2014年の中国の平均年収、北京の市内国営企業が200万円(10万元)を突破

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中国新聞網(記者:李金磊)が本日伝えたところによると、中国(大陸)全国各地の2014年の平均年収の統計が続々と出てきているという。記者の完全では内藤系によると、6月15日までに、遼寧省、黒竜江省、湖北省、新疆ウイグル自治区、西藏チベット自治区、貴州省、上海市、江蘇省、天津市、山東省、雲南省の11の省市以外の、20の省市の2014年の平均年収が揃ったという。

2014年中国平均年収
2014年中国平均年収。現在のレートでは約20倍すれば日本円となる

データが示しているとおり、20の地区のうち、北京の平均年収が最も高いことがわかった。北京市統計局が公表したデータによれば、2014年の北京市の市内非私営(民営)企業=国営または公営企業の従業員の平均年収は102,268元(約203万円)となり、10万元(約200万円)の大台を突破した。ただ、市内私営(民営)企業の平均従業員年収52,902元(約105万円)で、倍近い開きがあることがわかった。

北京の非私営企業の従業員の平均年収で10万元を突破したのは、20省市の中では北京が唯一で、これは同じ調査範囲の中で最低の河南省の42,179元(約84万円)に比べ2.4倍の格差がある。

なお、上記の調査データから、市内非私営企業従業員の全国平均年収は56,339元(約112万円)で、1年前に比べ名目成長率は9.4%で、物価上昇率を加味しても、実質成長率は7.1%となる。市内私営企業の全国従業員平均年収は36,390元(約72.5万円)で、名目成長率は11.3%で、物価上昇率を加味すると実質成長率は9.0%となる。

しかし20省市の平均年収を眺めてみると、多くの省市が全国平均水準に至っていないことがわかる。その中でも市内非私営企業の中で、北京市、浙江省、広東省、青海省だけが全国平均水準を上回っている結果となった(富の集中、しかしなぜ青海省が入っているのかが不思議)。そして市内私営企業の中でも、北京市、広東省、重慶市、浙江省の4省市だけが全国平均を上回ったことになる。

ただ、現状としては毎年この”平均年収”が発表されるたびに、殆どの人は「自分のもらっている給与はそんなに多くない」「私は平均より低いのだ」という不満を覚えるという。

「この統計で、富の分配制度の更なる改革と、あまりに大きすぎる格差を縮め、平均が大多数よりも高いという現象を防がなければならないということがはっきりとわかる」と北京師範大学収入分配改革研究院の李実執行院長は語る。李実執行院長は更に、経済成長には多くのリソースをかけて、就業と給与の合理性を保証しつつ成長を導かなければならないのと同時に、更に給与制度の見直しや、給与の正常な成長制度を確立し、「低所得層の収入を増やし、中間層を拡大し、高所得者層を限定する」という方針を実現させることが大切だと語っている。

ここ10年来、中国人の所得は本当に増えたのか?生活物価との比較

それでは、一般の中国人の肌感覚はどうだろうか?

10年間で中国人の収入は本当に増えたのか_1
中国の2001年から2011年までの消費者物価指数CPIの上昇率グラフ

消費者物価指数(CPI)は、国民の生活に関係する製品価格と、労働の対価として支払われる金額の統計から導き出される物価変動指標だ。中国国家統計局が発表したCPIのデータでは、2011年のCPIは2001年に比べ29%になったという。これは2011年の100元では、10年前の77元のものしか買えないということだ。

10年間で中国人の収入は本当に増えたのか_2
中国の2001年〜2011年の10年間での豚肉価格で見る消費者物価指数CPIの変化グラフ

中国畜牧业信息网(中国牧畜業情報ネット)のデータによると、2013年1月上旬で、全国の豚肉の平均価格は15.84元/500gで、2003年の3月の豚肉の価格は5元/500gだった。つまり同じ500gの豚肉が10年で(15.84-5)/5=216.8%となったわけで、豚肉で見ると現在の100元は10年前の30元の実力しかないということになる。

10年間で中国人の収入は本当に増えたのか_3
北京の2001年〜2011年の10年間での煎餅果子価格で見る消費者物価指数CPIの変化グラフ

2003年の1個の鶏卵を使った中国風お好み焼き(屋台で買うもの。私は中国のC級グルメの王様だと思っている)の”煎餅果子(jianbing guozi、ジエンビングオズ)”は1.5元だったが、2013年には同じものが5元となっている。北京の”煎餅果子”指数は(5-1.5)/1.5*100=233%ということになる。2003年には100元で66.6個の”煎餅果子”が買えたが、2013年には同じ100件で20個しか買えないことになる。北京の”煎餅果子”指数でいえば、2013年の100元は2003年の30元の実力ということになり、豚肉とほぼ同じ物価上昇率ということになろう。

