDCの中国市場の発表によると、Appleは今年、無印モデルを含まない少ない機種数で新製品を展開しました。世界出荷も4.0%減ながら、上位5社では最も小さい減少率です。当ブログでお伝えしたiPhone Duoの予約・出荷計画は次の四半期の話です。iPhone Duoの出荷が加わる10〜12月は、Appleがこの50万台差を埋められるかが次の焦点です。

原因はメモリ価格、1年で約4.5倍に

落ち込みの原因についてIDCの速報は、AI向けの需要で高騰したメモリ価格を挙げています。IDCのナビラ・ポパル氏によると、メモリのコストは昨年から約350%上昇し、なお上がり続けています。350%の上昇ということは、1年前の4.5倍の値段になったことを意味しています。第3四半期の前期比の上昇は10%台前半に鈍化したものの、それまでの四半期は前期比で50〜100%の上昇が続いていましたので、上昇のペースが落ちただけで、高い水準はそのままです。メモリ以外の主要部品も高止まりしているとIDCは述べています。

IDCのフランシスコ・ジェロニモ氏は「圧力はメーカーから消費者へ移っている」と述べています。値上げが店頭の価格に反映されるにつれて、多くの人が今の端末を長く使う方を選んでいるということです。IDCは市場の成長が2027年まで抑えられ、回復は早くても2028年になると予測しています。一方でキランジート・カウル氏は、来年の部品供給がさらに厳しくなる前に生産計画を増やしたメーカーがあり、需要が弱いままなら2027年に向けて在庫が積み上がるリスクがあるとも指摘しています。買い替えを考える人にとっては、値下がりを待つより、値引きが最も大きくなる年末商戦の時期に買うのが得策だというのがIDCの見立てです。

中国以外では約24%減、地域で異なるメーカーの強さ

当ブログでは昨日、同じIDCの中国市場の速報をお伝えしました。中国の第3四半期は約5,790万台で15.4%減、HUAWEI(ファーウェイ、華為)が17.3%増でシェア21.1%、Appleが4.3%減でシェア17.8%とIDCの中国速報は伝えています。中国の約5,790万台は世界の2億5,530万台の22.7%ですから、世界で出荷されるスマートフォンの2割強が中国向けです。中国の前年台数を減少率から逆算し、世界の総計から中国分を引くと、中国以外は約2億5,886万台から1億9,740万台へ、約23.7%の減少です。今回の落ち込みは、中国以外の地域を合計した方が大きいことになります。

一方、中国の速報では、HUAWEIは上位メーカーで唯一の2桁成長で、前年同期比17.3%増でした。総出荷台数とシェア21.1%から計算すると、約1,222万台を中国向けに出荷したことになります。ただし、世界の速報ではHUAWEIの台数は「その他」に含まれ、単独では公表されていません。中国での成長から、HUAWEIの海外での増減やHonor、Transsion、Motorola各社の世界出荷の落ち込みを判断することはできません。中国で伸びたメーカーと、世界でシェアを伸ばしたメーカーの顔ぶれが違う点が、今回の比較で分かることです。

そしてもちろん、米国の制裁を受けているHUAWEIは、性能的に不利なため中国以外でのスマートフォンの売上げが芳しくないのは想像に難くないのが現状です。

 

小龍的にはこう思った

小龍的には、SamsungとAppleも台数を減らしているのに、合計シェアは45.0%まで上がっている点が気になります。IDCの速報から計算すると、2社の減少は約600万台、Xiaomi・OPPO・vivoの3社は約3,500万台です。売れ行きが伸びたというより、競合の落ち込みが大きく、2社に市場が集中したことになります。IDCが挙げる高価格帯の製品構成、調達規模、部品供給の確保が、不況の中で差になっているといえそうです。あとはもちろん、これまで築いてきたブランドイメージ・総合的ブランド力がものを言ったのではないでしょうか。

IDCの見通しでは、市場の回復は早くても2028年です。ただ、市場全体の回復時期と、日本で個々の端末が値下がりする時期は同期しないと思われます。IDC自身も、来年の部品不足に備えて生産を増やすメーカーがあり、需要が弱いままなら在庫が積み上がると指摘しています。部品が高いままでも、売れ残り在庫を減らすために値引きが出る可能性はあるわけです。というわけで値段がどうしても気になる方はセールを待つのも1つの手ですね。

当ブログでもお伝えした通り、第2四半期の売れ筋上位10機種はAppleとSamsungが独占しました。今回の世界出荷でも、その2社がシェアを広げています。安い機種を大量に売るメーカーほど部品の値上がりを吸収しにくいというIDCの説明は、日本で手頃なAndroid端末を選びたい人にも関わる話です。

価格だけでなく、同じ予算で選べる機種のメモリ容量や保存容量がどう変わるかも、買い替えの際にじっくり比べたいところです。

 

記事は以上です。

(記事情報元:IDC、IDC中国市場速報)

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