AppleのAPFSに欠陥、macOS High Sierraでディスクイメージのバグが発見される

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Appleのファイルシステム、APFSに欠陥が見つかったことをMacRumorsが報じています。発見したのはMacのバックアップソフトウェア”Carbon Copy Cloner”の作者で、これは最新のmacOS High Sierraでも発生します。特定の方法で作成されたディスクイメージの欠陥により、データが失われる危険性があります。

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APFSの欠陥により、スパースで作成されたディスクイメージに問題が

ソフトウェア開発者のMike Bombich氏によるCarbon Copy Clonerのブログ記事によると、AppleがmacOS High SierraでMacにも導入した新しいファイルシステム、Apple File System(以下APFS)によって、スパースバンドル(Sparsebundle、必要に応じて縮小および拡大する拡張可能ファイルを作成、ファイル拡張子 .sparsebundle が使用される)でディスクイメージを作成したことでその欠陥がわかったとのことです。

スパースバンドルのディスクイメージはmacOSのデスクトップにマウントされ、必要に応じて大きくなったり小さくなったりする仮想ディスクのようなものです。このディスクイメージはバックアップやディスクのクローンを使う際に利用されるのですが、その”必要に応じてサイズが変わる”機能に問題が出てしまっていることをBombich氏は指摘しています。

不具合は2点、残り容量表示の誤りと、実際に容量が足りなくても書き込めてしまうこと

上記に関連する問題は2点発生しています。

1点は、APFSでフォーマットされたスパースバンドルディスクイメージが、そのディスクイメージを格納しているディスクの書き込み可能残り容量をかなり減らした場合、そのディスクイメージの書き込み可能容量を正確にアップデートせず、誤った情報が表示されるというもの。

そしてそのスパースバンドルディスクイメージに残りの容量が本当は殆どないにもかかわらず(格納されているディスクの書き込み可能容量が減っているはずなのに)、その残り容量よりも大きな容量のファイルをディスクイメージに書き込むと、なぜかエラーが出ずに書き込めてしまいます。そしてそのディスクイメージをマウントし直してみると、そのディスクイメージに書き込んだとされている大容量のファイルが壊れてしまっているということです。Bombich氏は動画ファイルにてそれを証明しています(書き込んだ直後には動画は上手く再生されていますが、恐らくそれはメモリに保存されたものを再生しているのに過ぎないのでしょう)。

以下がBombich氏によってYoutubeにアップされた検証動画です。

アプリケーションサービス”diskimages-helper”の問題か

この問題はmacOSのバックグラウンドで動作しているアプリケーションサービスの”diskimages-helper”によるものとBombich氏は指摘し、そのことを既にAppleに報告した、とのことです。

通常の起動ディスクやHFSフォーマットのディスクイメージではこの問題は発生せず

なお、通常のAPFSのボリュームで、SSDの起動ディスクでこれを行った場合はこの不具合は発生せず、外部ディスクやネットワークディスクなどにバックアップを作成したりした際にこの不具合が起こる可能性があるとのことです。というわけで、そこまで緊急性や深刻度は高くないともいえます。ちなみにAppleがAPFSの前に使用していた、”HFS”フォーマットで作成されたディスクイメージでは、上記の問題は発生しないため、この問題はAPFS特有のものと考えられます。

この不具合を受けて、Bombich氏はAppleがこのAPFSの欠陥を修復するまで、Carbon Copy ClonerではAPFSによってフォーマットされたスパースディスク(スパースイメージ及びスパースバンドルの両方)のサポートをやめたとしています。

Bombich氏は既にAppleに問題を報告、macOS High Sierraでは次期バージョンで修正か

macOS High Sierra 10.13.3の追加アップデートが本日リリースされたばかりですが、今回のリリースはインドのテルグ文字のある1文字を受信するとクラッシュしてしまう、という問題の修正でした。Bombich氏による上記のAPFSのスパースによるディスクイメージの欠陥について、ブログでの報告が行われているのは先週木曜日で、すぐにBombich氏はAppleにも報告したようですが、今でもmacOS High Sierraではまだこの問題が修正されていない可能性が高いと思われます。

緊急度が非常に高い欠陥ではありませんが、バックアップイメージが壊れるのはよくないことで、不利益を被るユーザもいるかと思います。今後、macOS 10.13.4などで修正されるかもしれません。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors

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