【充電は週1回?】Honorが15,000mAhのスマホ用バッテリーを試作、iPhone 17 Pro Maxの3.1倍か

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中国の【Honor(オナー、栄耀)】が、14,000mAhから15,000mAhに達するスマートフォン用の超大容量バッテリーを試作していると、中国のリーカーDigital Chat Stationが11月3日に伝えました。売りは「1回の充電で1週間」で、GSMArenaは次期Honor Power3かWin RT3への搭載を推測しています。10月に発表されたばかりのHonor WIN RT2の12,070mAhがスマートフォンとして現時点で最大級ですから、それをさらに約24%上回る数字です。

15,000mAhスマホバッテリー

リーカーの投稿に書いてあること、書いていないこと

Weibo投稿の転載で読むと原文は短く、「14000mAh〜15000mAh級の超大容量バッテリーを試作中で、1週間しっかり使えることが売り」という趣旨です。原文の「試模」は金型を起こして試作する段階を指し、量産の手前にあたります。GSMArenaはこれを「試験生産に入った」と訳していますが、投稿そのものにはブランド名も機種名も量産時期も書かれていません。Honor製だというのは快科技など中国メディアの報道で、6月の初報でも投稿に付いた絵文字からHonorだと判断されていました。6月時点では14,000mAhで「NPI(新製品導入)段階の検証中」とされていたので、4か月余りで上限が1,000mAh増え、段階が一つ進んだことになります。厚みと重さについては、リーカーが返信で「高密度セルなので、本体の重さも厚みも極端にはならない」と述べたとGSMArenaは伝えていますが、数値は出ていません。

Honor WIN RT2の12,070mAhから24%増、iPhone 17 Pro Maxの3.1倍

比較の基準になるのが、10月21日に中国で発表されたゲーミング機Honor WIN RT2です。Honor公式ページは12,070mAhの「青海湖バッテリー」を看板にしており、GSMArenaの仕様では重さ238g、厚さ8.5mm、充電は90Wです。GSMArenaの発表記事によると、中国価格は12GB/256GBが約9万9,600円(4,199元)、16GB/512GBが約12万3,300円(5,199元)です。15,000mAhならWIN RT2から約24%増で、1月に発売されたHonor Power2の10,080mAh(GSMArena)からは約1.5倍になります。

Appleの機種と並べると差がもっとはっきりします。iPhone 17 Pro MaxはGSMArenaの掲載値で4,823mAh(SIMトレイのある日本版などの値で、eSIM専用の米国版は5,088mAh)、重さ233g、厚さ8.8mmです。WIN RT2はほぼ同じ重さと厚さで2.5倍の容量を積んでいる計算で、15,000mAhになれば約3.1倍です。これを可能にしているのがシリコンカーボン負極で、Honorはこの技術に「青海湖」という名前を付けて、WIN RT2でも前面に押し出しています。同じ体積により多くの電気を詰められるので、容量を増やしても重さと厚みが比例しては増えない、というのが「極端にはならない」の根拠です。とはいえ12,070mAhのWIN RT2で238gですから、15,000mAh機がそれより軽くなる理由はなく、240g台かそれ以上は覚悟した方がよさそうです。しかしその程度の差で容量がiPhone Pro Maxシリーズの3倍になるなら、十分受け容れられるレベルかと思います。

「1週間持つ」は1日約2,140mAhしか使わない計算

15,000mAhを7日で割ると、1日あたり約2,140mAhです。iPhone 17 Pro Maxの4,823mAhでいえば、1日に半分弱しか減らない使い方に相当します。SNSと連絡と短い動画程度のライトユースなら成立しますが、ゲームや動画撮影を毎日何時間もする使い方では1週間は無理です。実際、Snapdragon 8 Elite Gen 5と冷却ファンを積むゲーミング機のWIN RT2は、12,070mAhを積んでいても売り文句はゲーム性能の方で、「1週間持つ」とは別の売り方です。

