Appleは2026年10月27日(日本時間では同日夜)、M6チップを搭載した24インチiMac(M6)を発表しました。Apple Japanのニュースルームによると、日本の価格は10コアCPU/10コアGPUモデルが249,800円(税込)から、12コアCPU/12コアGPUモデルが289,800円からで、予約注文は10月29日(木)、発売は11月6日(金)です。10月28日のイベント「Pro and tell」を前に、プレスリリースだけで出てきた形です。M6のほかに新しいのはWi-Fi 7とBluetooth 6、2.5Gb Ethernet、最大170GB/sのメモリ帯域幅、最大2倍高速になったSSDで、24インチ4.5K Retinaディスプレイ、12MPセンターフレームカメラ、7色のカラーは前モデルから変わっていません。この記事では、前モデルのM4 iMacから日本で5万円以上上がった価格と、見出しだけ読むと新しく見える2.5Gb Ethernetの正体を中心に見ていきます。

日本は前モデルから5万円超の値上げ、米国価格の換算より1万3,000円高
2024年10月のM4 iMacは、Apple Japanの当時の発表によると、8コアCPU/8コアGPUの2ポートモデルが198,800円、10コアCPU/10コアGPUの4ポートモデルが234,800円でした。今回のM6 iMacは2ポートモデルが249,800円、4ポートモデルが289,800円ですから、入口の価格で51,000円(約25.7%)、上位モデルで55,000円(約23.4%)の値上げです。入口のモデルがCPU/GPUとも8コアから10コアに増えているとはいえ、2年前と同じ「一番安いiMac」を買うのに5万円以上余計にかかるということになります。
米国価格は10コアモデルが1,499ドル(約23万7,000円)、12コアモデルが1,699ドル(約26万8,000円)です。日本の249,800円はドル建て価格の換算より約1万3,000円高く、289,800円は約2万1,000円高い計算です。日本の価格をドル価格で割ると、10コアモデルは1ドル=約166.6円、12コアモデルは約170.6円になります。Appleが日本向けの価格に足元の為替よりかなり円安寄りの設定を使っていること、しかも上位モデルほど上乗せが大きいことを意味しています。学生・教職員価格は10コアモデルが240,800円、12コアモデルが272,800円で、値引き幅は10コアモデルが9,000円、12コアモデルが1万7,000円です。対象になる方は12コアモデルの方が割引が大きく、両モデルの差は3万2,000円に縮まります。
2.5Gb Ethernetは本体ではなく電源アダプタ側、2ポートモデルは購入時にしか選べない
MacRumorsは、新しいiMacの2.5Gb Ethernetポートが本体ではなく電源アダプタに内蔵されていること、前モデルでは同じ場所のポートが1Gbだったこと、下位モデルでは30ドル(約4,700円)のオプションで、上位モデルでは標準であることを伝えています。Apple Japanの技術仕様でも、10コアモデルは「2.5Gb Ethernet(オプション)」、12コアモデルは「2.5Gb Ethernet」と書き分けられています。ニュースルームの脚注には「2.5ギガビットEthernetオプションは、12コアCPUと12コアGPUを搭載するモデルで利用できます」とあって技術仕様と食い違っていますが、後述のAppleサポートのガイドも2ポートモデルで購入時に選ぶ形を説明しているので、10コアモデルでも注文時なら付けられると読むのが自然です。
ただし、Ethernetが電源アダプタ側にあること自体は今回の新しい仕様ではありません。2021年の初代24インチiMacの発表時点で、Appleは「1GbpsのEthernetポートを電源アダプタに装備しているため、机の上が散らかりません」と説明しており、M1・M3・M4の各世代とも同じ方式でした。今回変わったのは、そのアダプタ内蔵ポートの速度が1Gbから2.5Gbに上がったという1点です。本体の薄さを保つためにEthernetを電源アダプタへ追い出す設計を5年間続けた結果、速度の方をようやく2.5倍にしたということですね。
注意が要るのは2ポート(10コア)モデルを選ぶ方です。Appleサポートの24インチiMacのガイドには「2ポートの24インチiMacの場合は、付属の143W電源アダプタをEthernet内蔵タイプにするかしないかをご購入時にお選びください。あとで追加することはできません」とあり、購入済みの2ポートモデルに有線LANを足すには別売のUSB-C – Ethernetアダプタを使うことになります。自宅や事務所に2.5Gb対応のルーターやNASがあって有線でつなぐつもりなら、注文画面でEthernet内蔵アダプタを選び忘れると、後からThunderbolt/USB 4ポート2つのうち1つをアダプタで潰すことになります。逆にWi-Fiだけで使う方には、Wi-Fi 7に対応した時点で2.5Gb Ethernetの出番は少なく、オプション代は節約してよいと思われます。
7色は2021年から同じ、ガーマン氏の予測「新色」は外れ
カラーはブルー・グリーン・ピンク・イエロー・パープル・オレンジ・シルバーの7色です。この7色は2021年のM1 iMacの発表時と同じ構成で、2024年のM4 iMacでは同じ7色のまま色味だけが調整されました。Bloombergのマーク・ガーマン氏は2026年8月に「M6 iMacは年内に新しい色の選択肢とともに登場する」と報じていました(当ブログでもお伝えした通り)が、発表された色は5年前と同じ顔ぶれで、この部分は外れたということになります。ガーマン氏は「大きなデザイン変更はない」とも書いており、筐体・ディスプレイ・ポート数が前モデルから変わらない点はその通りでした。

