【iPhone Duo】の初回在庫について、BloombergのMark Gurman氏がポッドキャスト「Power On」の最新回で、物流に近い関係者の話として、Appleが初回在庫の約8割を直営店に回したと明かしました。MacRumorsがその内容を伝えています。店舗ごとの在庫は最少で50台、旗艦店でも約250台にとどまり、10月16日の予約開始から数分でオンラインの納期が1月下旬までずれた一方、発売日に店頭に並んだ人の多くが買えたのは、この配分が理由だったということです。

直営店に8割、1店舗50台から250台という配分
Gurman氏の話をMacRumorsが要約した内容は3点です。初回在庫の約80%が直営店向け、店舗の在庫は少ないところで50台、旗艦店で最大約250台、そしてニューヨーク5番街店だけはApple幹部が発売日に来店したため異例に多く積まれていたということです。ポッドキャストの公開ページでは、この回がiPhone Duoを1週間使った感想と画面の亀裂報告、そして供給が限られているために交換機の入手が難しい点を扱うと説明されています。数字そのものは音声の中身をMacRumorsが書き起こしたものなので、本記事もMacRumorsの報道として扱います。
当ブログでもお伝えした通り、予約開始から30分で日本のApple Storeの出荷予定は2027年1月22日になり、米国は1月25日、中国本土は1月23日でした。発売日分がたった数分で消えたということは、オンラインに回された2割がもともと極端に少なかったことを意味しています。「人気で瞬殺」というより、「オンラインにはほとんど置いていなかった」というのが実態に近そうです。
数字から逆算する初回在庫の小ささ
Appleの米国の店舗一覧を数えると直営店は269店です。全店が最少の50台だったとすると約1万3,450台、全店が旗艦店並みの250台でも約6万7,250台で、米国の店頭在庫は多く見積もってもこの幅に収まります。旗艦店は限られていますから、実際はこの幅の下寄りと見るのが自然です。発売日に並べば買えた、と聞くと潤沢に見えますが、米国全体で数万台という規模にすぎません。
日本の直営店は11店です。同じ計算で日本の店頭分は550台から2,750台で、国全体でも最大数千台という計算になります。当ブログでもお伝えした通り、Foxconn関係者の話として年内の備蓄は750万台と伝えられていますから、初回の店頭在庫は年内の生産計画と比べて3桁小さい数字です。初回を薄く配って発売日の行列を見せ、年末にかけて量をさばくという配分で、Appleはあえてそうしていると考えられます。
日本は店頭販売なし、中国は京東が翌日配送
この店頭に置かれた”8割”の本体によって発売日に店へ並べば買えたのは、米国だけの話です。日本のApple Storeは発売日の当日販売を行わず、受け取り予約をした人だけに渡す形でした。つまり日本の店頭分は、予約開始時に受け取り枠を押さえられた人の分で埋まっていて、米国のように朝から並んで買う道は閉じていました。米国で約31万5,000円(1,999ドル)のiPhone Duoは日本では364,800円からで、価格も高いうえに店頭で手に入れる経路も閉じていた、ということになります。
一方、中国では発売3日で拼多多で256GBが定価割れし、京東は定価で翌日配送をしていました。Appleの公式サイトが2027年1月の納期を示しているのに、販売パートナーの京東が翌日に届けられるということは、直営店とapple.comの8割・2割の配分とは別枠で、パートナー向けの在庫が動いていることを意味しています。Gurman氏の数字はあくまでAppleが自分で売る分の話で、通信キャリアや大手ECの取り分はこの外側にあると見るべきでしょう。中国のように大手ECが初回から数を持っている市場と、Apple直営とキャリアしか選択肢のない日本とでは、同じ「供給不足」でも手に入りやすさがまるで違うということになります。
亀裂の交換機が足りない理由も同じ配分
ポッドキャスト(Power On)の説明文が「供給が限られているため交換機の入手が難しい」と触れているのは、内側画面の亀裂報告への対応のことです。Appleは亀裂を少数と説明し、AppleCareでの交換に応じています。初回在庫の8割を販売用として店頭に流し、残りの2割もオンラインで数分で消えたということは、修理用に抱えておく交換機の余裕もほぼ尽きていたことを意味しています。発売直後に不具合が出た製品で、交換機の在庫まで初回配分に食われていたとすれば、交換を申し込んだ人が待たされるのは当然の帰結です。厳しい現実ですが。。
小龍的にはこう思った
今回の数字で一番はっきりしたのは、iPhone Duoの「数分で1月納期」は需要の爆発ではなく、Appleがオンラインに2割しか置かなかった結果だということです。米国で直営店269店に50台ずつ配っても1万台強で、それを「発売日に並べば買えた」と見せられるのが直営店という場の強みです。逆に日本は11店で、発売日も受け取り予約の分だけでしたから、同じ8割配分の恩恵が日本の読者に及んだのはごくわずかです。
では今から日本で買いたい人はどうするかというと、apple.comの1月納期を待つか、通信キャリアの在庫を当たるかの二択になります。京東のような翌日配送の経路があるのは中国だけです。年内750万台の備蓄が本当なら、1月の納期表示は前倒しされる可能性が高く、亀裂問題の対策部品が反映された個体が出回るのもその頃でしょう。今回の数字を見る限り、高値の転売品は見送ってよいでしょう。
そもそも、Appleの初物には要注意という格言は今に始まったことではないのです。高値に飛びつく意味は殆どないと思った方がよいかもしれません。今後プレミアがつくかもしれないので、投資として購入して未使用のまま綺麗に保存しておく、という手もありますが。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors、Power On with Mark Gurman、Apple(iPhone Duo製品ページ)、Apple(日本の価格)。円換算は三菱UFJ銀行の公表相場2026年10月30日の仲値TTM=1ドル157.54円で計算した参考値です)




