macOS 10.15 Catalina新機能、Sidecar機能を使ってみた。duetと比べると…?

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macOS 10.15 Catalinaがリリースされ、Sidecar機能が追加されました。このSidecarとは、もともとあったAirPlayディスプレイの機能が強化され、iPadサブディスプレイ化が可能になったというものです。これまでSideCarと同様の機能を実現するには、サードパーティ製の有料のduet displayかLuna Displayというアプリケーション(ソフトウェア)を使用するしかなく、私もduetを使用していたのですが、今回標準化されたSidecarサブディスプレイ機能を試してみました。duetとの比較というテーマでファーストインプレッションをお届けします。

sidecar macOS 10.15 Catalina

新旧環境の比較表

新旧の環境を比較すると以下の通りです。

デバイス(新旧共通)

  • 母艦:MacBook Pro 13インチ 2018モデル
  • サブディスプレイ用:iPad Pro 10.5インチモデル

この2つをUSB接続して使用しています。

アプリケーション

  • 旧:duet display+Resolutionator
  • 新:Sidecar(macOS 10.15 Catalina標準AirPlay)。※Resolutionatorは外しました。。理由は後ほど

サブディスプレイの使い方

皆様それぞれ目的は異なると思いますが、私の場合は基本的にはサブディスプレイにはSNSのアプリを表示させています。様々な複数のSNSを使用しているので、できればサブに置いておいた方が楽なのです。また時々、サブディスプレイに動画を表示していることもあります。

利点1:SidecarではMacがスリープするとサブも自動スリープに、スリープ解除でわざわざアプリ再起動しなくなった

これが一番ストレスがなくなった点かと思われます。

duetで使用していた時、Macがスリープ状態になった後、iPad Pro(サブディスプレイ)の方がスリープ状態にならないこともありましたが、macOS Catalina標準のSidecarではMac側をスリープにするとiPad Proもスリープ状態になります。そしてMacをスリープ解除するとすぐにサブディスプレイが立ち上がります。

duetの頃は、Mac側をスリープしてしまうと、サブ側のduetアプリ側がホワイトアウトして、「duetを起動中。。」という表示が出て暫く待たなくてはなりませんでした。また、なぜか接続しているのに「Macと接続してください」という表示が出ることもあり、その場合はサブ側のduetアプリをいったん落とし、Mac側のduetアプリを再起動し、またサブ側のduetアプリを起動、、そして待つ、という手間がかかりました。これがなくなっただけでもかなりストレスフリーです。

SidecarではLINEウィンドウがスリープ解除後どこかにいかなくなった

そしてduetの不具合としてずっと困っていた、Macをスリープ状態にした後、LINEウィンドウがどこかに行ってしまう問題も、SideCarでは発生しません。これは助かります。

duetの時には、LINEウィンドウがどこかにいってしまうので、いったんミッションコントロールで表示させ(なぜかミッションコントロールを行うと現れる)、そこからLINEウインドウを母艦の方に移動して、また戻すという作業が毎回必要でした。が、今回Sidecarでは標準化することでそれがなくなり、その手間が省けるのは大きいです。

利点2:Sidecarでは一切カクカクしなくなった

SidecarはやはりApple標準だけあって、サードパーティ製のduetとは異なり、動きがカクカクすることが皆無になりました。

duetでは、メモリを大きく使いすぎると(私は普段Chromeで数十というタブを開いているのですが)、時々iPad Pro(サブディスプレイ)側のマウスやウィンドウ表示の動きがカクカクすることがあったのですが、Sidecarでのサブディスプレイでは、今のところ一回もカクカクすることはありません。

欠点:Sidecarでは解像度の選択ができなくなり、またResolutionatorの解像度調整で全画面表示されなくなった

duetでは、標準でサブディスプレイの解像度を切り替える機能があったのですが、Sidecarではこの機能が今のところありません。実際は変更できるメニューはあるのですが、1つしか解像度が表示されないのです。

なお、Mac側の解像度を変更してもSidecar側の解像度は変更されません。私はスペースを拡大-デフォルトと切り替えてみましたが、Sidecar側は変わりませんでした。

