付属品が充実した完動品の【Apple I】が来月オークションに登場

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Appleは狂信的なファンがいることで知られています。今ではとっくに時代遅れの、40年前に発売された記念すべきオリジナルのコンピュータ、【Apple I】が今でもオークションで非常に高値をつけることからその熱狂ぶりがわかるというものです。

今回、また新たに【Apple I】がオークションに出品されます。しかも、珍しい完動品な上、おまけが盛りだくさんについてきています。マニアには垂涎ものではないでしょうか。。

apple-i_whole_computer_CharityBuzz

今回出品される【Apple I】は、David Larson氏によって出品されます。Larson氏はバージニア工科大学の教授で、彼自身はAdam Schoolsky氏から、1994年に当時3500ドルで購入したそうです。Schoolsky氏はApple Computer(アップルコンピュータ)の共同創業者、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)とスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak、Woz、以下ウォズ)の友人で、Schoolsky氏はなんと二人のスティーブからプレゼントとしてその【Apple I】を受け取っていたというのです。

その【Apple I】は、ウォズ本人の手によって1976年に組み立てられたもので、オンラインオークションのCharitybuzzで9月12日からオークションにかけられる予定です。そしてその収益はFAIRS(FOUNDATION FOR AMATEUR INTERNATIONAL RADIO SERVICE。バージニア州の緊急用ラジオシステムを開発している非営利団体)に寄付されます。

そしてこの【Apple I】には、今の持ち主のLarson氏が、前の持ち主のSchoolsky氏から1994年に受け取った手紙も入っています。また更に、【Apple I】とその後継機の【Apple II】プロモーション用のビラまで入っています。またコンピュータ工業業界のタブロイド紙の”Silicon Gulch Gazette”に1977年に掲載された記事も入っています。

またそれらの中にはロン・ウェイン(Ron Wayne)氏によって描かれたものも含まれています。ロン・ウェインといえばあまり知る人がいない、Apple Computerの3人目の共同創業者で、Apple Computerの初代の複雑なロゴはウェイン氏によってデザインされました。ウェイン氏は更に【Apple I】のマニュアルと概要図のデザインも担当していました。

そして今回出品される【Apple I】の付属品の中で、もしかしたら【Apple I】本体よりも価値があるかもしれないのが、【Apple I】のカセットインターフェースカードです。今では知る人があまりいないかもしれませんが、初期のPCはプログラムやデータをカセットテープに保存していました。カセットインターフェースカードがあれば、【Apple I】とカセットレコーダーを接続することができるようになります。多くのオリジナル【Apple I】のオーナー達はそのカードを買うことはありませんでした。そして現存する【Apple I】にはその部分がかけているものが多いのが現状です。

Steve-Wozniak
Appleの共同創業者で、Apple Iをほぼ一人で設計・組立したスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak)。初期のApple Computerはこの人なしでは成り立ちませんでした。しかしいたずら好きだったことでも知られています。

今回の【Apple I】には、更に”Zaltair hoax”として知られるもののフライヤー(ポスター)のコピーも入っています。フライヤーは1977年のウェストコースト・コンピュータ・フェアで配布されたもので、いたずらが好きなウォズによって作られ、そしてSchoolsky氏が2000部ほどのカタログのような形にして、市場に出ているどのコンピュータよりも安く優れているという、実際は存在しない”Zaltair”というコンピュータを宣伝するもので、誰もこの”ニセポスター”の黒幕について語ることがなかったものでした。そしてウォズとSchoolsky氏はそのイベントに参加した熱狂的にコンピュータファンの間に少々混乱を巻き起こしたのでした。

さてそんなSchoolsky氏が持っていて今回オークションに出品される【Apple I】は、今も技術的に問題なく動作します。ただし、起動にはやはりコンピュータのマニアックな知識が必要になります。というのも、初期のコンピュータは外部電源ユニットや外付けキーボードをつけないと使えないからです。

ちなみにApple Computerは、次の年に大成功を収める【Apple II】がリリースされてディスコンとなるまでに、175台の【Apple I】を生産したとされています。そして現在では数十台の【Apple I】しか現存せず、また現在も動作する【Apple I】は両手で数えられるほどしかないほどです。

【Apple I】は最近たびたびオークションにかけられていて、プレミア価格がつくのが慣例となっています。直近では5月にドイツのオークションで13万ドルの値をつけた【Apple I】がありました。当ブログでもたびたび【Apple I】のオークション出品については採り上げていますが、数千万円から億を超える値がつくものもあります。

記事は以上です。

(記事情報元:Business Insider

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