先週木曜日、米国特許商標庁(U.S. patent and Trademark Office)がAppleの出願特許を発表しました。その題名は「統合された生体センサーを搭載したポータブル電子デバイス(Portable electronic device with an integrated bio-sensor)」で、AppleがMacBookなど大型な物理的なデバイスで、生体センサーをどのように稼働させるか、ということが主に描写されています。
生体センサーはAppleの製品では既にApple Watchに初代から搭載されていて、円形のセンサーが常にユーザの手首の皮膚に触れている状態でセンシングを行いますが、Appleの出願特許上のMacBookではちょっと異なり、2組の小さな穴がいくつも空いたセンサーとなっているようです。そしてその穴が空いた表層面は透明或いは半透明の保護膜で覆われています。機能としては、Apple WatchのLEDセンサースキャニング方式と似ていて、緑色のLEDの光が開けられた1組のモジュールの穴から出てユーザの腕の皮膚に照射され、腕の皮膚から反射されて戻った光がもう1組のモジュールの穴から収集され、その後データがシステムに渡され、データ解析が行われるというものです。
特許出願書の描写によれば、このセンサーではユーザの身体状態の多くの要素をセンシングすることが可能となっていて、その中には心拍、呼吸速度、血液内酸素容量や血圧、予想出血容量などの多くの機能が含まれているということです。また、赤外線LEDを追加することで、ユーザの体内の水分含有量など、測定可能な項目を増やすこともできるとされています。
穴の内部に設置されたセンサーは、更に2つの異なったパワーレベルで動作するとされていて、多くの状況下で更に密集したデータの収集が可能になり、例えば心拍センサーと同時にそれよりもハイレベルなセンシングも可能ということです。また穴自身も自動的に角度が調整され、皮膚のLED光の反射の読み取りがより正確になるということです。
そして多くの人が、上記のなんだか素晴らしく超多機能なセンサーはMacBookのどこに搭載されるの?と疑問に思うことでしょう。特許出願書類では、このセンサーはトラックパッドの脇のパームレストの部分に搭載されると描写されています。
Appleは、この位置が理想的な位置であると考えているようです。というのも、ユーザがMacBookでキーボードによって文字をタイピングする時に、センサーと手や腕が非常に近距離に保たれるからです。理論上、ユーザがキーボードでタイピングをしているとき或いは休んでいるとき、センサーが読み取り可能な距離に手を置いたときには、MacBookもApple Watchと同様、ユーザの心拍をリアルタイムに測定が可能になるということになりそうです。
そして、このセンサーはもちろん生体の健康状態のセンサーだけではなく、もっと基本的なセンサー機能、例えばユーザがMacBookから離れた状態になっているか或いはMacBookの目の前にいるかを検出することができ、もし近いところにいれば、MacBookがスリープ状態になるのを防ぐこともできます。
ただ、上記はあくまで単に出願された特許に過ぎません。Appleは毎週のように大量の特許出願を行っています。一般的に、Appleの特許の存在は、Appleが間違いなくその分野に興味を持っていることは表しますが、その特許機能が実際に製品に組み込まれ、製造されユーザの元に届くかどうかは別問題です。噂では、Appleは次にAirPodsにヘルスケアのセンサーを搭載するといわれていて、それによってApple Watchに続くウェアラブルデバイスでの確固とした地位を築きたいと考えているのかもしれません。
ちなみに、Appleは2018年Q1(第一四半期)にこの特許を出願していて、日本時間3月8日にUSPTOが公布しています。
MacBook Pro 2018年モデルのヘビーユーザの自分としては、MacBookにこれらのセンサーが搭載されるのは、個人的に大歓迎と思うのですが、皆様は如何でしょうか?
記事は以上です。
(記事情報元:Patently Apple)