GSMArenaが搭載候補にHonor Power3を挙げるのは、5月の噂でPower3がMediaTekのDimensity 8600を積む中位機とされていたからです。省電力のチップと組み合わせて初めて「1週間」の看板が立つ、ということを意味しています。つまりこのバッテリーは、ハイエンドの性能を長持ちさせるためというより、「充電を忘れても困らない」中位機を作るための部品だと考えるのが自然です。Honor Power3はまだ発表されておらず、Power2が今年1月の発売でしたから、順当なら来年初めになりそうです。

飛行機には持ち込める?中国ではモバイルバッテリーの方が厳しい

これだけの容量だとまず気になるのが飛行機への持ち込みです。15,000mAhは公称電圧を3.87Vとして計算すると約58Whで、航空各社が機内持ち込みの上限とする100Whを下回ります。スマートフォン本体ですから、容量が大きくてもほかのスマートフォンと同じ扱いで機内に持ち込めます。

むしろ中国では2025年6月28日から、国内線で3C認証マークのないモバイルバッテリーの持ち込みが禁止されています。日本で売られているモバイルバッテリーの多くは3C認証を取っていないため、持ち込むと没収される可能性が高いとINTERNET Watchは伝えています。快科技がこの噂を「モバイルバッテリーを消滅させる」と書いた背景にはこの事情があります。本体に15,000mAh入っていればモバイルバッテリーを持ち歩かなくてよい、という訴求は、中国の出張や旅行の実情では意外に響くかもしれません。ただ、年末で中国の日本国民に対するビザ免除がなくなると噂されていて、来年以降は中国への出張や旅行は更にしにくくなって需要そのものが減るかもしれませんが。

日本ユーザとの関わり

Honorは現在、日本でスマートフォンを公式販売しておらず、11月4日時点では公式サイトの日本向けページ(honor.com/jp/)も「見つかりません」の表示です。日本で手にするなら中国版か海外版を個人輸入する形になり、技適と対応バンドは個人の責任で調査する必要があります。中国に住んでいる人や中国出張が多い人なら、WIN RT2が中国のHonor公式ストアで約9万9,600円から買えます。15,000mAh機も中国では普通に店頭に並ぶようになるでしょう。個人的にはOppo Find Nシリーズなど優秀な折りたたみスマートフォンに入れて欲しいところです。

小龍的にはこう思った

HonorはHUAWEIの廉価版ブランドとして、また米国から制裁を受けたHUAWEIから海外市場でも売るために戦略的に分けられたメーカーですが、中国市場でHUAWEIとAppleにシェアを取られている側で、当ブログでもお伝えした通り、2026年第3四半期の中国市場は両社以外のメーカーが約25%減でした。性能や画質では差を付けにくい中、バッテリー容量は数字で分かりやすく、「1週間持つ」は中国の消費者に刺さるキャッチフレーズです(かなり長めに見積もっているというツッコミはさておき)。

快科技によれば、Honorは1年足らずで10,000mAh(Honor WIN)から12,070mAh(WIN RT2)まで容量を引き上げています。次が15,000mAhというペースは、シリコンカーボン負極にまだ伸びしろが残っている証拠でもあります。一方のAppleはこの技術をまだ採用しておらず、iPhone 17 Pro Maxの4,823mAhは、ほぼ同じ重さの中国機の約4割にとどまります。

Appleの採用時期は現時点では白紙ですが、採用した時にはiPhoneの持ち時間も一気に変わるはずです。日本ユーザーは中国スマートフォンには殆ど興味がないと思われますので、今回のHonorの15,000mAh機そのものより、この部品や技術が日本では圧倒的なシェアを持つAppleやSamsungの機体にいつ波及するかを見ていた方が実益があるかもしれませんね。

記事は以上です。

(記事情報元:GSMArena、快科技、Honor。円換算は三菱UFJ銀行が2026年11月2日に公表した外国為替相場の仲値TTM、1元=23.72円で計算した参考値です)

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