【画面なしのAIメガネ】Apple初のスマートグラス、2027年のWWDCで発表か。Metaが年700万本売る市場への「後出し」は通用するのか

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Appleの【スマートグラス】の全体像が見えてきました。9to5Macが現時点の情報を整理したもので、発表は2027年のWWDC、発売は同年後半の見込み。ARグラスではなく、画面を持たない「AIメガネ」としての登場になりそうです。カメラで周囲を見て、Siriが音声で答える。Metaのレイバン型が切り開いた市場への、Appleらしい後出しです。
黒いアセテートの角形スマートグラス。フレームの隅に小さなカメラ、テンプルにスピーカーの穴(イメージ)

現時点で分かっている姿

  • 画面なし。カメラ+マイク+スピーカーの構成で、オープンイヤー型イヤホンとしても機能
  • カメラで見たものをSiriが解析し、質問への回答、状況の説明、看板の翻訳など。見たものを保存してリマインダーにする使い方も
  • 一方で通常の写真・動画撮影には非対応の可能性。Metaのレイバン型が浴びた盗撮批判への回答とみられる
  • デザインは自社設計で複数展開。レイバンのウェイファーラー風の大きめの角形、細身の角形、丸形など。素材はアセテートで、黒・オーシャンブルー・ライトブラウン
  • 将来の世代では心拍センサーなど健康デバイス化の構想も

相手はもう「年700万本」の市場

この2027年という時期を、どう評価すべきでしょうか。まず相手の大きさを数字で確かめておきます。
Metaのスマートグラス販売ペース。2023年10月の発売から2025年2月までの累計が200万本、2025年の1年間だけで700万本、2026年の生産能力目標は1,000万本
Metaとレイバンの親会社EssilorLuxotticaの組は、2023年10月の発売から2025年2月までの累計で200万本を売りました。ところが2025年はその1年だけで700万本前年の3倍以上です。さらに生産能力を2026年末までに年1,000万本へ引き上げる計画で、Bloombergは2,000万〜3,000万本への上積みが議論されているとも伝えています。市場の寡占ぶりはさらに極端です。
画面なしスマートグラスの世界出荷シェア(2026年Q1、Counterpoint調べ)。Metaが84%、Xiaomiなどその他が16%
Counterpointの集計では、画面なしスマートグラスの世界出荷は2025年後半に前年比139%増、そのうちMetaのシェアは84%(2026年Q1)。Appleが売り場に立つ2027年後半には、Metaの累計販売は単純計算で2,000万〜3,000万本に達している可能性が高い。Apple Watchのときの「後出しで総取り」より、はるかに足場を固められた相手に挑むことになります。

それでも後出しが通用してきた会社、ただし今回は条件が違う

Appleは初代iPodも、iPhoneも、Apple Watchも後出しでした。先行者が市場を耕し終えた頃に、品質と統合で刈り取る。それがこの会社の勝ちパターンで、スマートグラスでも同じ絵を描いているはずです。iPhoneとの統合、AirPodsで磨いた装着感と音、そして「録画しないカメラ」というプライバシーの旗。武器は揃っています。

ただ、今回ひとつだけ過去と条件が違う点があります。メガネは家電ではなくファッションであり、流通が特殊だということです。Metaが組んだEssilorLuxotticaは、レイバンとオークリーのブランドに加えて、世界中のメガネ店網と度付きレンズの供給を握る巨人です。Metaは35億ドルを出資してこの独占的な組み合わせを固めました。Appleが自社でフレームをデザインしても、度付きレンズと店頭でのフィッティングの網は一朝一夕には作れません。Apple Storeは世界に500店あまり。メガネ店は世界に数十万軒。後出しの品質勝負に持ち込む前に、この流通の壁をどう越えるかが最初の勝負だと思います。

カメラ付きAirPodsと同じ「見るAI」の布石

もうひとつ、この製品は単体では完結しません。Appleは同時期にカメラ付きAirPodsも開発しており、こちらも「録画しないカメラ」でAIに視覚を与える設計であることがコードから判明しています。メガネ、イヤホン、そして刷新Siri。バラバラに見える動きは、「Siriに目を持たせる」という一つの計画の部品なのでしょう。逆に言えば、この計画全体が刷新Siriの完成度に賭かっている。順番待ち制で始まるSiri AIが、2027年までに看板を張れる出来になっているかどうか。メガネの成否は、実はそこで決まる気がします。

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中国では「百鏡大戦」がもう始まっている

ここからは中国在住者としての話です。中国のテック業界では昨年から、スマートグラスの乱戦を指す「百鏡大戦(百のメガネの戦い)」という言葉が流行っています。Xiaomi、HUAWEI、RayNeo、Rokidなど、大小のメーカーが一斉にAIメガネへ参入した状態を指す言葉です。上の円グラフの「その他16%」の中身は、かなりの部分がこの中国勢です。

そして中国本土では、Metaのレイバン型は正式には売られていません。MetaのAIが中国で提供できない以上、これは構造的な空白です。つまり中国市場は世界で唯一、王者Meta不在のスマートグラス市場であり、中国勢はここで足場を固めてから外へ出てきます。2027年にAppleが参入する頃の相手は、Metaひとりではない。西にMeta、東に百鏡。後出しの難易度は、年々上がっていきます。。

記事は以上です。

(記事情報元:9to5Mac。販売台数はUploadVRCNBCBloomberg、シェアはCounterpoint Researchの各リンク先を参照)

※記事中の画像はイメージです。

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