【新CEO体制で早くも一手】Apple、App Store改革を検討か。手動審査の廃止・年会費値上げも、開発者への課金強化で増収図る

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Apple が【App Store の仕組みそのもの】を見直す検討に入った——ブルームバーグのマーク・ガーマン記者が9月6日、ニュースレター「Power On」でそう報じました(9to5Mac)。報道によれば、狙いは増収と利益率の改善。手動でのアプリ審査を廃止する案や、開発者の年会費(現在99ドル)の値上げ、通信量(トラフィック)に応じたサブスクリプション料金を大口開発者に新たに課す案などが検討されているといいます。9月1日にCEOに就任したばかりのジョン・ターナス氏と、サービス部門を統括するエディ・キュー氏が主導しているとのことです。

App Store改革のイメージ、審査の木槌とアプリアイコン群、上昇するグラフ(イメージです)

報道の中身。まだ「検討段階」であることに注意

ガーマン氏の報道で伝えられている点は次の4つです。現時点ではいずれも「検討中」の段階で、Apple から公式発表はありません。

  • 手動でのアプリ審査を廃止する案。現在 App Store に新規・更新アプリを出すときは人間の審査担当者がガイドライン適合を確認しているが、これを自動化・簡略化する方向を検討
  • 開発者の年会費(Apple Developer Program、現行99ドル)の値上げ案
  • 大口開発者への「トラフィック課金」の新設案。通信量(トラフィック)に応じたサブスクリプション料金を大口開発者に新たに課し、Apple側のインフラ費用の一部を負担してもらう案と報じられています
  • 主導しているのはターナスCEOとキューSVP。報道は、この検討がフィル・シラー氏がApp Store統括の立場から退いた一因になったとも伝えています

この報道の一次情報は、ガーマン氏自身の有料ニュースレター「Power On」で、9to5Mac がその内容を要約・報道する形(二次報道)です。ガーマン氏はAppleの製品計画についてこれまで高い的中率で知られる記者ですが、値上げ幅や実施時期といった具体的な数字は本人も「検討段階」としており、確定情報ではありません。

なぜ今、App Store改革なのか

タイミングとして目を引くのは、この報道がターナス氏のCEO就任からわずか5日後だという点です。ターナス氏は前職がハードウェアエンジニアリング担当上級副社長で、ソフトウェアやサービス畑の出身ではありません。就任直後からサービス部門(App Store・iCloud・Apple Musicなどを含み、Appleの決算で「サービス」として計上される事業)に手を付けようとしている点は、新体制の優先順位を示す手がかりとして読めます。

Apple のサービス事業は、ハードウェアの販売が伸び悩む局面でも増収を続けてきた部門です。App Store の手数料(最大30%)は開発者から繰り返し批判されており、EUのデジタル市場法(DMA)対応や、Epic Games との訴訟をきっかけに、米国でも外部決済へのリンクを許可せざるを得なくなるなど、ここ数年で収益構造が揺らいでいます。今回の「開発者への課金強化」路線が事実であれば、外部決済の普及で目減りする手数料収入を、年会費や従量課金という別の形で埋め合わせようとしている可能性があります。ここは私の見立てであり、Apple が公式にそう説明しているわけではありません。

今の仕組みと、報じられている検討内容の比較

現行のApp Store運用と、Power On/9to5Macが報じた検討内容の比較。右列はいずれも未確定の報道段階
項目現在の仕組み報じられている検討内容
開発者の年会費99ドル/年(Apple Developer Program)値上げを検討中(具体額は未報道)
アプリ審査人間の審査担当者による手動レビュー廃止・簡略化を検討中
インフラ費用の負担特になし(手数料に含まれる形)大口開発者にトラフィック(通信量)連動のサブスク料金を新設する案
主導者(従来)フィル・シラー氏がApp Store担当ジョン・ターナスCEO、エディ・キューSVPが主導と報道

開発者・利用者への影響は

手動審査の廃止は、開発者にとってはアプリの公開・更新が速くなる可能性がある一方、審査の質が落ちて不正アプリや低品質アプリが増えるリスクとも表裏一体です。年会費の値上げや従量課金の強化は、特に個人開発者や小規模スタジオへの負担増につながりかねません。Appleは2021年にも年商100万ドル以下の開発者向けに手数料を15%に引き下げる「App Store Small Business Program」を導入した経緯があり、今回の改革がその方向性と逆行するのか、大口開発者だけを対象にするのかは、現時点の報道からは判別できません。

この件は Apple の公式発表を待つ必要がある段階です。具体的な制度変更が発表され次第、小龍茶館でも続報を扱う予定です。

(記事情報元: 9to5Mac「Apple might soon make App Store changes to raise revenue, increase margins: Report」(2026-09-06)

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