iPhoneの販売台数は年を追うごとに増え、毎年記録を更新している。iPhone6のリリースの刺激を受け、Appleは史上最高の営業収益となった。そして9月にリリースされてからというもの、iPhone6の市場での熱狂的ブームは現在も収まっていない。
しかし、このiPhone6の販売台数のあまりの強烈さの陰で、人々はAppleが向き合わなくてはならない重大な問題に気づいているだろうか。。それはソフトウェアだ。
この問題はデベロッパーにも一般コンシューマ(消費者)体験にも大きな影を落としている。以下は中国のメディアWeiPhoneの記事から。私も非常に同感を覚えたので少々意訳も入れつつ紹介したい。
Appleのモバイルデバイス用OS”iOS8″とMac用OS”OS X Yosemite”は、2014年のAppleのOSを代表するものだ。しかしこのAppleを代表するはずの2つのOSには絶え間なく問題が報告されており、Appleのソフトウェアの品質がこの2つのOSによって人々に疑問を持たれるほどになってしまった。
iOS8の問題は写真アプリ、着信音が消えるバグ、Wi-Fi性能の問題、メッセージアプリ、バッテリー持続時間問題、等々。
そしてOS X YosemiteはiCloudやWi-Fi性能のバグが取り沙汰され、Wi-Fi問題については今に至っても解決されていない。
iOS8が同時期のiOS7に比べてインストール率が低くなっているのが上記の問題を如実に物語っている。Apple関係では非常に著名なブログ、Daring Fireballの著者John Gruberも、Appleのソフトウェア・エンジニアリングチームがハードウェアチームの足並みに”追い付いていない”と認めており、メジャーバージョンアップされるiOSは十分なテストが行われないまま準備不足の状態でリリースされており、その様子はまるでAppleが新型iPhoneを急かされて出荷しているのと状況が似ているとしている。
画蛇添足
当ブログでも何回も書いている、iOS8やOS X Yosemiteの品質低下。
私自身もiOS8は発売直後のiPhone6 Plusを入手した後の復元で非常に時間がかかったこと、そしてその後のひどいユーザ体験、そしてOS X Yosemiteもリリース直後に自身のMacBook Air 13inchモデル(Late 2010)に入れたところめちゃくちゃに重くなってMacBook Pro 15inch Retinaディスプレイモデルに買い換えざるを得なかったというとんでもない経験をしているだけに、この身を持って感じている。
これもひとえに、Appleが株価を気にしすぎているからだ。年に一回の定期的な新製品の発表を株主に要求されており、それに答えないと株価が下がってしまうからだろう。
iPhone、iPad、そしてiOSとOS Xは毎年必ず新製品、或いはメジャーバージョンアップを出さなければならなくなった。いつの間にそんなことになったのだろう?
いいものができるまではリリースしない、そんなことをインタビューで語っていたのは、現在のAppleCEO、ティム・クック(Tim Cook)本人だったはずだ。
Appleの製品リリース周期については、ソフトウェアのみならずハードウェアについてももう一度見なおしたほうがいいんじゃないかと思う。いくらベータ版を出していても、正式版が上のていたらくじゃ困る。少なくとも、正式版を出した後ユーザにテストさせるのはやめて欲しい。自分たちでも納得のいくものをリリースして欲しいのだ。
特にOSについてはAppleはここ数年無償にしてきたのが影響しているかもしれない。それがソフトウェア開発チームの評価に影響しているのだとしたら、それも見直すべきなんじゃないかと思う。多少金を払ってでもまともなものが欲しいと思ったことはないだろうか?あまりにデザイン・ハードウェア偏重主義も考えものだ(その肝心なデザイン・ハードウェアもだんだん大したことなくなってきたのも事実)。
正直にいえば、私は高い金を出してクソみたいなものなんか買いたくないのだ。誰もそうだと思うけど。。
というより、Appleにはいつも人々をワクワクさせるものを求めていたのに、クソみたいなのを出さないでくれと嘆願されるようになるとは、何とも情けないではないか。。
以上はあくまで私個人の意見だが。。
記事は以上。