【発売3日で定価割れ】中国のiPhone Duo、ECサイトで256GBが約37万円に、京東は定価で翌日配送

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

Appleの折りたたみiPhone【iPhone Duo】が、中国では発売からわずか3日で定価を割り込みました。鳳凰網科技の10月25日の報道によると、ECサイトのPinduoduo(ピンドゥオドゥオ)では一部地域で256GBが定価より200元(約4,700円)安い15,799元(約37万600円)になりました。深圳・華強北の買い取り価格も定価を下回っています。一方で京東(JD.com)の直営店は定価の15,999元(約37万5,300円)で翌日配送を始め、Apple公式サイトの配送予定は構成によって2027年1月のままです。公式は品薄、市場は定価割れという食い違いが何を意味するのかを読んでいきます。

iPhone Duo(開いた状態と閉じた状態)
画像:Apple(日本)iPhone Duo製品ページ

京東は定価で翌日配送、ただし受け取り時の開通が条件

IT之家によると、京東の直営店は一部地域でiPhone Duoの翌日配送を始めました。記者が10月25日17時43分に山東省青島で確かめたところ、ナイトスカイの256GBが翌日配送可能と表示されたということです。価格は定価の15,999元(約37万5,300円)で、販売時間は毎日10時から17時55分まで、12回の無利息分割を使うには毎日20時に配られるクーポンを取る必要があるとのことです。

注目したいのは商品ページの但し書きで、「受け取り時にサインと開通(アクティベーション)が必要」「eSIMのみ対応」と書かれています。受け取った時点で開通させてしまうため、新品のまま転売する道は閉ざされます。京東は転売目的の購入を初めから締め出す形で在庫を流しているわけです。

Pinduoduoは200元引き、クーポン併用なら定価より900元安

鳳凰網科技によると、Pinduoduoの「百億補助」(プラットフォームが負担する値引き枠)では、一部地域で256GBが200元引きの15,799元(約37万600円)になりました。700元(約1万6,400円)のクーポンを取れて重ねられれば15,099元(約35万4,200円)で、定価より900元(約2万1,100円)安くなります。値引き率にすると200元引きで約1.3%、900元引きでも約5.6%で、値崩れと呼ぶには小さい幅です。しかし発売から3日の新型iPhoneで、しかも1週間前には数千元のプレミアが付いていた製品が定価を割ったという事実の方が重いです。

華強北の買い取りは定価割れ、プレミア7,000元は2日で消えた

同じ鳳凰網科技の記事は深圳・華強北の相場も伝えています。256GBの買い取り価格の最安は15,930元(約37万3,700円)で、定価の15,999元を69元下回りました。512GBは一部の業者の売値が定価の17,999元(約42万2,300円)より1,000元(約2万3,500円)近く安くなっています。買い取り価格と消費者向けの売値は別の数字ですが、業者が定価未満でしか引き取らないということは、業者自身が定価では売れないと見ていることを意味しています。

流れを並べると、10月16日の予約開始後は一部モデルのプレミアが7,000元(約16万4,000円)を超え、23日の発売日午前にはまだ約4,000元(約9万3,800円)の上乗せがありました。そして25日には第三者経路で早くも定価割れです(プレミアの数字はネット上で共有された二次市場のデータに基づくと鳳凰網科技は書いています)。当ブログでも発売初日午前の華強北で256GBに2,200元(約5万1,600円)、512GBに3,000元(約7万400円)のプレミアが付いていたことをお伝えしましたが、そこから2日で上乗せ分が消えたどころか定価を割りました。最大で定価の4割を超えていたプレミアが、発売から3日でゼロを割ったということです。

公式サイトは2027年1月待ちなのに市場は定価割れ、何が起きているのか

鳳凰網科技は、全国の複数のApple Storeが店頭在庫を切らしていて、Apple公式サイトでは一部の注文の配送予定が2027年1月になっていると伝えています。公式で買えば3か月待ち、転売市場では定価割れ、京東では翌日配送です。この3つが同じ日に並んでいるということは、品薄なのはApple直販に割り当てられた分だけだということを意味しています。Appleが初期ロットの相当な量を京東などの販路に回していて、公式サイトの納期表示は直販分の順番待ちを示しているに過ぎないことが疑われます。

