中国版iPhone5s/5cはiOS7.1にアップデートすると中国移動の4Gが使用不能に
iPhoneのSIMロック解除アダプタ(SIM下駄)「heicard」や、
LTEロックをクラックするSIM下駄「iSafari」、
中国でTD-LTEとTD-SCDMA、GSMを切り替えできる「移動LTE助手」を開発している、
中国のハッカー集団中国超雪(以下Chinasnow)。
そのChinasnowが彼らの公式Weiboにおいて、
2014年3月11日未明にリリースされたiOS7.1の中国版iPhone5s(A1528)とiPhone5c(A1526)について、
以下のような発言をしている。
(翻訳)
中国版iPhone5c(A1526)とiPhone5s(A1528)はiOS7.1にアップデート後、
中国移動(チャイナモバイル、China Mobile)のキャリアバージョンが16.0にアップデートされ、
4G LTE(TD-LTE)の機能がなくなってしまい、
また(4G LTEが使える)15.5にダウングレードができなくなってしまう。
4G機能が使えなくなると、
LTEクラックSIM等や移動LTE助手で4Gに固定したとしても、
「圏外」表示になってしまい、4G電波を拾わなくなる。
決してiOS7.1にしないように!
とのこと。
つまりLTEが使えないようになっているキャリアアップデートが自動的に適用されてしまうため、
中国移動のLTEが掴めなくなってしまうのだ。
ではどうすれば掴めるようになるの?
まだ解決策はないが、
Chinasnowは更にコメント欄に興味深い書き込みをしている。
脱獄できれば4Gをクラックできる。
現在のApple(のシステムiOS)は、キャリアバンドルファイルのipccに署名認証制度を導入している。
脱獄していない状況ではこのキャリアバンドルファイルの内容を変更することができない(小龍注:ちなみに署名がないキャリアバンドルも適用できるようにするのが脱獄アプリのCommCenter Patchだ)。
もし改造していない(中国移動の)キャリアバンドル15.5を使用したとしても、
iOS7.1では(キャリアバンドル15.5の認証がされていないために)上書きができず、
できたとしても16.1を16.0にダウングレードすることしかできない。
しかし16.0は既にLTEが使えない(つまり意味がない)。
つまり、脱獄をした後に、
CommCenter Patchによって署名のないLTE使用可能なキャリアバンドルを書き込むことで、
ハードウェア的には使えるiPhone5s/5c中国版に、
強制的にLTEを使わせる(というよりLTEロックを解除する)というやり方であれば、
中国版iPhone5s/5cでも中国移動のLTEを掴めるようになるということだ。
しかしiOS7.1の脱獄の可能性は低い。では他の希望は?
ただ、当ブログの別記事で書いたとおり、
iOS7.0〜iOS7.0.6対応の完全脱獄ツール「evasi0n7」の開発元のハッカー集団「evad3rs」とそのメンバーは、
iOS7.1用の完全脱獄ツールは基本的にはリリースしない方針だ。
となると、上記の脱獄すれば4Gが解除できる、という言葉も現実味がなくなる。
しかしもう1つの希望として、
AppleがLTEを使えるキャリアアップデート(キャリアバンドルのアップグレード)を配布することだ。
Apple Store(アップルストア)で購入した機体が、
中国移動の4G LTEを使えないとなれば片手落ちとなり、
せっかくのSIMフリーの意味がなくなってしまう。
中国内の正規店で買ったにも関わらず、
中国のキャリアのLTEが使えないとなると、
常識的に考えればこれはちょっとおかしいことだ。
中国のユーザが中国移動やAppleに対して多くの人が苦情を出したりすればいいのかもしれない。
Apple自体はキャリアの政策にはあまり関わらないので効果がそれほど期待できないかもしれないが、
中国移動からの圧力でAppleに新たなキャリアアップデートを促す可能性はある。
というのもAppleは中国最大であり世界最大のキャリア中国移動のおかげで、
中国でのiPhone5s/5cの販売が伸びているからだ。
もちろん、現状は中国移動自身が中国移動版iPhone5s/5cを2年契約縛りで売りたいので、
Apple公式Apple Storeで売っている機体に自身のLTEを使わせたくないという事情もあるだろうが、
それもユーザ次第で方針が変わるのではないかと思われる。
現在上記該当機種で中国移動の4G LTEを使っている人は、
もう少しiOS7.1へのアップデートは様子を見た方がいいだろう。
記事は以上。