【ヒンジ中央の細いリンクが折れていた】iPhone Duo内側画面の亀裂、YouTuberの分解で原因箇所を特定

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Appleの折りたたみ式iPhone【iPhone Duo】で、発売直後から内側ディスプレイの亀裂の報告が続いています。The Vergeは日本時間10月26日早朝に、YouTuberのCuriousHagi氏が分解で原因箇所を突き止めたと伝えました。CuriousHagi氏は耐久テストの最中に亀裂を自分で再現したうえで本体を分解し、ヒンジ機構のうち本体中央にある連結リンク1本が、上下のリンクより薄く作られていて、小さな切り欠きの位置で折れていたことを確認しました。当ブログで一昨日お伝えした亀裂の報告の続報で、「なぜ全員が同じ場所で割れるのか」に部品のレベルで答えが出たことになります。Appleのサポート文書は発売日の10月23日付のままで、ヒンジの問題はソフトウェアでは直らず、最後は内側ディスプレイアセンブリの交換と書かれています。

iPhone Duo
画像:CuriousHagi

歯車状の中央ヒンジと2種類のリンク、折れたのは中央の薄い1本

The Vergeによると、iPhone Duoのヒンジは歯車のような中央ヒンジと、2種類の連結リンクで組み立てられた複雑な構造です。CuriousHagi氏が割れた本体から取り出して確認した折れた部品は、本体の中央部にあるリンクのうちの1本で、その上下にあるリンクより薄く、小さな切り欠きが入ったいちばん弱くなる位置で折れていたということです。さらにヒンジが支持板(サポートプレート)に当たった痕も見つかっており、開閉の途中でここに引っ掛かっていた可能性を示していると伝えています。動画は韓国の分解系YouTuberであるCuriousHagi氏が日本時間10月26日未明に公開した3分9秒のもので、音声と題名は韓国語です。題名は「iPhone Duoディスプレイ問題の原因を発見」という意味になります。

iPhone Duoの分解写真(中央のヒンジリンクを赤枠で示す)
画像:CuriousHagi氏の分解(The Verge掲載)

症状の出方は各媒体の報告で一致しています。9to5Macは10月25日時点で約10件の事例を確認し、亀裂はヒンジの中央線に沿って入り、横一列の画素が白く点灯したまま固まる、割れるまでの時間はばらばらで初期設定の途中で割れた人も2人いた、と伝えています。9to5Macは原因について、ヒンジの部品のひとつが少し位置ずれして内側画面を下から突き上げているという「有力な説」を紹介していましたが、今回の分解で、その突き上げる部品が折れた中央のリンクだったという所まで絞られたことになります。

GSMArenaがまとめたRedditの報告では、ヒンジが異常に固くて開くのに力が要り、その抵抗を押し切ったところで「パキッ」という音がして、内側画面に縦線と横線が残る、という順番で症状が出ています。

iPhone Duoの内側画面に亀裂が入った報告のまとめ
画像:The Verge(SNSに並んだ亀裂報告のまとめ)

「全員が同じ場所で割れる」と「一部の個体だけ」が同時に成り立つ理由

今回の分解結果で見えてくるのは、割れる場所を決めているものと、割れるかどうかを決めているものが別だということです。中央のリンクが上下より薄く、切り欠きがあるという作りは設計上の寸法なので、全てのiPhone Duoで共通です。だから折れるときは必ずこの1本のこの位置で折れ、画面の亀裂もヒンジの中央線に沿った同じ形になります。一方で支持板に当たった痕は、本来は当たらずに動くはずの部品が引っ掛かっていたことを意味しています。組み付けの位置が少しずれた個体でだけ引っ掛かりが起き、その抵抗を利用者が押し切った瞬間に、力がいちばん細いリンクの切り欠きに集中して折れる、という流れが疑われます。

この見立てなら、当ブログでお伝えした元WSJのジョアンナ・スターン氏のレビュー機が自作の機械で3万2,000回以上開閉してもヒンジが壊れなかったことと、購入から数時間、開閉20回未満で割れた個体があることが、矛盾なく説明できます。引っ掛かりのない個体なら、薄いリンクでも設計どおりの負荷しか受けないので、3万回でも折れません。

