知ってた?第二世代Touch IDが初代より爆速になった仕組みとは

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なぜiPhone 6s/6s Plusに採用された第二世代のTouch IDは、iPhone 5s/6シリーズに搭載されていた初代Touch IDに比べあんなに速く指紋認証が完了するのだろうか?Appleは昨年のiPhone 6sの発表イベントの時に、Touch ID 2の指紋認証速度がアップしたことについて触れていた。初代Touch IDには88×88画素のセンサーが搭載されていたが、第二世代のTouch IDには96×112画素のセンサーが搭載され、その画素数は40%も増えている。そして第二世代Touch IDの指紋認証速度は初代の2倍となっているのだ。

第二世代のTouch IDは指紋認証速度が逆に速すぎて、ロック画面の時刻や通知を見たりする時間さえなく即座にロックが解除されてしまうほどだ。このTouch IDが第二世代で指紋認証速度が速くなったのは、当然ながら技術的な進歩があったと考えるべきだが、ではその技術的な進歩の具体的な内容とはどんなものだろうか?

Apple Insiderの報道によれば、アメリカ特許商標庁が公布したAppleが取得したとある特許の中に、第二世代Touch IDの指紋認証速度が高速化した理由の答えが書いてあるようだ。その特許出願書類に書かれている描写によれば、それは”ダブルプロセスシステム”のおかげだという。

その”ダブルプロセスシステム”とは?Appleの特許出願書類によれば、2つのプロセッサを使用する方法のようだ。まず1つのプロセッサで最初の指紋照合を行い、指紋バイオセンサーが得た識別用データを、デバイス内に保存された指紋バイオモジュールに保存されたデータと照合し、その照合の程度で点数をつけるのだという。その点数が一定の水準をクリアすれば、両者が照合されたと判断されてロックが解除されるというわけだ。

touchid-sensor

そして2つのプロセッサのうちもう1つが、2回目の照合テストを行えるようになっている。これはもし一回目のプロセスの照合で一定の水準をクリアしなかった場合、2回目のプロセスで再度照合テストを行えるようになっているもので、今度はその2回目のテストのための水準が用意されており、点数がその水準をクリアすれば照合されるというシステムになっているとのこと。

この2回目のプロセスは1回目のプロセスより速度は遅いが、1回目に比べて更に正確な照合ができるという。この2段階プロセスの実行により、指紋認証をより高効率化し、ユーザ体験をよくし、更に時間を短縮し、しかも指紋認証の正確性も確保できるという。

Appleは2014年第四四半期にこの特許を出願しており、その特許の名称は、「電子デバイスの多速度、多精度の指紋バイオデータ照合とそれに関する方法」とされている。そして発明者4人の名前のうちにはチェコ出身とみられる人物の名前が3人入っていることから、これはAppleが指紋認証のベンチャー企業だったAuthenTecを買収したことでこの特許を手に入れたことを暗示しているといえよう。

Touch IDがiPhone 5sで初めてiPhoneに搭載された際には様々な問題が発生したが、今となっては殆どのiPhoneユーザがこの指紋認証機能から離れられなくなっているのではないだろうか。Appleが最近発表したデータによれば、iPhoneユーザは毎日デバイスのロックを平均80回解除するといい、そのうちの89%のユーザがTouch IDによる解除であるという。そしてシリコンバレーのコンサル企業、Creative StrategiesのアナリストBen Bajarin氏の研究によれば、85%のユーザがTouch ID或いはパスワードによってデバイスのセキュリティ性を守っているという(逆にいえば、なんと15%もTouch IDかパスワードを設定していない人がいるということだ)。

以前の噂によれば、次世代Touch ID、つまり第三世代のTouch IDでは、爆速すぎる現行の二代目Touch IDに比べ指紋認証速度が少々遅くなるといわれている。Appleは既に次世代Touch IDの研究開発を行っており、今年の秋のiPhone 7に搭載されるTouch IDがどのようなものになるか、今からその機能向上が期待される。一方、iPhone 7にはTouch ID以外の生体認証が採用される可能性もある。

記事は以上。

(記事情報元:Apple Insider

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