AppleはiDevice(iOSデバイス)のアクセサリメーカー向けに、MFiライセンスプログラムを提供しています。MFiとは、Made For iの略で、iにはそれぞれiPhone、iPad、iPodが入ります。
MFiライセンスプログラムの認証とは
このMFiライセンスにはAppleによって詳細な基準が設けられていて、それを遵守することを証明された製品のみ、しかもメーカーがAppleにライセンス料を支払うことでMFi認証を取得できます。そして取得後、メーカーはそのMFiライセンス取得を証明するロゴを製品のパッケージに印刷することができます。
ユーザはMFi認証ロゴがついている製品であれば、安心して購入して使用することができるというわけです。
ちなみにこのMFiライセンス認証プログラムの実態は、基本的にはLightningコネクタを使用した製品、例えばLightningケーブルのような製品に特化している認証ともいえます。というのも、Lightningコネクタを使用するにはコネクタ部分に電力やデータ処理のためのチップが必要で、そこにAppleのMFi認証が必要とされていて、Apple自身が接続されたLightningケーブルがMFi認証を取得しているチップであるかどうかを判定できるからです。
認証がないLightningケーブルには、認証取得済品或いはApple正規Lightningケーブルについていたチップをコピーして出回っているチップが使われているため(しかもほぼ100%中国内で出回っています)、iTunes経由での復元ができなかったり、酷いものはデータ伝送はおろか充電さえできなくなります。
MFiライセンス認証ロゴは長らく変更されていなかった
しかしそのMFiライセンス認証ロゴはかなり以前からずっと変更されていませんでした。そして、9to5MacによるとそのMFiライセンスのロゴが先月、とうとう変更されたようです。
新しいMFiライセンス認証ロゴには合理的な変更がなされている
新しいMFiライセンスプログラム認証取得ロゴは、これまでデバイスの形状が表示されていたのがApple社のロゴマークに変更されていて、しかもiPodが後ろに回されています。
恐らく、iPhoneやiPadの形状が今後iPhone Xを基準にベゼルレスでホームボタンなしに変更されるため、旧ロゴの形態と合わなくなったこと、そして旧ロゴのiPod Classicは既にディスコンとなっていて、Appleが現在もハードウェアで売っているのはiPod Touchのみとなっていること、また今後製品の形状が変わっても適応できるように、製品そのものの形状は表示しないようになったものと思われます。更に、Appleのロゴを追加することでApple製品であることを強調するという、将来を見越した上で自社のイメージを植え付けるという、機能的にも将来的にも大変理に適った変更であるといえるでしょう。
切替期限も設けられている
なお、この新ロゴは2月9日に公表されていて、2月9日以降にMFi認証を取得した製品は必ず新しいロゴを使用しなければならないこと、また2月9日以前にMFi認証を取得した製品は、90日以内にこの新しいロゴに梱包を変更しなければならないことが、Appleによって2月に発表されたガイドライン「Marketing Materials – MFi Identity Guidelines February 2018」によって強制的に要求されています。
MFi認証は安心の証だが、海外製品ではそうでもないかも
MFi認証は本来製品に与えられるものですが、メーカーに与えられるものと勘違いしてか、または故意に(こちらは悪質)、MFi認証を取得していない製品にもMFiロゴを付けている製品などもあったりします。例えば当ブログでもお伝えしたとおり、世界中で日本のブランドを騙って進出しているMiniSo(メイソウ)のLightningケーブルがMFiライセンス認証を取得していないにも関わらず、ロゴを印刷して売っていて、実際に使ってみるとiPhoneの復元ができないことが判明しています。
日本で販売されているものには特に問題はないと思いますが、海外で販売されているMFi認証ロゴ付のアクセサリ製品には上記の通り注意が必要かもしれません。ましてや、だいぶ時間が経っているのに旧ロゴのものはアウトかもしれません。また、MFiライセンス取得にはかなりの費用がかかるため、びっくりするくらい格安の製品の箱にMFi認証ロゴが印刷されていても、まず費用が理由で取得していないと思ったほうがいいかもしれません。
例外的に、AmazonやAnkerなどではかなり安価(739〜770円)でMFi認証取得Lightningケーブルを売っていますが、これが底値だと思って間違いないと思います。この2つのような名前の知られたブランドならいいですが、そうでないものには注意が必要です。
記事は以上です。
(記事情報元:9to5Mac)