xiaolong 
米Apple社が、カリフォルニア州サンタクララで、自社開発のディスプレイのデザインとテストサンプルの製造を行う工場を操業していることが、Bloombergによって報じられました。匿名の内部計画に詳しい人物からの情報ということです。
Appleには、サムスン購買から脱却するために、MicroLEDを有機ELディスプレイから置き換える計画がある
ここ数年来、Appleは自社開発のMicroLEDを、将来的には現行でライバルのサムスンからiPhone XやApple Watchのために購買している有機ELディスプレイ（OLED）から置き換えるという噂が何度も報じられてきました。当ブログでも以下に報じているとおりです。
Appleは現在サムスン一辺倒となっているディスプレイの購買から脱却し、今年リリース予定と噂されている6.5インチの”iPhone X Plus”に間に合わせるために、数十億ドル（数千億円）をLGに投資して、有機ELディスプレイの製造キャパを確保しようとしている、とも報じられています。
Appleは2014年からMicroLED研究開発に着手
有機ELディスプレイの後には、MicroLEDが次世代モバイルディスプレイテクノロジーになるといわれています。MicroLEDを使用することによって、デバイスを更に薄くしたり、明るい色表現が可能となり、そしてバッテリー消費を抑えることもできるようになるからです。
Appleは2014年にLuxVueという会社を買収してMicroLEDに関する21の特許を取得しており、当時まだiWatchとして噂されていた腕時計デバイス（現在のApple Watch）用に製造しようとしていたことが報じられています（当ブログでも報じたとおりです）。なお、最速では今年の新しいApple Watch（Apple Watch Series 4？）にMicroLEDが搭載されるという噂もあります。
MicroLEDは自社で研究開発、量産は他社。3〜5年でiPhoneに採用？
Bloombergによれば、いずれにせよ、AppleのMicroLEDを搭載した製品はここ数年のうちに登場するとされていて、恐らく今後2年ほどでApple Watchに、そして今後3〜5年の間にiPhoneに使用される可能性があるということです。ただ、Appleの現在のサンタクララの秘密工場は量産するにはあまりに規模が小さすぎるため、基本的には量産は外部に出す可能性があります。ただ、既にこのサンタクララの秘密工場には相当の金額の投資が行われており、製造や特許に関する情報はできるだけ手放さず、量産に持っていくまでの全ての工程をサンタクララの工場の中で行える、との情報が内部事情に詳しい人物の口から語られています。
Appleは2年前の台湾友達光電との提携は縮小、より本部に近いサンタクララ工場でディスプレイ開発を集中か
なお、Appleは2年前の2016年1月に、MicroLEDや有機ELディスプレイの研究開発を台湾の友達光電（AU Optronics）社に投資して行っているという情報がありました。当ブログでもお伝えしたとおりです。
ただ、昨年Appleはこの友達光電との提携による研究センターの規模を縮小したという情報があります。そして本日のニュースで、Appleは本部（カリフォルニア州クパチーノ）にできるだけ近いサンタクララの秘密工場に、ディスプレイの研究開発を集中したことがうかがえます。
分野を広げて自社での研究開発を進めるApple
Appleは自社内部研究開発が進めることで、サプライヤーの都合による開発スケジュールの遅れをなくし、他社よりも先駆けて独自の製品を出していける体制を作る狙いがあると思われます。既にiPhone/iPadなどに使われているAシリーズチップなどでそれを実現していますが、今後その分野がますます広がっていくのではないかと思われます。
記事は以上です。