正常動作する物理的無改造の希少な【Apple I】が4000万円強で落札

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8月24日に当ブログでもお伝えしましたが、現在のApple Inc.の前身「Apple Computer」から、42年前の1976年に発売された初代コンピュータ【Apple I】がオークションに出品されていました。そして先週火曜日、この一切改造が施されていないオリジナルのままでしかも正常に動作するという、非常に珍しい【Apple I】が、37.5万米ドル(約4,256万円)で落札されました。この価格は、もちろん当時販売されていた666.66ドルよりも圧倒的に高い価格になりますが、これまでのApple Iの落札最高値と比べると半額以下となっています。

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正常に動作するApple Iとしては、以前今年6月にチャリティオークションの一部として出品された機体があり、その評価等級は10点中7点でした。なぜなら、ある程度基板に改造や修正が加えられていたからで、他のApple Iの落札価格より少々低い21万ドル(現在のレートで約2,383万円)で落札されていました。

今回のApple Iは2018年6月にApple Iの専門家、Corey Cohenがシステムを初期状態に戻しているもので、全面的なテストの結果、システムに一切故障が発生しない状態で8時間動作した、ということです。これまでの現在も正常に動作する他のApple Iとの大きな違いは、このApple Iにはロジックボードに何ら物理的な改造や修正が加えられていないということで、非常にオリジナルの状態がクリーンに保たれていること、そして未使用状態であることが挙げられています。

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その上、オリジナルの運用説明書(オペレーションマニュアル)も付属しています。

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カセットテープインターフェイスのマニュアルも。

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Apple Iは現代のコンピュータやスマートフォンどころか、Raspberry Pi(ラズベリーパイ、ラズパイ)ほどのデバイスにも全く適わないほど性能自体は低いもので、コンピュータそのものの実用性価値は現代となってはゼロに近いものですが、当時はコンシューマ向けコンピュータとしては先駆者でした。というより1976年当時のコンピュータは非常に高価で、個人用のコンピュータはほぼなく、もの好きが集まって同好会を作り、部品を集めて組み立てるというのが主流でした。

というわけで、Apple Iは実用性価値というよりは歴史的価値の方が圧倒的に高いものです。Apple IはApple社で最初に開発された製品ということもあり、これがなければその後のApple IIやLisaやMacintosh、そして現在のiPod、Mac、iPhoneそしてiPadなどの輝かしい製品は生まれていませんでした。そんなわけでこのApple IはAppleの歴史上のみならず、コンピュータの歴史上でも重要なマイルストーンとなった製品なのです。

Apple Iのこれまでの最高落札価格は2016年のオークションで81.5万ドルという数字で、ほぼ1億円超えでした。今回の落札価格は37.5万ドルだったので、Apple Iの過去最高落札価格の半額以下だったということになりますね。何がそこまで異なったのかはわかりませんが、もちろんオークションで競売するわけですから、そこに参加する人がどのくらいの人数がいたか、そしてそれぞれがどれだけ欲しいと思って競ったか、また財力がどれだけあったかで落札価格は変わってくるため、オークション落札価格で出品物の価値を計るのはちょっと短絡的すぎるかもしれません。

世界で現存するApple Iの中でも60〜70台程度しか正常に動作しないといわれていますもっとも、Apple I自体はほぼAppleの共同創業者のスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak)氏による手作りだったため、全体でも200台しか製造されなかったことを考えれば、そのうちの3分の1くらいが40年以上経った今でもまだ正常に動くこと自体が逆にすごいことなのかもしれません。

なお、今回のオークションではこのApple I以外にもApple関連のモノがいくつか出品されました。例えばスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)をはじめとする9人のチームメンバーによるサインが入ったMacintosh Plusは、28,750ドル(約327万5千円)で落札されています。他にも、ジョブズ自らがサインしたある年度会計レポートが、23,850ドル(約271万7千円)で落札されたということです。

42年前のコンピュータに数千万円の価値が付くとは、やはりAppleのブランド価値は相当高いといえそうですね。

記事は以上です。

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