デジタルミュージックの代名詞ともいえるMP3フォーマット。そのMP3が市場に登場してから25年で、とうとう正式に”引退”する日がやってきた。MP3の開発元の「The Fraunhofer Institute」が、先月既にMP3の特許とソフトウェアの使用許諾プログラムを停止したと発表したのだ。
Gizmodoの本日の報道によると、AppleはMP3フォーマットの普及に大きな役割を果たしたが、このフォーマットの消滅と滅亡とも関係を切ることができないという。それはなぜだろうか?そのキーはiPodにある。
2001年にAppleからリリースされたiPodは、デジタルミュージックプレイヤーそのものを、それまでマニアしか持っていなかった小規模な製品から、一気に市場の主流のデバイスに変化させた。しかし2年後、AppleはAACフォーマットのサポートを始めた。The Fraunhofer Institute研究所では、AACが今やいい意味でMP3の代替品になっているとしている。
以前、AppleはFairPlayデジタル版権管理(DRM)に自身のAACバージョンを追加して批判されたことがあり、一部の会社はAppleが不法にiTunesユーザが他の競合の製品に切り替えるのを防いでいると指摘してAppleを起訴したことがあるが、結局最終的にはAppleが勝訴した。2007年、AppleはDRMの使用をやめ、購買証明(レシート)をAACファイルに埋め込むようにし、それによってP2Pネットワーク上で自由にそのファイルのソースが共有できるようにした。
しかし、The Fraunhofer Institute研究所ではもはやMP3フォーマットの使用許諾を新しいMP3プレイやーには与えなくなったが、既にこのMP3は世界に長年存在していることから、まだ市場でも多くのデバイスがMP3形式を使用している。MP3の開発元が使用許諾を停止した今、今後はAACに統一されていくのだろうか、または別の形式が主流になるのだろうか?
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(記事情報元:Gizmodo)