Appleは本日午前中に、幹部の人事異動について公式発表しました。
そしてBloomberg及び9to5Macの報道によると、Appleのデザイン部門のトップ、ジョニー・アイブ(Jony Ive)CDO(Chief Design Officer)が、正式に元の管理業務に戻るようです。本日、Bloombergが、Alan DyeとRichard Howarthが既にAppleの幹部紹介ページから消えていることを発見し、またAppleのCDOのジョニー・アイブがAppleが公式に公開した”Apple Leadership“のページで紹介の内容が変わっていることから、Appleのデザインチームの管理実務の仕事に復帰したことを報道しています。
2年前の2015年、ジョニー・アイブはSVP(シニア・ヴァイス・プレジデント、上級副社長)兼CDOに昇格した時、初めてAppleのデザインチームの日常管理の仕事を外れていました。
その後、デザインチームはジョニー・アイブの後を継いだAlan DyeとRichard Howarthによって率いられていました。彼らは当時VP(ヴァイス・プレジデント、副社長)の肩書きがあり、Howarthは製品の工業デザイン、DyeはUIデザインを担当していました。
公式サイトの”Apple Leadership“が本日午前中に更新されましたが、その中からはAlan DyeとRichard Howarthの名前と個人資料が削除されています。そしてジョニー・アイブのページではAppleの全てのデザインプロジェクトの責任を持つという記述があると同時に、Appleの日常運営業務も担当するという記述もあることから、ジョニー・アイブが以前と同様、デザインチームを自ら率いる体制に戻ったことがわかります。
Appleは最近の製品で、デザインの選択についての批判を多く受けていました。例えばApple PencilやMagic Mouse 2の充電方式、MacBookであまりにもポートが少なくなったこと、そして最新のiPhone Xの”前髪”などです。これらの批判はもしかしたらジョニー・アイブの復帰とは一切関係はないかもしれませんが、海外のアナリストが指摘するように、Appleファンや一般ユーザはAppleが以前のような彼らが好きだった”リズム”に戻ることを望んでいるのかもしれません。
また、2年前にAlan DyeとRichard HowarthがSVPになった後、Appleは真に一般向けに非常に注目を受けるような素晴らしい製品を作り出せていなかったこともあり、日常管理業務から退いていたジョニー・アイブが製品紹介動画に頻繁に出演するという事態になっていました。
ここ数年、ジョニー・アイブはAppleの新本社社屋、Apple Park(かつてスペースシップと呼ばれた)のデザインや、世界各地のApple直営店のデザインの担当をしていました。Apple直営店については、かつてバーバリー(BURBERRY)のCEOだったアンジェラ・アーレンツ(Angela Ahrendts)SVPによっても変革がもたらされています。
既にApple Parkは完成し、Apple直営店のデザインも一段落した今、ジョニー・アイブには以前と同じように、日常のデザイン管理業務に入る時間ができたということもいえるのでしょう(ジョニー・アイブ本人は生まれ故郷のイギリスに戻って暮らしたいという気持ちもあるようですが)。
Appleのスポークスマンは、「Apple Parkの完成によって、Appleのデザインのリーダー達とチームはジョニー・アイブに直接報告するようになり、ジョニー・アイブは引き続きデザインに集中していきます」と発表しています。
ここ2年ほど緩んできていたAppleの工業デザインが、ジョニー・アイブの日常デザイン管理業務への復帰によって、また引き締まってくるのを期待したいですね!
記事は以上です。