Appleの忘れ物防止タグ”Appleタグ”は超高精度、誤差は10cm以内か

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Appleは次世代iOSのiOS 13で、独自のトラッカータグ(追跡タグ)を追加することが、ベータ版の中から見つかっていますが、そのTileのライバルのような忘れ物防止タグ「Appleタグ」は、超広帯域技術「UWB(Ultra WideBand)」を使ったもので、驚くべき正確度で位置をトラッキングできるものであることを、TF International Securitiesの著名なアナリストMing-Chi Kuo(郭明錤)氏がレポートで紹介しています。

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「Appleタグ」のコンセプトイメージ by MacRumors

Kuo氏によると、この「Appleタグ」は、小さい円形のものになるということで、財布や鞄、鍵などに取り付けることでそれらがどこにあるかをiPhoneによって追跡できるようになります。そしてこの「Appleタグ」が恐らく利用するであろう超広帯域技術「UWB」が、日本時間9月11日午前2時から行われるスペシャルイベントで発表される予定のiPhone 11シリーズに全て搭載されると予測されています。

超広帯域技術UWBでは、これまでのBluetooth LEやWi-Fiなどよりも遥かに高精度の位置特定が可能になるようで、その制度は100倍も高まるといわれています。Kuo氏によると、

実際には、UWB信号は、Wi-FiとBluetoothの約5mの精度と比較して、5〜10cmの精度で2つのデバイス間の距離を効果的に測定できます。タグの位置を追跡する固定ビーコンのシステムに実装すると、位置は10cm以内の精度で計算できます。

ということで、誤差5〜10cmという高い精度で位置が特定できるようになるようですね。

なお、「Appleタグ」には超広帯域技術UWBのみ搭載され、iPhone 11シリーズ以降しか使えなくなるのか、或いは従来のデバイスのことも考慮して、Bluetooth LEも搭載されるのかについては不明です。

iOS 13の内部コードには、新しい「Find my items」アプリが内包されていて、これまでの「iPhoneを探す」アプリと統合され、「Appleタグ」を含むトラッキングタグを使った位置特定ができるようになることをMacRumorsが発見しています。

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iOS 13で追加される「Find my items」の画面

この「Find my itemアプリ(日本語ではどうなるかわかりませんが、「私のものを探す」アプリ?)」とトラッキングタグをペアリングしておけば、iPhoneからそのツールが離れると警告を出したり、或いはそのタグ本体からチャイムを鳴らすことで場所を特定することもできます。もちろんプライバシーにも配慮されていて、特定の場所は検索の範囲から外すこともできます。またそのタグの場所情報を家族や友人に共有することも可能です。

更に、もしそのトラッキングタグをなくしたり盗まれた場合はそのタグをLostモード(紛失モード)にすることができ、プッシュ通知などで所有者の連絡先などの情報が通知されるという仕組みになっています。

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iOS 13の内部コードで発見されたバルーンの画像

またiOS 13の内部コードには、この「Find my item」アプリにはARKitが組み込まれる可能性が高いことを示唆する画像が見つかっています。その画像は2つの風船(バルーン)で、探し物を風船状の物で表示することで、それが大きくなるように移動したりiPhoneを動かすことによって探し物に近づく、というような導き方をするようになることも、「数フィート歩いて、バルーンが見えるようになるまでiPhoneを上下に動かしてください」というiOS 13内部の「Find my item」アプリバンドルの文字列に登録されている表示によっても明らかになっています。

この「Appleタグ」が開発されていることはiOS 13ベータ版の内部コードから明らかではありますが、その発表の時期が日本時間9月11日午前2時からカリフォルニア州クパチーノのApple Park内”Steve Jobs Theater”で行われる新製品発表イベントにおいて、iPhone 11シリーズと共に発表されるかどうかについては定かではありません。ただ、iOS 13も間もなくリリースされることを考えると、発表だけはされて、発売はもう少し遅くなるのかもしれません。

この「Appleタグ」が、もし本当院Kuo氏がいうようなUWB技術で5〜10cmの精度で位置が特定できるようになると、非常に便利になる反面、悪用されると非常に困る事態が発生することは明らかです。まるで映画の中で出てくるような追跡の光景を、いとも簡単に実現できるようになるでしょう。Appleタグを他人の持ち物に忍ばせることで、誰でも手軽に他人を追跡できてしまうからです。検索されている間は強い光を出すとか、音を出すなどの工夫をしない限り、プライバシーの侵害となってしまう可能性もあります。Appleはどうやって悪用されないように工夫するのか、注目していきたいですね。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors

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