将来のiPhoneは本当にホームボタンがなくなる?Apple、タッチパネル上で指紋認証ができる特許を取得

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Appleは将来的にiPhoneから物理ホームボタンを取り去るという情報は既に出回っているが、しかし物理ホームボタンをなくすにはAppleは様々な挑戦をしなければならない。そのうちの1つは指紋認証機能のTouch IDだ。

Appleはこの指紋認証センサーTouch IDをiOSデバイスのホームボタンに埋め込んでおり、iPhoneのロック解除、App Store等での支払いの認証、更にApple Payが追加された今、このセンサーはAppleの全体のエコシステムにおいてますますその重要さを増している。もしホームボタンを取り去ってしまうと、Appleは別のところを探して指紋センサーを埋め込まなければならない。

そしてAppleが選んだその位置とは、他のAndroidデバイスとは違って”背面”ではなく、”ディスプレイの上”になったようだ。

 

Touch IDをディスプレイ上に配置する特許、Appleは2種類取得

Touch IDをiPhoneとiPadのディスプレイ上に設置することについて既にAppleは研究を進めており、同社は2つの特許を取得している。1つ目は昨年取得された”電子デバイスの指紋センサー”特許で、最新のテクノロジーによってiPhoneとiPadの指紋認証センサーをディスプレイの下の方の固定位置に設置することができるようになっている。それによってサードパーティのアプリでも指紋認証ができるようになるということだ。

そしてもう1つの特許の方が更に進んでいる。それは去年11月に申請され、本日Appleが取得したもう1つの特許で、先進的なOLED(有機EL)を使うことで、iPadのディスプレイ全体のどこでも指紋認証ができるようになるというものだ。しかも、複数の指の同時認証にも対応しているという。

Apple_fingerprint_Patent

実はAppleはこの技術特許のうち、昨年2015年6月に買収したPrivaris社によって大部分の権利を取得していた。同社は指紋認証に関する特許を持っていて以前同じくAppleに買収され、最終的にその技術がTouch IDに採用されたAuthentec社とこれまで多くの提携を行っていたという。

CNNは、Appleが指紋認証の特許を取得した時間と、Privarisが指紋センサーとタッチパネルのテクノロジーを披露した時期と合致すると分析している。Privarisは他にもユーザが指紋によってドアを開けるという技術の特許を取得しており、具体的な操作方法としてはiPhone上で指紋をスキャンすると同時にiPhoneをリーダに近づけるとドアが開くというもので、Apple Payに似たような仕組みになっている。

 

ディスプレイのあらゆるところで指紋認証が可能になる特許、内容の詳細

Appleは特許出願文書の中で、このデジタルデバイスには透明な指紋センサー部分があるとしている。デバイスにはコントローラユニットが搭載され、それによってディスプレイと指紋認証層と電子デバイスの間のデータの流れをコントロールし、透明な指紋センサー部分で生成された指紋画像によってどの指がどこにタッチしたかを感知することができるという。そのコントローラユニットではデバイス側からのファイルの送受信が可能で、またそこから指紋画像を電子デバイスに送ることも可能だとのこと。

この特許では3項目の指紋認証技術が想定されている。それは光学、コンデンサ、そして超音波だ。この特許では、光学的なスキャンが最もよく使われる方法だが、その安全性はあまり高くないとしている。そしてコンデンサによるスキャナーの方が安全性が相対的に高いことが指摘されている。

 

超音波イメージングによる指紋認証も想定、新たなバイオ認証デバイスBPIDも

最も精確でしかしあまり使われていない技術が超音波イメージングだ。超音波センサーが指紋表面のしわの形状や底面の皮膚組織形状までスキャンできるため、光学スキャンのような1枚の指紋の平面図とは比べものにならないほど精確なのだ。ただこの超音波センサー技術は比較的新しく、まだ十分な実験がされていない。とはいえ実験初期段階からこのテクノロジーの前途は明るいとされている。Appleの特許には、この超音波イメージング技術をどのようにセンサーに利用するか、ということも含まれている。

この特許の中で、Appleは更に人体バイオ認証デバイスBPIDについても触れている。将来的にAppleはこのテクノロジーをiOSデバイスに入れると考えられる。BPIDでは全ての伝達されるデータを暗号化することができ、決まった受取先しかこの暗号を解読できない。

ただ、Appleがこの指紋認証技術をいつデバイスに使用するかについてはまだわかっていないし、使われない可能性もなきにしもあらずだ。

記事は以上。

(記事情報元:Patently Apple

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