引っ掛かる個体は、回数に関係なく、最初に抵抗を押し切ったときに折れます。機械で一定の力をかけ続ける耐久試験では、人が「固いな」と感じて無理に開く場面が再現されないので、レビュー機が無事だったことは引っ掛かりの有無を保証していないともいえます。

ただし、何台に1台の割合で引っ掛かりが起きているのか、支持板とリンクのどちらの寸法がずれているのかまでは、分解1台の結果からは分かりません。9to5Mac自身も、問題の規模はまだ不明としています。

Appleの手順の行き着く先は内側ディスプレイアセンブリの交換、1TB・2TBは交換機が足りない

Appleのサポート文書「iPhone Duo Troubleshooting Hinge Issues」は公開日が2026年10月23日のままで、日本向けページも本文は英語です。ヒンジの問題には診断もソフトウェアによる対処もなく、再起動・アップデート・復元は不要と明記されています。サードパーティ製のケースと保護フィルムを外してヒンジの固さ・緩み・位置ずれ・異物を点検し、解決しなければ内側ディスプレイアセンブリを交換する、という手順です。文書には「部品を交換しても問題が解消しない場合がある」とも書かれています。今回折れていたのはディスプレイではなくヒンジのリンクですから、交換するアセンブリにヒンジのリンクまで含まれているかどうかが、交換後に再発するかどうかの分かれ目です。Appleの文書にはアセンブリの範囲は書かれていません。

交換の実態は媒体ごとに差があります。9to5Macは、症状が出た購入者の多くはApple Storeに持ち込んでその場で本体交換を受けられたものの、キャリアで買った人はキャリアに在庫がなく苦労しており、1人は「落としたはずだ」と言われて有償修理を告げられた、と伝えています。GSMArenaは、Appleは交換に応じているが本体の在庫が足りず、特に1TBと2TBは交換機が確保できないため、多くの利用者が交換を受けられていないと伝えています。日本では当ブログでお伝えしたとおり、保証外と判定されれば内側ディスプレイの損傷で182,800円です。ヒンジの内部でリンクが折れていることを利用者が店頭で証明する手段はないので、「落下や圧迫ではない」と判定してもらえるかどうかはApple側の判断次第ということになります。

小龍的にはこう思った

一昨日の記事で、私は3万2,000回耐えたレビュー機と20回未満で割れた個体の差から、全台共通の設計欠陥より個体差を疑いました。今回の分解で、その見立ては半分当たりで半分外れだったと思っています。折れる場所を決めているのは「中央のリンクだけ薄くて切り欠きがある」という全台共通の設計で、折れるかどうかを決めているのは支持板への引っ掛かりという個体差です。弱い場所が設計で決まっている以上、引っ掛かりが起きた個体は確実にそこで折れます。また、交換で受け取る本体にも同じ薄いリンクが入っています。

読者にできることは一つで、ヒンジが固いと感じたら押し切らないことです。GSMArenaの報告は全部「抵抗を押し切った瞬間に音がして割れた」という順番で、Appleの文書もヒンジの固さを点検項目に入れています。少しでも引っ掛かる感触があれば、そのまま無理に開かず、Apple Storeで点検を受けた方がよいでしょう。割れてからでは、落下か不具合かの判定をAppleに委ねることになってしまいます(まあ、明らかにあの真ん中あたりの部分が割れていれば、わかりますが)。

Appleがこのリンクの寸法や支持板との組み付けを次のロットで変えるのか、それとも交換プログラムで対応するのかは、報告の件数が増えるかどうか次第といえそうです。

日本では予約分が順次届いている段階なので、届いた本体を最初に開くときにゆっくり開いて、音と引っ掛かりを確かめておくだけで、今は十分かと思います。

しかし、信頼性試験でめちゃ自信があるとエンジニアがほざいていたのは一体何だったんでしょうね。。やはり信頼性試験のやり方に不備があったり、不足があったんじゃないかと製造業出身の私としては思ってしまうのですが。。

記事は以上です。

(記事情報元:The Verge、CuriousHagi(YouTube)、9to5Mac、GSMArena、Appleサポート、Apple(日本)iPhone Duo製品ページ)

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