もし解像度をどうしても切り替えたいのであれば、旧環境で使っていたResolutionatorというアプリがあり、これはかなり自由に解像度を変更できるアプリなのですが(変態的な解像度も選択可能です)、以前のduetと一緒に使った場合、サブディスプレイをほぼ全画面表示しながら解像度を調整できました。しかし標準化AirPlayでのサブディスプレイですと、上下の余白が非常に目立つようになりました。そのため、私はResolutionatorの使用をやめることにしました。

結果的にはサブディスプレイ側はかなり解像度が落ち、一画面に表示できるアプリがかなり減ったのですが、私はMacでもともとミッションコントロールを多用する人間なので、今のところ特に問題なく使えています。

欠点:SidecarではiPad(サブディスプレイ)のタッチパネルが効かなくなった

これはduetにあってSidecarにはない唯一の機能といえるかもしれません。iPad(サブディスプレイ)側ではMacなのにタッチパネルが使えるというこれまで実現できなかったことがduetではできていて、時々マウスを持って行くのが面倒臭いときに手でぴっとマウスカーソルを持って行ったりしていましたがそれができなくなりました。ちょっと哀しいですね。

SidecarでもApple Pencilなら使えるのかもしれないですが、Apple Pencilをわざわざ持って、という手間がかかるのであまり意味がなさそうですね。

サブディスプレイ機能は便利!この機に是非

私はかつてMacOS 7漢字Talk時代にあまりにOSが不安定でストレスが溜まったためWindowsユーザになり、かなり長い間Windowsを使っていたのですが、MacOS X Leopardの時代に新規で採用されたExposé(現在のミッションコントロール)が非常に気に入ったためMacに戻ってきたという経緯があります。

このミッションコントロールを使えば、どんなに画面に大量のウインドウが溢れていても、あっという間にさっと並べて視覚的に切り替えることができるスグレモノで、正直サブディスプレイはずっといらないものだと思っていました。しかしduetで使ってみたらやはり効率が段違いに変わってくることがわかり、今はサブディスプレイが手放せなくなってきています。そのためにduetに1200円というアプリとしては高額の費用を払っても惜しくはないと感じていたのです。

しかし今回、macOS Catalinaの新機能・Sidecarによるサブディスプレイを体験してみて、やはりAppleは素晴らしい完成度に仕上げてきたな、という感想です。duetももとAppleにいたエンジニアによるものらしいですが、完成度はやはり段違いでした。

私自身はかつて20年ほど前にMacOS 7が漢字Talkと呼ばれていた時代にはMacを使っていたのですが、度重なる爆弾アイコンの出現によるシステム全体の不安定さに嫌気がさし、やむなくWindowsに移行したのでした。しかしAppleにスティーブ・ジョブズが復帰してから暫くしてリリースされたMacOS X Leopardの頃に、量販店で何気なく触ってみたExposé機能に感銘を受け、その場でMacBookを買ってMacの世界に舞い戻ってきた経緯があります。あのExposéは、正にAppleのMacがその他大勢のコンピュータとは違う、「作業の向こう側」へ連れて行ってくれるマシンに変身させる最高の機能なのではないかと私は今でも思っています。

そのExposé(現在のミッションコントロール)があれば、MacBookでもサブディスプレイはいらないというのが私の持論でした。しかしMacBook Pro 13インチ 2018モデルを購入した際、その前に使用していたMacBook Pro 15インチから13インチにサイズダウンしたことから、やはり画面が狭いなと感じていて、たまたまiPad Pro 10.5インチモデルを持っていたのでサブディスプレイを試そうと思って調べていたらduetに出会い、試しに使ってみたところ、作業効率が段違いに変わってくることがわかったのでした。そして現在はもうiPadによるサブディスプレイが手放せないほどになっています。

iPadでこの完成度が非常に高いサブディスプレイ機能を無料で使える時代が来たなんて、皆さん幸せです。もしMacの中でも画面が狭めなMacBook(11〜15インチ)をお使いで、iPadを持てあまし気味な方がいらっしゃったら、ぜひmacOS Catalinaでサブディスプレイを試すことをお勧めします。1つのジャンルに絞るなどしてiPad側にウインドウを移してみてください。きっと作業効率がぐっとあがること請け合いです。

そして、duetやLuna DisplayにmacOS標準のSidecarにない素晴らしい機能でも追加されない限り、この2つを買う必要はもうないと言っていいと思います。

記事は以上です。

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