スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)がこの世を去ってから暫く経つが、Appleのもう1人の共同創業者でもう一人のスティーブ、スティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak、Woz、以下ウォズ)は現在でもテック業界でその言動が大きな注目を集めている上に、本人も色々な会社の動向についてコメントすることが好きなことでも知られている。最近彼はとあるインタビューにおいて、ジョブズがApple(アップルコンピュータ)の初期の製品の開発に置いては全く何の手助けにもならなかったと答えている。
ジョブズの伝記映画が間もなく公開されるにあたり、Sarina Khemchandaniという14歳の少女がウォズにインタビューを行い、Apple(Apple Computer、アップルコンピュータ)の創業初期のことを質問した。Sarinaちゃんは、ジョブズが初期の製品開発の過程でどんな役割を果たしたのでしょうか?と尋ねたのだった。
ウォズは、Apple IとApple IIについては、ジョブズは殆ど何の役割も果たさなかったと答えた。なぜなら、ジョブズは技術をわかっていなかったし、ソフトウェアについてもわかっていなかったからだという。「Apple IIはAppleが設立されてから10年の間、唯一成功した製品だ。そしてこれは全て僕自身の努力によって生み出されたものなんだ。ジョブズはこの製品がこの世に現れるまで、この製品の存在すら知らなかったんだ」。
しかし実はこのことはウォズは去年も語っている。ウォズは自分のウェブサイトで人々が関心を持つような問いに答えることがあり、そのうちの1つが、「ジョブズはエンジニアではない。彼はコードを書いたこともないし、製品の最初の設計には1つとして関わったことがない」というものだった。
もちろんジョブズはウォズがいうほどできない人ではなかった。ウォズも自分でこう言っていたことがある。「ジョブズは重要な人物になりたかった。こういう人は普通は”ビジネスマン”と呼ばれる。彼は私の親友だった。そして傑出したビジネスマンだったんだ」とも。いずれにせよ、会社には2種類の人が必要だ。技術がわかっている人、そしてビジネスがわかっている人。会社が成功するには、どちらか一方が欠けていてもダメだ。
ジョブズがこの世を去り、多くの人が彼を神格化した。しかしウォズは事実に基づいてそのような過度な神格化を否定する。
またAppleが誕生した聖地、ジョブズ家のロスアルトスのガレージについても、ウォズは最近ガレージそのものは時々彼らがそこが自分たちの家のように感じる以外には特に何も大きな役割を果たさなかったと発言している。そしてガレージはAppleの初期の創業を最も代表するものではあるが、そこで何か製品開発や設計や組立をしたとかいうことはなかったことも明らかにしている。
更にウォズは新しいスティーブ・ジョブズの伝記映画のあるシーンについてツッコミを入れている。トレイラームービーの中で、彼が自分のチームと一緒に作ったアイコンを使ったUIを他人に盗まれて非常に怒るシーンがあるが、事実は彼は盗まれたことについて何も評論をしたことはないし、ジョブズのように激怒をするようなこともなかったという。
我々のような外の人には真相がわからないが、ウォズがたまにこのような打ち明け話をしてくれるのを見たり聞いたりするのはなかなか楽しいことではないか。
なお、当ブログでたびたび紹介しているが、スティーブ・ジョブズ(スティーブ・ウォズニアック含む)のAppleとビル・ゲイツのマイクロソフトの初期の頃の戦いについては、『バトル・オブ・シリコンバレー(原題:Pirates of Silicon Valley)』がかなり面白い。古い映画だが、非常にエキサイティングに描いていて好感が持てる。ぜひご覧になることをオススメしたい。
なお、主役のノア・ワイリーの演技は迫真で、スティーブ・ジョブズ本人も生前に彼の演技が自分に似ていることを認め、1999年のMacWorldにノア・ワイリーを呼んで冒頭に登場してもらい、そこでノア・ワイリーは本人の前で物真似を披露している。最後に映画の中に出てくる面接の際にジョブズが応募に来た人に「お前はまだ童貞なのか?」というセリフを再現してジョブズに向かって言うのもなかなか面白い。
昔のアップルのイベントにはユーモアが溢れていて面白かったのだが。。
記事は以上。
(記事情報元:雷鋒網)