「スティーブ・ジョブズの死はiPhoneを攻撃する最大のチャンス」米Samsung副社長のメール

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

先週から続いているApple(アップル)のSamsung(サムスン)を相手取った特許訴訟。
AppleとSamsungは、現在テクノロジー業界の中で最大のライバルでもありながら、
実はSamsungにとってAppleは大きな顧客でもあり、
またAppleとしてもSamsungからの部品の供給があるため、
完全に喧嘩別れはできないという複雑な関係を持つ。

そんなAppleの共同設立者であり、
前CEOの故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)は言うまでもなくカリスマ的存在で、
1985年にいったんAppleをクビになるが、
NeXT社やPixar社のCEO、
そしてディズニーの株主等の経歴を経て、
1997年に請われてAppleに復帰した後、
iMac、iPod、iPhone、iPad、そしてMacBook Airなど画期的な製品を次々と打ち出し、
絶望の淵にあったAppleを世界で最も価値が高い会社にまで大復活させたのは、
今更ここで長々と語るまでもないだろう。

Steve-Jobs-1

韓国企業Samsungは、
そんなAppleの成功にのっかろうと、
iPhoneやiPadの真似をしたとしか思えないようなデバイスを作り出して売っていたが、
スティーブ・ジョブズがいる限りは対抗できようもなかった。

しかし2011年10月にその偉大なるジョブズが癌により死亡した時に、
Samsung米国支社の米国営業担当副社長であったマーク・ペニントン(Mark Pennington)は、
彼のチームに対しこんなメールを送ったことが暴露されている。

スティーブジョブズの死は多くのメディアによって報道され、
AppleとiPhoneを何か超越したものとしています。
そしてAppleが作り出す「パッション、執着そして完璧主義」等これら全てが最終的にAppleを更に有利にしている。
なぜなら第三者からの賞賛は更に多くの消費意識を導くことができ、
消費者がAppleの製品を本当に比べようもないほど素晴らしいものだと信じ込ませるからです。
ジョブズは非常に先見の明を持ち、完璧を求めた人です。
この話題をプッシュし続けることをお許しください、
私はこのことについて長く観察してきました。そして私は知っています。

“I know this is our best opportunity to attack iPhone.”
これは我々がiPhoneを攻撃するのに最大のチャンスです。

メールの証拠はこちら。ピンク色に囲った部分が上の文だ。
Samsung_Steve_Jobs_email

※興味がある方は上記のペニントンのメール全文が読めるPDFがウォールストリート・ジャーナルのページから閲覧・ダウンロードできる。上記の部分は2ページ目だ。

このメールに対しSamsungのCMOのトッド・ペンドルトン(Todd Pendleton)はGoを出し、
スティーブ・ジョブズの死後iPhone4sが立ち上がった後、
Samsung Galaxy S3の広告キャンペーン「The Next Big Thing」の一部に、
Appleのユーザが販売を待って行列している何だか退廃的な印象を持たせる画像が使われている。

thenextbigthing

このSamsungの行為、とても上品とはいえないだろう。
しかしライバルの一歩先を行くためには何事も厭わないという商魂のたくましさを感じるし、
ビジネスの戦いの中では何でも利用して相手より優位に立つことが大事だったりするのはわかる。

また当のスティーブ・ジョブズ自身も他のライバル企業に対して、
とても上品とは思えない対応を取っていたことも明らかになっていたりする。
もしスティーブ・ジョブズが生きていたら。。
Samsungはこんな「The Next Big Thing」なんて広告をとても恐れ多くて実行できなかっただろうし、
もしできていたとしてもそんな広告を見たジョブズが激怒して、
全面戦争を仕掛けていたことだろう。

ジョブズの死後、Appleの現CEOのティム・クック(Tim Cook)の指導の下、
Appleは現在でもテクノロジー業界ではまだまだトップを走り続けている。
しかし同社のイノベーティブな特徴は最近の製品からは影を潜めているような気がする。
Samsungに負けないように引き続き頑張ってもらいたい。

上記はRedmond Pieの記事の情報及びWeiPhoneの記事を元に書かせていただいた。

記事は以上。

Visited 120 times, 1 visit(s) today
  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

この記事を書いた人