9月20日にiPhone5sが販売開始され、
Touch ID(指紋認証機能)がセキュリティを高める上に簡単に画面ロック解除できると話題となっているが、
ハッカー達は早速このTouch IDがAppleが豪語するほど安全ではないことを証明しようと、
あの手この手でハックや解除方法を試している。
そして今回、ドイツのChaos Computer Clubというハッカー集団が、
Touch IDを通過してみせた。
その方法を要約すると、
基本的には高解像度のオリジナルユーザーの指紋を印刷した画像を使い、
それを透明なシートの上に厚いトナーセッティングで印刷し、
それにピンクのラテックス・ミルクを塗りつけて、
Touch IDに認識させるというものだ。
まずは実際に行っているところを動画で見てみよう。
下の画像をクリックするとYoutubeのサイトに移動する。
ZDNetで詳細に解説されたところによると、
家庭内で揃う物でできてしまうという。
1. まず指紋認証したいユーザーの指紋を2400dpiで写真を撮る。
2. そのイメージをクリーンアップし、1200dpiで透明なシートの上に、厚いトナーセッティングで印刷する。
3. それにピンクのラテックス・ミルクまたは白い樹脂の糊を塗りつける。
4. それを剥がし、表面が少し湿気を帯びるくらいに息を吹きかける
5. iPhoneの指紋認証センサーの上に載せる
→ハック完了!
というものだ。
更にこの方法は既に他の指紋認証システムを採用しているスマートフォンでも試した方法を、
少し改良しただけだという。
いずれ、他のハッカー達も、
Appleやそれ以外のTouch ID(指紋認証機能)だけではない安全システムを、
あの手この手でバイパスしたりハックしたりしようとするだろう。
なぜならそれがハッカーのすることだからだ。
もちろん今回の方法は一般ユーザーにとって脅威のあるものではない。
というのも、これを実行するには確かに家庭にある道具だけでもできるかもしれないが、
本人の指紋の高解像度画像が必要であったり、
作るのに時間がかかったりするためだ。
完全に安全なシステムというのは存在しないということがハッカーにより証明され、
またそれに対して更に強固なシステムが現れ、
そしてまたそれが破られる。
この繰り返しで人間はより安全なシステムを手に入れていくのだろう。
そういう意味ではハッカーの存在というのは貴重であると言えるのだ。
iPhone/iOS脱獄も然り、である。
※ちなみにハッカーとはコンピュータの機能に精通し、
何らかの脆弱性を見つけてシステム等に侵入する技術を持つ人達のことを指し、
それを使って何か悪いことをしようという人達ではない。
上記を利用して端末や繋がっている機器を破壊したり、
悪用しようとしたりする人達のことはクラッカーと呼ばれ、
明確にハッカーと区別される。
決してハッカーが悪いというわけではないことに注意してほしい。
記事は以上。