昨日2017年4月29日から、中国のモバイル決済の最大手の1つ、アリペイ(Alipay、支付宝)が、中国で最近どの都市でも爆発的に流行している複数の乗り合い自転車サービスのまとめ利用に対応した。この乗合自転車サービスは、どこでも拾ってどこでも乗り捨てできるのが魅力だ。
アリペイのおかげで各社バラバラだったアプリがいらなくなる!
これによってもたらされる最大のメリットは、各サービスで完全にバラバラだったアプリを複数インストールする必要がなくなることだ。これは肥大化する容量を抑えたり、わざわざ各サービス毎にアプリを切り替えなくて済むの大きい。また各サービスで必要だったデポジットも、アリペイに付帯の「芝麻保险」で一定のステータスがあれば、一部のサービスでは必要なくなる(ただしメインでサポートしているofo小黄车ではデポジットはそのまま必要で、外国人は芝麻保险での認証に失敗する)。
アリペイから先はやはり各サービスへの登録は必要となる
ただし、アリペイからそれぞれのサービスを選んだ後は、当然ながら身分登録は必要となる。外国人は基本的に使用できないサービスもあれば、パスポートスキャンと、あとはパスポートと一緒に本人が映っている写真も必要だったりするので少々面倒だ。
アリペイでの乗合自転車サービスの利用方法
ただ、いったん各サービスに登録してしまえば、あとは使用方法は簡単だ。
アリペイのトップメニューから【共享单车(乗合自転車)】をタップし、【立即扫码开锁(すぐにスキャンしてロックを外す)】ボタンをタップしてあとは自転車についているQRコードをスキャンするだけで、自動的に運営会社を判断してくれる。現在地を教えておけば、自動的に今いる都市の対応する自転車サービスの名前が表示される。
中国四大主要都市のアリペイ対応乗合自転車サービス
北京
- ofo小黄车
- 小蓝单车
- 永安行
上海
- ofo小黄车
- 优拜单车
- 永安行
広州
- ofo小黄车
- 小蓝单车
- 永安行
深圳
- ofo小黄车
- 小蓝单车
- 优拜单车
- funbike单车
ただし、かなり大手のMobike(摩拜)がサポートされていないのが少々痛いところか。
各サービスのディスカウントが適用されるかは未知数
ちなみに各サービスにはそれぞれのディスカウントサービスが存在する。例えばAppleが投資したDiDi(滴滴出行)が出資しているofoは、週末は利用は無料。では、アリペイで利用・支払の場合はそのディスカウントは適用されるのか?と思って見てみたら、アリペイでは4月29日〜5月7日には0元(無料)で乗れることになっていたので無料だった。その後、引き続き各サービスのディスカウントが使えるかどうかはわからない。
しかしアリペイと共同のサービスになったことによって、ますますofoはシェアを伸ばすことになりそうだ。これまで中国に実際にいると乗合自転車サービスはofoとMobikeの二強というような印象だったのだが、アリペイが関わってくることで少し風向きが変わってくるかもしれない。
冒頭にも書いたが、この乗合自転車サービスは、どこでも拾ってどこでも乗り捨てできるのが魅力だ。ただそれによってありとあらゆるところに乗り捨てられてしまい、また故障車が街中に溢れることで社会問題にもなっている。これから各サービスが知恵を絞って解決方法を見つけてくるだろう。アリペイも加わったことで、更にこの勢いは加速するだろう。
記事は以上。