Apple、2016年のApp Storeの収入はGoogle Play Storeの倍に

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Appleの会計年度2017Q1(実際の2016Q4)決算報告によれば、会社全体の業績や運営状態は非常によく、iPhoneやApple Watchの販売台数がApple史上最多を記録したという。しかしAppleにはハードウェアだけではなく、サービス部門もあり、その収入はiPadを超え、もしかしたらMac部門さえも超えてしまうかもしれないほど急成長してきている。

AppleのApp Storeの収入、Google Playストアの倍

Appleのサービス部門には、App Store・Apple Pay・Apple MusicやiCloud等が含まれている。そして今回の決算報告の電話会議において、Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOはApp Storeのアプリのダウンロード数が220万になったことを明かした。これに対して、マーケティング機構のStatistaのレポートによれば、2016年12月のGoogleのPlay Storeのアプリのダウンロード数は260万だったことがわかっている。このダウンロード数という数字だけを見ればPlay Storeの方がApp Storeよりも遥かに多いのだが、しかし収入という数字を見れば、App Storeの方がGoogle Play Storeの2倍になっている。

appstore-vs-googleplay

実は、この状況はそれほど驚くべきことではない。というよりこの状況は既にずっと長く続いてきた。App Storeがそこまで多くの収入が得られるのは、もちろん多くの原因と要素が考えられるが、例えばアプリ内部課金や定期購読システムが充実していることが主な原因だろう。それに対して、Google Playでは、多くのアプリ本体が有料ダウンロードで、そのダウンロード数に頼った収入モデルとなっており、比較してみればApp Storeの方がビジネスモデルとして非常に成功しているといえるだろう。

 

デベロッパがiOS用アプリの開発を優先、Android用は後回し

昨年2016年のAppleのサービス事業の営業収入は総額71.7億ドル(約8,071億円)に達した。前年比の成長率は18%だったが、Appleはこの成長率に満足していないという。クックCEOはこれまでずっと、自社のサービス事業はフォーチュン100強企業と同じものだと考えてきた。大量の開発者(デベロッパ)がこの記録を支え促進しており、多くのデベロッパがまずは優先してiOS版を作り、その後Android版を作るという順番になっている。例えば最近最も話題となったNintendo(任天堂)の『スーパーマリオ ラン』は昨年9月にiOS版がリリースされたが、記事更新現在でもAndroid版はリリースされていない。

 

今後、数ではAndroidアプリが圧倒的に増えそう

デベロッパがiOS版とApp Storeを優先するにはもちろん理由が多い。App Storeのお客の方が、課金をしてくれるからだ。そしてGoogle Playストアの方は無料のアプリの方を重視していて、そのことでユーザの需要を満たそうとしているため、そもそも方針が違うのだ。

Androidプラットフォームのアプリの数は今後もすさまじい勢いで膨張を続けるだろう。なぜなら今後、全くインストールしなくても使える”Instant Apps”が誕生するからだ。それによって、タップ1回でアプリを体験できてしまう。

 

Appleは2021年にサービス収入を倍に成長させる計画

Appleの決算報告では、Appleサービス部門での定期購読課金ユーザの数は1.5億人を超えたとされ、200万以上の企業がApple Payに対応したとされている。

そしてAppleはこの4年でサービス事業の収入を倍にするという目標も立てている。

 

画蛇添足 One more thing…

上記では収入ベースの話になっているが、利益ベースではどうだろうか?Apple Insiderによれば、昨年7月のデータだが、アプリ1個単位の利益ではApp Storeの方がGoogle Playよりも4倍も多いことが分かっている。利益ベースでもApp Storeの圧勝状態だ。世界的なハードウェアのシェア率を鑑みると、この数字はすさまじいものだといえるだろう。

ただ、もともとGoogleはOS・アプリを含むプラットフォームやリソースのオープンソース化、無料化を目指しているため、Appleの閉鎖的な空間の中で優れたUXを通したユーザの囲い込みをするという方針とは全く異なる。それが収入や利益の差に繋がっているのだろう。とはいえ、サードパーティのデベロッパからすれば、やはりお金を払ってくれるユーザが多いApp Storeのために開発を優先するというのはよく分かる話。そんなわけで優良で有料のアプリもiOSに集中する、というわけだ。

サービス部門の収入を4年で倍にするというAppleの目標も、昨年の18%という成長率を見れば、達成が困難な数字でもなさそうだ。ただ、今後iPhone・iPad・Macなどのハードウェアデバイスの売上が落ち込むようなことがあれば、その達成は難しくなる。次世代iPhoneのiPhone 7s/8の販売台数がここ数年のAppleの将来を決めるといえるだろう。

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

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