Apple、映像を保存しないAI防犯カメラを2027年に。有料の見守りサービスも検討か

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Appleが【自社製のホームセキュリティカメラ】と、それに連動する有料の見守りサービスを2027年に出す。ブルームバーグのマーク・ガーマン記者が9月4日、9日のイベントの展望記事の中でそう報じました(MacRumors、9to5Mac)。キーワードは「プライバシー重視」で、記事によればこのカメラは「実際の映像ではなく、AIで周囲の状況を監視する」設計です。

報道は短く、価格も名前もまだありません。ただ、Appleはすでに他社製カメラ向けの仕組み「HomeKitセキュアビデオ」を7年運用しており、iOS 27ではその機能を大きく増やします。今あるものと、来年出るものを並べると、Appleが何を売ろうとしているかは見えてきます。
夕方の柔らかな光が差すリビングの棚に置かれた小さな白い防犯カメラと、映像の代わりに浮かぶ盾のアイコンのイメージ画像。映像を保存しないAI防犯カメラの記事のアイキャッチ

報道の中身。分かっていることは4つ

  • Apple純正のカメラを出す。「プライバシー重視のホームセキュリティカメラとオートメーション機器」で、時期は2027年
  • 映像ではなくAIで監視する。原文は「実際の映像の代わりに、AIを使って周囲の環境を監視する」。何が起きたかをAIが判断して伝える方式で、映像そのものを溜めない設計だと読めます
  • 新しい見守りサービスと組む。「新しいホームセキュリティ・監視サービス」に接続する。9to5Macはこれが有料で、Apple Oneへの同梱が検討されていると伝えています
  • 今年はホームハブが先。7インチ画面のホームハブ、新しいApple TV 4K、HomePod miniが近く出る見込みで、カメラはその1年後

現行の仕組みと、ブルームバーグが報じた新製品の違い。右列は報道段階で、詳細は未発表
今のHomeKitセキュアビデオ報道された2027年の新カメラ
映像の扱い他社製カメラの映像をiPhoneやHomePodなどのホームハブで解析し、iCloudに暗号化して保存映像そのものではなく、AIが周囲の状況を監視する(映像を保存しない設計と読める)
カメラ本体Logitech、Aqara、Eveなど他社製。Apple純正はないApple純正。ドアベル型の報道もある
料金iCloud+(150円〜)に含まれる有料の見守りサービス。Apple Oneへの同梱も検討との報道
時期2019年から2027年

「映像を保存しない防犯カメラ」は矛盾に聞こえますが、Appleの今の設計を延長すると筋は通ります。HomeKitセキュアビデオは、カメラの映像をクラウドで解析せず、家の中のホームハブ(iPhone、HomePod、Apple TV)で人・動物・車・荷物を見分けてから、必要な部分だけを暗号化してiCloudに送る仕組みです。新カメラはこの「家の中で判断する」部分を本体に持たせ、出力を映像ではなく「誰かが玄関に来た」「荷物が置かれた」という判断結果にする。そう考えれば「AIで環境を監視する」という表現とつながります。ここは私の推測なので、その旨を添えておきます。

今あるもの。HomeKitセキュアビデオは150円から

Appleはカメラ本体を作ってきませんでしたが、他社製カメラの映像を安全に扱う仕組みは2019年から提供しています。それがHomeKitセキュアビデオで、利用条件はiCloud+ に入っていることだけ。Appleサポートの記載を表にします。

iCloud+ の各プランと、HomeKitセキュアビデオで使えるカメラの台数(Appleサポートの記載、2026年9月6日確認)。録画はストレージ容量を消費しない
iCloud+ のプラン日本の月額HomeKitセキュアビデオのカメラ台数
50GB150円1台
200GB450円最大5台
2TB1,500円無制限
6TB4,500円無制限
12TB9,000円無制限

特徴は、録画がiCloudの容量を食わないことと、映像がエンドツーエンドで暗号化されてAppleにも見えないこと。月150円で1台、450円で5台、1,500円で無制限。カメラ本体(Logitech、Aqara、Eveなど)は別に買いますが、月額としてはかなり安い部類です。

