Apple、情報漏洩対策の社内秘密会議開催。内部リークの方がサプライヤより多いことが判明

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

The Outlineの報道によると、Appleが製品の秘密保持のため、情報漏洩の対策に躍起になっているようです。Apple内部にはセキュリティチームがあり、そこが開発中の製品の情報を競争相手やニセモノメーカー、そしてメディアに流れないように防止する責任を負っています。Appleは6月初めに、「Stopping Leakers – Keeping Confidential at Apple」という題名で社内秘密会議を開催し、そこで様々な情報交換とまとめが行われたとのことです。

SECRECY AT APPLE

この社内秘密会議は、グローバルセキュリティ担当デヴィッド・ライス(David Rice)氏、ワールドワイドセキュリティ調査・セキュリティ首席官のリー・フリードマン(Lee Freedman)氏、そしてグローバルセキュリティ担当マネージャーのジェニー・ヒューバート(Jenny Hubert)氏の3人及びグローバルセキュリティコミュニケーション・トレーニングチームによって開催されたとのことです。

新製品の情報が漏洩しないように、諜報機関のNSA(アメリカ国家安全保障局)、法執行機関のCIA(アメリカ中央情報局)やシークレットサービスなど、また軍隊などで働いていた背景を持った人達をエージェントとして採用し、調査にあたらせているとのことです。

上記の3人のリーダーのうち、ジェニー・ヒューバート氏は、新製品セキュリティチームはサプライチェーンから新製品の情報が漏洩することを防止することが主な業務だと述べていますが、デヴィッド・ライス氏は少々違う言い方をしています。2014年、Appleの委託先工場では387個ものiPhoneのシャーシが盗み出されましたが、2015年には57個に減り、2016年には工場で製造された6500万個のシャーシのうち、4個しか盗まれなかったというのです(とはいえ1600万)。

デヴィッド・ライス氏は、最近の新製品の情報漏洩のソースは、主にApple本社(カリフォルニア州クパチーノ)内の従業員によるものだと指摘しています。去年、Apple内部の従業員が情報漏洩をした数が、初めてサプライチェーンのそれを上回ったそうです。Apple製品のセールス担当副社長のグレッグ・ジョスウィアック(Greg Joswiak)氏によれば、これはティム・クック(Tim Cook)CEOにとっては緊急に解決しなければならない問題で、会社としても許してはおけないレベルだとしています。

またApple社は、一人の情報漏洩をした従業員への調査に、3年近い時間をかけているそうです。去年、Appleは2人の情報漏洩をした従業員を見つけ出していますが、一人はオンラインアップルストア(Apple Store)の従業員で、もう一人はAppleで6年務めた従業員で、iTunesの担当だったそうです。

ライス氏によると、中国の委託生産先工場からの漏洩についても手が込んでおり、シャワーの際につま先などに隠し、工場の壁から外に投げる方法や、トイレに流して下水から回収する方法、そして女性従業員のブラジャーのワイヤーの中に隠すという方法もとられていたそうです。彼らはそうすることで、給与の3ヶ月分以上の報酬が得られるとのことで、そんな条件であればこういうことをやってしまう人も出てくるかもしれません(Appleクパチーノ本社の従業員がリークによってどれだけの報酬を得ていたかはわかりませんが)。

またその生産委託先から盗み出されたパーツは、世界最大の電子市場といわれる中国広東省深圳市の”華強北市場(华强北市场)”に流れ、ここでは50万人もの人が働き、年間で200億ドルもの収入を稼ぎ出しています。特に大変だったのが2013年で、当時発表前のiPhone 5cのパネルを19,000個、更に発表後も発売・出荷前までに11,000個も買い戻すという痛い目にあったようです。世界中のどこのブログに載るよりも先に回収するようにしている、とライス氏は語っています。

確かに私も2013年には深圳に住んでおり、当時の華強北市場には私のような半分素人のようなレベルでもリーク情報や部品を見ることができました。また次の年のiPhone 6のシャーシ(バックパネル)のリーク(当ブログでは世界でもほぼ最も先駆けて報道)も、委託先工場からのリークだったと聞いています。情報は、華強北市場でiPhoneの部品を扱う友人から仕入れたのですが。その後、ブログを通じて多くの人からiPhone 6のシャーシを買いたいという連絡を受けました。。私は持っていなかったので断りましたが。。

▼当ブログがリークした画像はこちら。結局後から見たら本物だということがわかりましたね。。

iPhone6_Chassis_leaked_01

iPhone6_Chassis_leaked_02

しかし、それでは最近次世代iPhone【iPhone 8(iPhone Edition、iPhone Xとも)】や【iPhone 7sシリーズ】のリーク情報を出しまくっているベンジャミン・ジェスキン(Benjamin Geskin)氏はなぜ野放しのままなのでしょうか?情報がそれほど正しくないからなのでしょうか?またかつてリーク元として多くの情報を出していたソニー・ディクソン(Sonny Dickson)氏、また中国でもWeiboユーザの@KK低调氏などもマークされている可能性は高いといえるでしょうね。

そして、Appleで社内秘密会議が行われたことがこのThe Outlineというメディアに流れたのは、Appleが意図的にその取り組みに本気であることを知らしめるために明かした可能性が高いといえるのではないでしょうか。

記事は以上です。

(記事情報元:The Outline

Visited 70 times, 1 visit(s) today
  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

この記事を書いた人