ここ数年来、多くのネットワーク犯罪者たちの目標がモバイルデバイスに移ってきたように、ウェアラブルスマートデバイスも今後悪玉ハッカーたちの主流のターゲットとなってしまうだろう。そしてウェアラブルデバイスの中で、来月4月に鳴り物入りでデビューするApple Watchが間違いなく悪玉ハッカーが選ぶターゲットのトップになるのは間違いない。

しかし、ことはそんなに簡単にいかないようだ。

Security Compass、Apple Watchは最もセキュリティが高いスマートウォッチと評価

セキュリティ研究機構のSecurity Compassのセキュリティ顧問Geoff Vaughanは数日前、メディアのインタビューにて、Apple Watchは現在最もセキュリティが高いスマートウォッチだと評価している。

Vaughanによれば、Apple Watchは実際にはiPhoneに一つ小さなディスプレイが増えたようなものだという。なぜならApple WatchはiPhone（iPhone5以降）によって大多数の機能が完結するデバイスで、逆に言えば、iPhoneがなければApple Watchの機能は非常に限られてしまう。これは悪玉ハッカーがApple Watchから中に入っている情報を盗み出そうとするときの大きな障害となる。なぜなら、殆どの盗み出す価値のある情報はペアリングされているiPhoneの中にあるからだ。

Vaughanは更に、Apple WatchがiPhoneから離れた状態でもApple Pay機能を使うことができるが、そのことはセキュリティ上問題がないとしている。なぜなら、Apple Watch本体そのものもパスワードでロックされており、それを解除しないと侵入できないからだ。ユーザがApple Watchを他人に貸し出してApple Payを使わせるなどの行為をしない限り、安全性は十分確保されているとのこと。

画蛇添足 One More Thing

そういえば、Apple Watchを使うときにいちいちパスワード・パスコードを使用しないとロック解除できないのであれば不便この上ないデバイスだなあと思ってしまったり。。それこそ、生体認証や指紋認証のように、本人は殆ど意識することなく”ロック解除”できる方が望ましいのだが。。

それよりも、Apple Watchそのものが盗まれたりする可能性の方が高いかもしれない。特に、Editionなどは質屋に売り払うだけで数十万円になる。治安の悪い国だったら、手首ごと持って行かれるかもしれない。Editionを買うような人は外をうろつくようなこともないのだろうが、今後強盗事件などが発生するのではないかと今から心配だ。

また私がセキュリティ面で気になるのは、Apple Watchの”脱獄（ジェイルブレイク、Jailbreak）”だ。悪玉ハッカーだけではなく、iOS脱獄ハッカーたちもApple Watchの脱獄に本気になってとりかかるかもしれない。Apple Watchアプリが強制的に導入されるiOS8.2が完全脱獄されるようになったら、それも十分あり得る話だ。

もちろん、脱獄によってApple WatchがAppleに制限された機能やAppleに認められたサードパーティアプリだけではなく、それ以上により自由な使い方ができるようになったら面白くイノベーティブなものが生まれるかもしれないと思う反面、脱獄したiPhoneとペアリングことによって脆弱性がますます増加することも懸念される。

当ブログでもApple Watchのセキュリティや脱獄には引き続き注目していきたい。

記事は以上。

（記事情報元：WeiPhone）