そしてiOS 27では、この仕組みにAIが入ります。AppleのiOS 27プレビューに書かれているホームアプリの新機能は次の4つ。

  • 連続した通知を「賢くまとめる」。夜中に猫が3回通っても通知は1本になる、という類の機能
  • 映像を見る前に「映像の中で起きたこと」を文章で説明する
  • 撮影内容をもとにAIで映像を検索する
  • 対応カメラでは4Kのストリーミングと録画

「見る前に何が起きたかを文章で知る」「映像を言葉で探す」は、まさに「映像ではなく判断結果を扱う」方向です。2027年のカメラは、iOS 27で他社製カメラに向けて始めることを、自社製の本体で完成させるものだと考えると、順番も合います。

有料の見守りサービス。相場はRingの350円〜

見守りサービスの中身は報道にありません。ただ「有料」「Apple Oneに同梱を検討」という2点から、月額いくらの定額制になるのは確かでしょう。比較の物差しとして、この分野で最大手のAmazon傘下Ringの日本向け料金を公式サイトで確認しました。

Amazon傘下Ringの日本向けプラン(ring.comの記載、2026年9月6日確認)。カメラ本体は別売り
Ringのプラン(日本)月額年額録画の保存
Ring Solo350円3,500円最長180日
Ring Multi1,180円11,800円最長180日
Ring Pro2,380円23,800円最長180日

Ringはカメラ1台なら月350円、複数台で1,180円。米国の防犯業界で「監視サービス」と言えば、録画の保存ではなく、異変を検知したら人が確認して通報するところまでを指すのが通例で、Appleが「サービス」と呼ぶのもその層を含む見守りだと思われます(ここも推測です)。日本ではその層をどう提供するかが焦点で、Ringの日本向けプランの説明にも有人の監視は含まれていません。

料金の面でAppleに有利なのは、すでにiCloud+ で「150円から」という土台があることと、Apple Oneという束ね売りの器があることです。Apple Oneの個人プランに見守りが入れば、単体で契約するより割安に見せられます。逆に言えば、単体でもRingの350〜1,180円が上限の目安になり、それを大きく超える値付けは難しいでしょう。

日本と中国で使えるのか

HomeKitセキュアビデオは、Appleの機能提供地域の一覧で日本、香港、中国本土のいずれにも含まれています。カメラ関連の機能は当初から広い地域で提供されてきたので、2027年のカメラも、この延長線なら日本での提供に障害は少ないはずです。

中国本土は少し事情が違います。ここではiCloudのデータを貴州の現地企業が運営するサーバーに置く決まりで、他国とは運用が異なります。加えて防犯カメラは、小米やTP-Link、ハイクビジョン系の民生ブランドが数百元で売り、クラウド保存も月数十元というのが相場の市場です。「映像を保存しない」というAppleの売り文句が、映像を残したい中国の利用者にどこまで響くかは、正直なところ読めません。プライバシーを最大の価値として売る製品が、監視カメラが日常の風景になった国でどう受け止められるか。2027年にここから見届けます。

まとめ。カメラは「サービスの入口」

Appleがホーム製品を一から作り直す中で、カメラは最後に来る部品です。ホームハブ(今年)で家の中に「判断する頭」を置き、iOS 27で他社製カメラの映像にAIを通し、2027年に自社製カメラと月額サービスで囲い込む。Apple Music、iCloud+、Apple TVに続く、月額の「見守り」がサービス収入の新しい柱になるという筋書きです。

買う側の判断としては、今すでにHomeKit対応カメラを使っている人は、iOS 27の4機能が9月中に無料で降りてくるので待つだけ。これからカメラを買う人は、2027年まで待つ理由はなく、HomeKitセキュアビデオ対応のカメラを1台、月150円のiCloud+ で始めておけば、来年Apple純正が出たときの乗り換えも同じホームアプリの中で済みます。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors、9to5Mac、Appleサポート(iCloud+)、Apple(iOS 27プレビュー)、Apple(機能の提供地域)、Ring)

※記事中の画像はイメージです。

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