そして転売価格の崩れ方は、需要の実態を映しています。予約開始直後に7,000元のプレミアを見込んで仕入れた転売業者は、発売日に4,000元で売り切れず、2日後には定価未満で投げています。京東が受け取り時の開通を条件にして新品転売の道を塞ぎ、Pinduoduoが値引きで定価を割った時点で、転売業者が定価以上で売る相手は消えました。鳳凰網科技の記事は値下がりの理由には触れておらず、当ブログでお伝えした内側画面がヒンジ沿いに割れる報告が買い控えに効いたのかどうかは、今の材料では不明です。ただ、プレミアが2日で消えるのは、本当に欲しい人の数が転売業者の見込みよりずっと少なかったということで、これは数字がはっきり示しています。

日本から見ると、中国の定価は日本より約1万円高い

日本の読者にとって気になるのは、この値引きで中国版を買う意味があるかどうかでしょう。答えは簡単で、ありません。中国の定価15,999元は約37万5,300円で、日本のApple公式価格の256GB 364,800円より約1万500円高くなっています(どちらも税込です)。Pinduoduoで700元クーポンまで取れた15,099元(約35万4,200円)でも、日本の定価との差は約1万600円に留まります。参考までに米国は1,999ドル(約31万2,900円)で、日本より約5万2,000円安く、3地域で比べると中国が最も高い定価設定です。

さらに中国版iPhone DuoはeSIM専用です。当ブログでも中国の発売日にApple Storeへ3キャリアが常駐し、中国聯通が契約を条件に大幅な割引を出していたことをお伝えしました。中国版は中国のキャリアと組み合わせて初めて価格の意味が出る製品で、日本に持ち帰った時点で割引の前提そのものが崩れます。日本で買うなら日本のApple公式かキャリア、という結論のままです。そもそも、中国・香港・マカオ・台湾以外の外国人はアクティベートできないので意味がないというのがありますけどね。

小龍的にはこう思った

発売前に7,000元のプレミアが付いた製品が3日で定価割れするというのは、小龍的にはiPhone Duoへの熱が冷めたというより、転売業者の読みが外れたのだと思います。Appleは中国で相当な台数を京東に流し、京東は受け取り時の開通を条件にして新品転売を潰しました。転売業者が買い占めて品薄を演出する余地を失えば、プレミアは最初から崩れるのが道理です。当ブログで発売初日の華強北の相場をお伝えした時点ではまだプレミアが残っていましたが、その2日後にこうなるとは、転売の商売もずいぶん短命になりましたね。

中国で定価割れしているからといって、日本の読者が中国版に手を出す理由は皆無です。中国の定価が日本より高く、eSIM専用で、値引きも地域とクーポン次第です。日本でiPhone Duoを待っている人は、Apple公式サイトの納期表示を見ながら公式ルートで待つのが、結局いちばん安くて確実です。中国でこれだけ早く転売市場が崩れたということは、Appleが初期の供給台数をしっかり確保しているということでもあり、日本の供給も案外早く落ち着くかもしれません。

なお中国本土版のiPhone Duoでないと中国キャリアのeSIMは入れられませんが、そもそも外国人はキャリアでもeSIM発行を受け付けてもらえません。初日はApple Storeにキャリアの人が派遣されていたようですが、基本的にはキャリアの営業所に行って、中国・香港・マカオ・台湾の身分証の提示が必要です。また、eSIMが2枚までしか入れられないのが最大の欠点です。eSIM2枚同時待受は可能ですが、2枚だけしか保存できないので、もう1つ別のeSIMを使おうとすると、中のeSIMを1枚消さなくてはいけません。もし間違っても中国のeSIMを消してしまうと、再度キャリアの営業所に行って手続きをしなくてはなりません。もしこれでeSIMが8枚保存できるようになったら、個人的にはありだと思うのですが。なお中国本土版はFaceTimeオーディオも使えませんし、台湾の国旗も表示されません。中国大陸にとっての外国人が購入するメリットは殆どないと思っていいと思います。

記事は以上です。

(記事情報元:鳳凰網科技、IT之家、Apple iPhone Duo 製品ページ、Apple(中国)、Apple(日本)、Apple(米国)。円換算は三菱UFJリサーチ&コンサルティングが公表する2026年10月23日の外国為替相場一覧表のTTM、1元=23.46円、1ドル=156.51円を使った参考値です。)

Visited 43 times, 8 visit(s) today
  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

この記事を書いた人