10年間で中国人の収入は本当に増えたのか_4
全国市内企業の従業員平均年収、2001年から2011年の10年間の推移グラフ

では、給与の上がり方はどうだろうか。2001年には10,870元(現在のレートで約21.6万円)だった全国市内企業の従業員平均給与は、10年後の2011年には42,452元(現在のレートで約84.5万円)になっている。10年間の給与増加幅は、(42452-10870)/10870*100% =290.5%だった。もし上の”煎餅果子”指数で比べてみると、2001年の10,870元は2013年的36,233元になっているはずだ。同じ指数で逆算すると、2011年の41,452元は、2001年には12,735.6元となるはずだ。

画蛇添足 One more thing…

2014年の年収データについて

2014年のデータでは、国営や公営企業の方が民営企業よりも平均収入がかなり多いことがわかった。これは恐らく、民営企業は末端の従業員(例えば外地から出稼ぎに来た従業員等)の給与が非常に安いため、平均値も下がっている可能性がある。今の都市でも最低賃金水準が1〜2万元なのだから、その給与をもらっている人もいるということになる(もちろん都市のサービス業など、業種によってそんな給与では誰も雇うことはできないが、、)。国営や民営は決まった給与が定められており、最低賃金よりもだいぶ高く設定されている。だからこそ皆公務員になりたがるのだろう。ただ、その2014年のデータも収入が多いとされる上海市や江蘇省が入っていないのはいまいち全体を語るには信用度がかけるデータだ。そしてそもそも中国国家統計局そのものの情報が信用できない、水増ししているという指摘は国内外からもあり、それも確かにその通りだと思う。

消費者物価指数と給与の比較について

またCPIで見てみると、全国の給与増加幅は、生活必需品の食品指数に比べると上昇幅が大きいと言うことになるが、ただしこれは比較の対象が価格統制がとられているものだけに限定されている。例えば車や家などの物価はうなぎ登りにあがっていて、特に都市の家やマンションを購入しようと思ったら、上記のような平均給与では何百年働かないと買えないような価格になってしまっている。しかもこれらは中国では結婚するときに男性側にほぼ必須なものでもあったりする(車や家を所有していない、或いは買える経済力のない男性はほぼ結婚することが難しい)。普通に給与をもらっている人は、家にもともと財産がない限りは家も車もなかなか買えないのだ。とはいえ、都市にはじゃんじゃんマンションが建設され、車も大渋滞になって大気汚染を引き起こすほど都市に充満している。これは明らかに社会構造の歪みを表しているともいえるのではないだろうか。

中国では貧富の差が激しいため、平均を見るのはそれほど意味がない

ただし、中国ではあまりに貧富の差が大きく、平均で語っても仕方がないというのも一方では正しい見方でもある。中国は都市と農村、そして都市間や農村間でも格差が激しい。ある意味中国が国家として競争力を保つには仕方がないやり方でもある。中国でみんなが中流階級になってしまったら、日本のようになってしまうだろう。そして日本も皆が気づかないうちにどんどん悪い意味での格差社会となってバッドスパイラルに陥っている。中国もそのようになろうとしているのだろうか。どうか日本の教訓を活かしてもらえればと思う。

いずれ平均でも日本は追い抜かれるかも

いずれにせよ、政府の発表と国民の肌感覚がかけ離れているというのはどこかの某国でも同じことだし、富の集中・富の寡占が行われているのはどの国でも同じだろう。しかし円安と日本の不景気・労働人口減少の影響もあって、中国人の収入もどんどん日本に近づいてきているし、その差はどんどん縮まって、いずれは名目上でも追い抜かれる日が来るかもしれない。

収入の話より、C級グルメの話をしよう!煎餅果子について

私が勝手に中国C級グルメの王様だと思っている煎饼果子(ジエンビングオズ)を紹介しよう。正に中華クレープだ。ちなみに地方ではまだ5元以下、2元とか3元で買えるところもある。

鉄か石のプレートの上で、雑穀や小麦などをまぜてといた種を木のへらで薄くのばし、その上に卵を割ってまたまんべんなくのばす。焼けてきたら裏返し、ソースを塗る。ねぎや香菜などを振って、その上に油条かもしくはぱりっとした揚げ物を載せて、場合によっては野菜なども入れてから折りたたみ、最後に真ん中をざくっと折る。

煎餅果子の作り方
煎餅果子の作り方

個人的にはこのさくっとした揚げをのせているやつの方が好き。

煎餅果子_2

これが完成形だ!

煎餅果子_1
煎餅果子、完成形

ちなみに個人的には中国C級グルメで、この王様の煎饼果子の上に君臨する神様みたいに美味しいのは湖北省荆州市公安県の锅盔(鍋盔、guo kui)だと思っているが。。

中空で、間に色々なものを挟む。外はごまがついていてぱりっと仕上がっていて香ばしい!

公安鍋盔_1

記事は以上。

(記事情報元:Tencent News 1Tencent News 2

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