なおAppleのオンラインストアの一覧では、10コアモデルで選べるのはブルー・グリーン・ピンク・シルバーの4色で、7色全部から選べるのは12コアモデルだけです。M4 iMacでは一番安いモデルも7色から選べましたので、下位モデルの色を4色に絞るのは2021年のM1 iMac以来の区別が戻ってきた形です。イエロー・パープル・オレンジが欲しい方は、自動的に289,800円のモデルになります。
10コアと12コアの4万円差で変わるもの
両モデルとも標準のメモリは16GB、SSDは256GBです。差額の4万円で変わるのは、Thunderbolt/USB 4ポート2基がThunderbolt 4ポート4基になること、2.5Gb Ethernetが標準になること、Touch ID搭載Magic Keyboardが同梱されること(10コアモデルはTouch IDなしのMagic Keyboard)、外部ディスプレイが1台から最大2台になること、メモリの上限が24GBから32GB、SSDの上限が1TBから2TBに広がること、Nano-textureガラスが選べること、そして7色から選べることです(技術仕様)。CPUとGPUが2コアずつ増える性能差より、拡張性と周辺の違いの方が響いてくる構成といえるのではないでしょうか。

Appleが示す性能は、M4比でExcelなどのアプリが最大1.5倍、写真編集などのグラフィックスが最大2倍、LM Studioでのオンデバイスのプロンプト処理が最大5倍です。M1 iMacからの買い替えではそれぞれ最大2.5倍・3.3倍・12倍とされています。Appleの脚注によると比較対象はM4の10コアCPU/10コアGPU・32GBメモリ・2TB SSD構成なので、標準の16GB/256GB構成で同じ倍率が出るとは限りません。
Apple Intelligence(Siri AI)については、同じニュースルームの脚注に、Siri AIはmacOS 27.2でベータ版として提供され、日本語・英語・フランス語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語で使えるとあります。当ブログでもお伝えした通り、iOS 27.2では日本語のSiri AIが解禁されましたので、新しいiMacでも日本語設定のままSiri AIを試せることになります。
小龍的にはこう思った
今回のiMacは、M6チップ・Wi-Fi 7・2.5Gb Ethernetという中身の更新と引き換えに、日本では一番安い構成で5万1,000円の値上げになりました。筐体も色もポートの数も2021年から同じですから、個人的には、M4 iMacをお持ちの方が買い替える理由は正直薄いと考えます。一方で、2021年のM1 iMacをまだ使っている方には、Appleの数字でアプリが最大2.5倍、オンデバイスAIが最大12倍という差は体感できる水準で、Wi-Fi 7と2.5Gb Ethernetで家庭内のネットワークの速度も一段上がります。
買うなら、まず有線LANを使うかどうかを先に決めることをお勧めします。10コアモデルは注文時にEthernet内蔵の電源アダプタを選ばないと後から足せず、12コアモデルなら最初から付いています。その上で、2.5Gb対応のルーターやNASがまだ無い家庭では、有線を使うにしても当面は1Gb止まりですので、周辺機器が2.5Gbに揃っていない方は無理にオプションを足さず、Wi-Fi 7で様子を見る方が安く済みます。日本でも予約は10月29日からですが、iPhone Duoのような予約困難にはならなさそうで、11月6日以降は店頭でも色を見比べてから選べるはずです。
記事は以上です。
(記事情報元:Apple Japan ニュースルーム、Apple Newsroom(米国)、Apple Japan iMac製品ページ、Apple Japan iMac技術仕様、Apple Japan ニュースルーム(2024年M4 iMac)、MacRumors、Appleサポート。円換算はYahoo!ファイナンスの2026年10月28日の為替レート1ドル=157.96円を用いた参考値です)


