【George “Geohot” Hotz】。。。このかつてiPhone/iOS脱獄(ジェイルブレイク・Jailbreak)の第一人者で、”天才エンジニア”と呼ばれた若者は、現在は自動車の自動運転の研究開発にのめり込んでいる。そしてそのことは脱獄界隈では広く知られている。
George Hotzは今年中に自動車関連製品メーカーに自動運転技術を提供することを希望しているようだが、まだまだ多くのテクノロジー上の難関を乗り越えなければならない。ただ先日、彼はそのゴールに一つ近づいた。Cnetによると、George Hotzが最近リリースした【Chffr】と名付けられたスマートフォン用アプリでは、ユーザが彼ら自身が運転したデータをGeorge Hotzに提供することができるようになるとのこと。
このアプリを開き、カメラをフロントガラスに設置すると、アプリはドライブレコーダーのようにドライバーの運転した時のデータを記録していく。例えば、ドライバーの他の車や自転車に対する反応や、平均速度やアクセルやブレーキのタイミングやリズムまで。
【Chffr】はそのデータをComma.aiというドメインにアップロードする。このドメインはGeorge Hotzの所有する会社のサーバで、データはその後分析・解析され、Comma.aiが技術を”学習”し、自動運転テクノロジー用のハードウェアやソフトウェアシステムに役立てられるという。Comma.aiはできるだけ多くのデータの学習が必要だ。なぜならもしデータが足りなければ、自動運転システムが日常的に使用することができなくなるからだ。
George Hotzはこの自動運転システムを年末までにリリースすることにまだ自信を持っているようだが、beta版のChffrアプリは6月末にならないと一般ユーザ向けにはリリースされないもようだ。
George Hotzによる自動運転システムが搭載されたAcura ILXに乗った後、CNETは彼のテクノロジーは他の自動運転システムに比べて「侵略性がある」と評価している(George Hotz自身の運転技術がかなり反映されているのかもしれない。笑)。そして安全距離の識別に関してはまだいくつかの問題を解決する必要があるとのことだ。
なお、George Hotzの自動運転システムのプロトタイプをCNETが体験したものと(常に助手席に座った女性記者が怯えている表情に注目。。笑)、及びインタビューは以下のリンク先(CNET)へどうぞ(但し全編英語)
画蛇添足 One more thing…
いくらGeorge Hotzが天才だとしても、既に莫大な自動運転に関わるデータを収集しているテスラ(Tesla)を始め多くの自動車メーカーにかなうだろうか。。ビッグデータを元に判断するとなると、そのビッグデータの量と質、それからその分析・解析方法の量と質、そしてあとはハードウェアとソフトウェアの判断や反応速度が自動運転の安全性能の決め手となる。George Hotzができるのはデータの収集ではなく、そのビッグデータの処理の仕方とハードウェアとソフトウェアの構築の部分のみではないだろうか。
そして分析・解析の後に自動運転技術に反映するには、何らかのフィルタリングが必要になり、そこに開発した会社、もっといえば開発者の性格が出るのだろう。George HotzはこれまでAppleやSonyのような大手をおちょくったり攻撃するような言動でまさに「お騒がせ」だった。今回もちょっといたずらっ子のような感じでインタビューに答えている。そんな攻撃的でいたずら好きな性格が自動運転システムに悪影響を与えなければいいのだが。
もしかしたらGeorge Hotzはハッキングをして他の自動車メーカーからビッグデータをとってきていたりして。。
記事は以上。
(記事情報元:CNET)