各メディアが伝えている通り、ここ2年間大して消費者の興味をひきつけることができなかった”Google Glass(グーグル・グラス)”の命運は、かつてAppleの管理者だったトニー・ファデル(Tony Fadell)の手に委ねられた。
ファデルはかつて”iPodの父”と呼ばれていた。実際、彼は2006年から2008年の間、AppleでiPod部門の開発責任者だった。去年2月にGoogleが32億米ドルでトニー・ファデルがApple退社後に設立したNestを買収した後、ファデルはそのままGoogleに入社していた。GoogleはGoogle X研究実験室からGoogle Glass研究室を単独で分けることを計画しているという。現在Google Glass部門はIvy Rossが担当しているが、将来的に彼はトニー・ファデルの部下となって成果を報告することになる。そしてファデルはGoogle Glassの責任者となり、”戦略的な意見”をすることになる。
ファデルはインタビューで、早期のGoogle Glassへの努力は我々のために新しい土地を開墾しただけではなく、我々に消費者や企業に対してどのように言うのかを学ばせてくれたことこそが重要だと語っており、Ivyと一緒に仕事ができることを嬉しく思う、と述べている。最近の情報では、Googleは2015年にニューバージョンのGoogle Glassをリリースするとされているが、一部のレストランや映画館などではGoogle Glassが既に着用禁止となっているため、ニューバージョンというだけではあまり注目を集めいないかもしれないが、ウェアラブルデバイス市場そのものがトニー・ファデルという大人物と、AppleのApple Watchによって盛り上がる可能性もある。
ファデルの手によって、Google Glassはどこに向かうのだろうか?
画蛇添足
あくまで私個人の意見だが、私が考えるGoogle Glassの問題点は3つ。
1. 価格
まず、Google Glassの価格だ。基本的に約1,500米ドル(約17万円)というこの価格は、試してみようと思えない価格だ。iPhoneやMacBook Airが2台買えて、MacBook Proでさえ買えるくらいなの価格だ。安いAndroidだったら10台買える値段かもしれない。
もし価格が10分の1くらいだったら、ちょっと買ってみようかなとは思うが。。この値段だとおいそれと手を出せない。
まだ実験段階の製品であることは理解するにしても、それでも機能に対してあまりに高すぎる。コストパフォーマンスが悪すぎるのだ。
■Amazonでもこの価格。。はあ。。
デザインがとても優れているとは思えないのと、比較的大きいので、かけていて恐らくストレスになる。
そして、そのGoogle Glassをかけてますよ感が相手に威圧感を与える。Google Glassでは録画も録音も可能だ。録画・録音されている、つまり監視されていると感じて愉快に思う人はかなり少数だろう。
それが証拠に、上で紹介したように米国ではいくつかのレストラングループや映画館グループがGoogle Glassを着用しての入店お断り、としている。周囲の人だけではなく、お店や企業などにも迷惑をかけるのではいいデバイスとはいえない。
3. メガネをかけるのが嫌いな人もいる
私自身もそうなのだが、メガネをかけること自体が好きではない人もいる。どんなに軽くても、どんなにフレームの挟みこみがゆるく作ってあるメガネでも、メガネそのものが苦手だったりするのだ。それなのに、Google Glassは間違いなく普通のメガネよりも重量があって存在感もある。メガネが苦手な人は余計身につけたいなどとは思わない。
そして、もともとメガネというものは目がいい人はかける必要がないものだ。必要ではないものをわざわざ追加で身に付けるためには、それなりの機能を持っていること、そして身につけたいと感じる価値を持たなくてはならないが、Google Glassにはまだそれが無いようにみえる。
ファデルの力を持ってしても、上記の3点を解決しない限りGoogle Glassが普及することは考えにくいと思う。
記事は以上。