デンマーク王国で出願された新しいアップル特許出願が、HomePodに関連して将来起こり得る機能を網羅していることが、本日Patently Appleによって発見されました。
そのうちの1つは、ホームシアター体験用の4スピーカー設定です。Appleがそれほど遠くない将来にストリーミングコンテンツビジネスに参入することを考えると、これは彼らの新しいサービスと同期して市場に打って出る可能性が高いといえるでしょう。
もう1つの機能は、家中に点在するHomePodの宅内メッセージング機能です。Appleは、メッセージが適切な人に届くようにするために、誰がどの部屋にいるのかを検出する新しい「プレゼンス(存在)検知」機能について特許出願書類に記述しています。この超高度なAIによって実現する機能は、Appleユーザでなくともクールに映るかもしれません。ただし、家が広い人や階層がわかれている一軒家などに使用が限られるかもしれませんが。あとはもちろん複数のHomePodを買えるくらい経済的に裕福な家庭であることも条件ですね。
上記の特許出願によって、AppleがHomePodに対してより進んだビジョンを持っていることが明らかになりました。HomePodの1つのスマートスピーカーとしての控えめなスタートを考えると、その想像を遥かに超えています。そして特許の中には、HomePod体験を向上させるためにAppleが取り組んでいる興味深いソフトウェアについての記述もいくつかあります。1つ1つ、紹介していきます。
Quad HomePod(4台のHomePod)によるホームシアター体験
下記のAppleの特許図示10Lと図示29Aは見た目はとても簡単で、一目瞭然です。Appleは将来的に提供される独自ビデオストリーミングサービスのためのホームシアター体験を提供するために、Apple TVと連携することができる4台のHomePodセットアップを導入する予定のようです(しかしHomePodが4台で、軽く10万円を超えますが。。廉価版が出るのを期待したいところですね)。
ユーザーはiDevice(iPhone/iPadなど)から4-HomePodオーディオを制御することができるようになるようです。
家庭内メッセージング+高度なプレゼンス検出
将来的に、HomePodは家庭用インターコムシステムとなるスマートホームの一部となり、あなたの視点に応じていくつかの本当に素晴らしい、或いはちょっと不気味ともいえる機能を提供することになるのかもしれません。これが今回の出願特許の中のハイライトといえるでしょう。
例えば、母親が、HomePodでSiriを使用して夕食の準備ができていることを自分の子供に通知しようとしたときに、Siri(HomePod)が子供の位置を検知し、その場所にあるHomePodが子供に向かって夕食の準備ができたことを伝える、というわけです。Appleは特許出願書類で、Siriは必要に応じて各ユーザの物理的な位置を、音の検知=プレゼンス検知によって特定することができるようになるとしています。
具体的には、特定の部屋にいる特定の人のプレゼンス(存在)の判断を可能にする、というものです。HomePodは、特定のユーザの呼吸パターン、足跡パターン、モーションセンサー、またはカメラによるプレゼンス検出が可能になるようです。
これは善意で使われれば大変便利な機能ですが、悪意のある人によって使われると、恐ろしい機能になる可能性があります。そういう意味で、”不気味”ともいえるのではないでしょうか。
ディナーパーティーにおけるHomePod機能
特許によれば、将来のHomePodは、例えば友達とディナーパーティーを開いた時に友達のiPhoneを検出し、その中のお気に入りの曲を確認して、パーティー中に再生できるカスタムプレイリストを作成することができます。さまざまな音楽の趣味を持つさまざまな友人が、みんなにとって非常に興味深い音楽の夜を創出し演出することができるというのです。確かに、誰もが自分の好きな音楽を聴くのが好きですし、みんなに聴いてもらいたいと思っているでしょう。もしかしたら、この将来のHomePod機能はパーティーで大ヒットするかもしれません。
個人的には、大衆的な傾向のあるクラブで、DJにとっても応用が利くのかも、と思ったりします。或いはレストランや公共の場所でも、応用が利くかもしれません。
Apple TV HomePodハブ
Appleの”ホーム”アプリには”HomePodハブ”項目が増設され、キッチン・寝室・中庭・ガレージなどエリア毎にカスタム設定ができるようになりそうです。
HomePodオーディオのカスタマイズ
Appleが4つのHomePod設定を導入すると、ユーザーはオーディオのカスタマイズをより細かく行えるようになります。Quad HomePodシステムが家庭やオフィスのさまざまな部屋で使用され、オーディオをカスタマイズするための最大限の柔軟性をユーザーに提供することは、オーディオファンや映画の鑑賞者にはたまらないでしょう。というより、従来のスピーカーの役割を考えれば当然のことなのかもしれません。
Appleの特許は2017年第2四半期にデンマーク王国で提出され、2019年1月16日にヨーロッパで公布されました。AimeePiercy氏(シニアUXデザイナー)やPedro Mari(シニアコードアーティスト、ヒューマンインターフェイス専門家)などを含む13人のApple社内エンジニアがこの特許の発明者として名を連ねています。まだ特許出願段階であることを考えると、このような製品が市場に出るタイミングは現時点では不明で、まだ先になるのではないかと思われます。
HomePod自体は確かに音質は良いようですが、価格の高さやSiriの性能の低さによって販売が低迷しているようです。上記のような発明特許によってセンサーの役割を果たすようになるなど、様々な機能を包括して便利に使えるようになれば、今後売れていくのかもしれません。
それよりも、早く日本でHomePodの販売が始まることを願っています。
記事は以上です。
(記事情報元:Patently Apple)