ここ数年、PC業界全体が縮小傾向にありますが、ノートブック型コンピュータはPC製品分類の中の重要な一部分を占め、成長分野になっています。その中でもAppleのMacBookは中堅という位置づけではありますが、その特殊性から他のノートPCとは異なった作用を市場で発揮しているといえるでしょう。しかも更にその業績を伸ばしています。最新のマーケットリサーチ情報によると、Appleは世界でも5位のノートブック型コンピュータメーカーになったとのことです。
Apple、2017年世界ノートPC出荷台数シェアで5位に、シェア率9.6%に成長
マーケティングリサーチ会社のTrendForceが本日公開した、2017年のノートブック型コンピュータの販売台数の統計データにおける最大の変化は、AppleがAcerを抜いて世界で5番目のノートブック型コンピュータメーカーとなったことです。Appleの同統計の市場シェアは9.6%となり、2016年の8.3%から1.3%多くなりました。それと逆に、Acerのシェアは2016年の10.3%から2017年には9.5%に落ちています。
新型MacBook ProでAppleの販売台数が18%の伸び
TrendForceの分析によると、Appleの2017年の成功は新型MacBook Pro(Touch Bar搭載モデル)によるもので、新型MBPによってAppleの出荷台数は18%伸びたとし、これは市場で流通している全てのノートPCの中で最も成長率が高いモデルとなっています。
Appleのシェアが高まらないのは、単価が高いから?
ノートPC市場全体では、2017年の年間出荷台数は1億6470万台となり、前年比2.1%成長しています。ブランドのトップ3としてはHP、Lenovo、Dellとなっていて、シェア率はそれぞれ24.3%、20.2%、15.2%となっています。Appleとこれらトップ3ブランドとの差はまだまだ大きいといわざるを得ません。というのも、3位のDellと4位のASUSの差が大きく、5%も開いています。ただ、それはApple社のMacBookシリーズは他のメーカーの製品に比べ製品単価がかなり高く最も安いMacBook Airでも999ドルすることが原因とも考えられます。しかしそのおかげでAppleの利益率は他のメーカーに比べてかなり高くなっています。
2018年にはAppleはASUSと逆転して4位に?
TrendForceによれば、Appleは2018年には4位となり、2017年3位だったASUSと逆転してシェア率が10%を超えると予測しています。
2018年、Appleは3機種の新型Macシリーズをリリースか
また、TrendForceはAppleが今年2018年に3種類のMacシリーズの新製品をリリースし、新機種にはAppleの自社開発によるコプロセッサが搭載されると予測しています。新しいMacシリーズのリリース時期としては、これまでのAppleの発表時期から鑑みると、3〜6月ではないかと推測されます。また、本当に実現すれば一部の熱狂的なファンにはかなり嬉しいニュースとなりますが、Mac miniも3年の月日を経て久々にアップデートされるのではないかとTrendForceは予測しています。
これまでのメディア情報では、当ブログでもお知らせしたとおり、13インチMacBookが今年後半にリリースされ、MacBook Airが廃止されるという情報もあります。
シェアが高まるとマルウェアに狙われるかも。。
Appleのシェアが増えることは悪いことではないのですが、正直これ以上増えないで欲しいと思います。というのも、シェアが高まると悪玉ハッカー・クラッカー達の開発するマルウェアの効果が高まるため標的になりやすく、今はMacはまだシェア率が低いため狙われにくいという状況があるからです。もしWindowsのようにマルウェアが増えると、Macもマルウェア対策のために重いマルウェア対策ソフトを動かしたり、それに対する出費がかさんだりするのが心配です。
ノートPCシェアは極端な上位寡占状態に
また、ノートPC全体で見ると、パレートの法則(80:20)よりもかなり極端な上位寡占状態となっており、トップ6でシェア87%を占め、その他の多くのブランドの合計で13%となっています。
記事は以上です。
(記事情報元:TrendForce)